開幕戦に続き2戦連続、COTA初のポール・ポジション獲得に充実の表情を見せるパワー。自身のキャリア56回目のPPだ Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大 |
パワーが鮮やかなアタックでロッシを逆転
NTTインディーカー・シリーズ第2戦インディーカー・クラシックの予選が曇り空と、あまり高まらなかった気温と路面温度という条件下で行われた。一瞬雨がパラついたが、3段階の予選はドライ・コンディションが保たれたと言ってよいものだった。
サーキット・オブ・ジ・アメリカス(COTA)でのインディーカーによる初めての予選はエキサイティングなハイ・スピード・バトルだったが、スピードが高いコースならではの、ミス=コース・オフ=即赤旗という状況が不運な犠牲者を何人も生んでいた。
予選セカンドステージを戦うパワー、ニューガーデン、ローゼンクヴィスト、ディクソン。このセカンドステージを1位で上がったのはローゼンクヴィスト。パワーはロッシ、ハータ、ハンター-レイに次いで5位だった Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大 |
逆転のアタックラップを決めてピットに戻ったパワーは会心の表情 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
「ポールを決めたラップは最高に気持ちのいいものだった」
「1ラップずっと息を止めていたと感じたほどだった。このコースはコーナー数が多く、本当にテクニカル。走っていて楽しいのだけれど、ミスなくラップをまとめ上げるのがすごく難しいんだ。ポール獲得を決めたラップは最高に気持ちが良いものだったよ」とパワーは興奮し、大喜びで語った。嬉しいのは当然で、これが開幕戦セイント・ピーターズバーグに続いての2戦連続PP。それも、今日の予選ファイナルに進んだのはホンダ・ドライヴァー5人と彼で、唯一のシヴォレー・ドライヴァーとして責任とプレッシャーを走る前に感じていたため、PP獲得で大きな満足感を手にしたのだ。明日のレース、PPから優勝した者にはサーキット・オブ・ジ・アメリカスから10万ドルの賞金が出されることになっている。見応えあるすざまじいバトルの末に、パワーはビッグ・ボーナスを手にするチャンスを掴んだ。
ポール・ポジションをのがしたもののツキのあるロッシ
ファーストステージ敗退の危機を紙一重で回避
間一髪でファースト・ステージをクリアしたロッシ。これも勝負強さか Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大 |
ロッシのQ1クリアは冷や汗ものだった。トニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)がコース・オフして赤旗を出した時、彼はまだレッド・タイヤでのアタック・ラップを1周も終えていなかったのだ。しかし、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とエド・ジョーンズ(エド・カーペンター・レーシング)の好ラップがレッド・フラッグ直後の計測だったために無効とされ、ロッシはブラック・タイヤでのベスト=1分47秒4689で6番手に入ることができたのだった。
不運に見舞われずに済んだロッシはQ2を1分45秒台に入るスーパー・ラップで2番手でクリアし、ファイナルでは1セットのレッドのみ使ってセッション最後に行う1ラップに賭ける作戦を選んだ。
パワーはファスト6でレッド・タイヤを2セット投入。走行開始とともに1セット目のタイヤで真っ先にアタックを試みた Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
対するパワーは2セットを投入する作戦だった。グリーンフラッグと同時にコース・イン。1セット目で1分46秒4839を出してトップだった。それをロッシが一発勝負で出した1分46秒1761で逆転。ロッシのPPがなったかに見えたが、パワーが大逆転(!)の1分46秒0117を叩き出した。ロッシに0.1584秒の差を突き付け、開幕から2戦連続、キャリア56回目のPPを獲得した。
ハータ、ファスト6初進出! ルーキー最上位の4位に
ローゼンクヴィストも2戦連続ファスト6!
予選3位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)。4位はコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング/ホンダ)。彼が今回はルーキー最上位グリッド。レッド・タイヤの使い方もうまく、ユーズド・レッドでも好ラップを記録した辺りに能力の高さが現れていた。
ディクソンと互角のパフォーマンスを示すローゼンクヴィスト。開幕戦に続いて今回も5位ローゼンクヴィスト、6位ディクソンと隣同士でスタートを迎えることに Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
またもアンラッキーでQ2進出を阻まれた佐藤琢磨
「4番手か5番手でQ2進出できていたはずなので本当に残念」
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は見事なラップを記録した……と思ったら、その直前に赤旗が提示され、そのラップはカウントされず。開幕戦に続いて、Q2進出が確実なラップを行えていながらQ1で予選を終えねばならなかった。6人が進めるルールでの7番手。予選結果は14位となり、7列目アウト側グリッドから明日のレースはスタートを切ることになった。
Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
となると可能性は低かったかもしれないが……。
「明日に向けては、今のセッティングを更に良くすることを目指すべきか、元に戻すか難しいところ」とも琢磨は話していた。タイヤ・チョイス、タイヤのマネジメントも難しくなるであろうレース、どんな戦いが繰り広げられるか非常に楽しみだ。
以上
琢磨選手、また不運に泣かされましたね………(TT)
返信削除パジェノー選手も同不運でQ1落ちも悲しいです。同じチームのパワー選手が連続PPだったのに、どうしてパジェノーだけこんな仕打ちを受けるのやら………。
明日の決勝レース、両選手のリベンジに期待します。