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気温27℃。やや蒸し暑いコンディション下で90周のレースにグリーンフラッグが振り下ろされた。
注目されたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのチームメイト同士によるフロント・ロウ、ポール・シッターの佐藤琢磨は最終コーナーで加速を開始すると、ストレートに入ってすぐぐらいでグレアム・レイホールの前に出た。「1速のギヤを低いのに代えてもらってたから」とレース後の琢磨。グレアムは同じ策を採っていなかった。
スタートから後続を引き離すことに成功 Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大 |
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レース終盤はディクソンにアタックの隙を与えず
琢磨は17周を終えて1回目のピットに向かった。ここでは作業に時間を取られたが、築いていたリードが大きかったことでトップを保った。その後も琢磨のペースは衰えず、レースをほぼ制圧し切った。フル・コース・コーションが出ずにハイ・ペースで進んだレースで、琢磨は第2スティントからはブラック・タイヤを装着、2番手以下との差を着々と広げて行った。
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グレアムの後退により、2番手には予選3位だったディクソンが浮上して来た。琢磨と同じ3ストップ作戦、タイヤの選択も結果的にフレッシュ・レッド、次からゴールまではブラック・タイヤを三連投……と同じになった。そして、ゴールまで続いた二人の勝負、ディクソンには決め手がなく、彼にできたのは相手のミスを待ち、プレッシャーを与え続けることだけ。それもあってか琢磨は一度コース・オフを喫したが、順位逆転は起こらなかった。
「こんな勝利を飾れるとはレース前には思ってもいなかった」
RLL躍進をもたらした新セッティングフィロソフィー
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シャンパンファイトをする佐藤琢磨。2位ディクソン、3位ブルデイとjホンダが表彰台を独占 Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大 |
琢磨はレース後、「チームのおかげ。今日のマシンはタイヤがレッドでもブラックでも本当に速かった」とコメント。「ポール・トゥ・ウィンはインディカーで初めてだし、ここまでライバル勢を圧倒しての勝利とできたところが嬉しい。こんな勝利を飾れるとはレース前には思っていなかった」と続けた。
ポディウムでHPD社長のテッド・クラウスと固い握手を交わす佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
開幕2戦はストリートコースとロードコースだったが、特にサーキット・オブ・ジ・アメリカスでのパフォーマンスが良くなかったRLLは、今回新しいセッティング・フィロソフィーをトライした。新加入のベテラン・エンジニア=アレン・マクドナルドが持ち込んだものだという。それを骨格として琢磨とグレアム、二人の好みに合わせてのセッティングを進めて行った結果、2人は予選でフロント・ロウを独占し、琢磨はレース・デイのバーバーのコースで最速の存在となっていた。
RLLチームオーナーのレターマンとボビー・レイホールも佐藤琢磨の完璧な勝利にご覧の表情で祝福する Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
アンドレッティ勢はロッシの5位が最上位
ペンスキー勢3人は、ニューガーデンが4位までポジションを上げてゴール。シヴォレー勢最上位フィニッシュを果たした。底力を持つ彼らは、ようやく決勝でマシンにある程度高度な戦闘力を持たせることに成功していた。ニューガーデンは3戦連続のトップ5入りを達成し、ポイント・トップを保った。ウィル・パワーはレース中のファステスト・ラップを記録したが、連続周回でラップタイムを速く安定させることはできていなかった。
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以上
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