2019年4月15日月曜日

2019 INDYCARレポート R4 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Race Day ウォーム・アップ:コルトン・ハータがトップ

ハータ、好タイムでウォーム・アップのトップタイムをマーク Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
午後の決勝とは異なるコンディションの中で走行開始

 今朝のロング・ビーチは靄に包まれていた。しかし、それも朝9時のウォーム・アップ・セッション=ファイナル・プラクティス開始前には晴れていた。
 空は曇り、気温が16℃、路面温度が22℃というコンディションで30分のセッションはスタート。セッション中に太陽が顔を出し、気温は17度までにしか上がらなかったものの、路面は26℃まで上昇した。このまま照り続ければ、午後の路面は昨日のように40℃台まで上がるだろう。ファイナル・プラクティスとは異なる午後のコンディションにセッティングをどれだけ調整できるかは大きなポイントになる。

アンドレッティ勢がトップ3を独占するが、PPのロッシはレッド装着で7番手 Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
ハータ、レッド・タイヤ装着で予選5位相当のタイム
アンドレッティ・オートスポートが1-2-3


 エスケープ・ゾーンに飛び込むマシンは何台もあったが、アクシデント赤旗が出されることもなくファイナル・プラクティスは終了。最速ラップはコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング/ホンダ)の出した1分07秒1053だった。昨日の予選で5位に入れるタイムとなったのは、涼しい中でレッド・タイヤを使った結果だ。マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアン)もレッドで1分07秒3466をマークして2番手。ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が同じくレッドで1分07秒4017で3番手だった。アンドレッティ軍団のトップ3だった。

レイホールもレッド・タイヤで、4,5番手につける!
ディクソンはブラック・タイヤで自己ベスト


グレアム・レイホールはこの週末安定した速さをキープ Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
 4、5番手につけたのはグレアム・レイホールと佐藤琢磨のレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダのコンビ。こちらもレッド使用。タイムはグレアムが1分07秒5769、琢磨が1分07秒7021だった。
 6番手につけたのが予選2位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。こちらはブラック・タイヤでの自己ベスト記録。レッドでの走行はナシだった。
 ポール・シッターのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)は7番手。ベストはレッドでの1分07秒9051だった。
 8番手はザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)で、9番手はチャンプカー時代の2005〜2007年にロング・ビーチで3連勝しているセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン/ホンダ)。

シヴォレー勢のトップは10位のピゴット!
ペンスキー勢を押さえてピゴットがウォーム・アップでシヴォレーのトップとなる10位につける Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大
 シヴォレーのトップはスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)の10番手だった。ジェイムズ・ヒンチクリフ(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ/ホンダ)を挟んだ12番手がシヴォレー期待のルーキー=パト・オーワード(カーリン)。昨日の予選で久しぶりにトップ3に3人全員が入っていたチーム・ペンスキーは、ウィル・パワーが13番手で、シモン・パジェノーが15番手、ジョセフ・ニューガーデンは20番手だった。何かを試していたのだろうが、3人の中での最上位だったパワーでもトップとは1.4秒以上の差。ブラック最速のディクソンと比べても0.6秒を超える差。彼らのトライアルは成功していなかったようだ。
「ブラックもレッドでも悪くなかった」と語る佐藤琢磨
「マシンの大変更がこの結果につながった


土曜夜、日曜朝とマシンに2度も大きな変更を施した佐藤琢磨はブラックでもレッドでも好感触のセッティングにたどりつく Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 琢磨はブラックでの連続周回を先ずは行って5番手につける1分08秒3をマークし、最後の4分ほどをレッドで周回し、こちらも5番手につけた。「マシンは良くなって来たと思います。自分たちとしては、そこそこ良いところにセッティングが着地したと感じています。実は、昨日のセッティングから結構大きな手術をしたんですよ。だから、このセッションではブラックで全体的なタイヤのでグラデーションの具合を見て、燃料のミクスチャーも幾つか試しました。そして、最後にレッドでバランスの確認をしました。ラップ・タイムはそんなに思っていたほどは上がらなかった。全体的に見て、ブラックでもレッドでも悪くはなかったと思います。ウォーム・アップでチームメイト2人が揃って良い状態ですが、僕らのマシンは、実は昨日の夜に僕が考えついたことがあって、すぐに(エンジニアの)エディー(・ジョーンズ)に電話して、またマシンに大工事をやってもらったんで、それが間に合って良かった。結果的に良い方向に行ったのが嬉しい」と琢磨は語った。 昨日の予選後にエンジニアたちと検討し、決定したセッティングをクルーたちはマシンに施したが、琢磨のリクエストで今朝になってそれをもう一度変更。それが好結果に繋がったことを琢磨は喜んでいた。

レイホールの2台はスタート・タイヤにブラックをチョイス

 「クルーたちは朝からまた大変だったと思います。エディーも朝は忙し過ぎて不機嫌だったけど、この世界は結果がすべてなので、こうして好タイムが出たから良かった。あのまま行ってたら、ここまで良くはならなかったはずだから。今のセッションで試したセッティングはグレアムとは違うもの。でも、彼の方も非常に興味深いセッティングになっているので、そちらのデータも早く見たいですね」と琢磨。二人のドライヴィング・スタイルに合わせた調整があったのか……と思ったら、更なる進歩を狙ったトライが2台両方で行なわれていたということのようだ。「ドライバーの好みだけ、フィーリングだけじゃないものに合わせただけじゃなく、その裏には理論があります。でも、どちらに行ったらいいのかがわからないから2台で分けて試してました。だから、レースの前にまたお互いの試したものの中から何かを選んで、マシンに変更を施す可能性もある。でも、それぞれがそこそこマシンが良いし、ラップ・タイムもほとんど変わらないから、このまま行くかもしれない」。

 グレアムは6番手、琢磨はそのすぐ後ろの8番手からのスタート。彼らはどんなレースを戦うことになるのだろうか。二人ともスタート・タイヤはブラック。トップ5はレッドを選んでいる。
以上


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