2019年3月24日日曜日

2019 INDYCARレポート R2 インディーカー・クラシック Day2 プラクティス3:アレクサンダー・ロッシがこの週末初のトップに

初日の走行でいい位置につけていたロッシがプラクティス3で満を持してトップに。ハンター-レイも4番手とアンドレッティ・オートスポートが初日をコンプリートしたペンスキー迎撃態勢を固めてきた Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大
ブラックタイヤで昨日のパワーのタイムを更新

 約1ヵ月前の合同テストで2日目の最速ラップ=1分46秒8535を出していたアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がレース・ウィークエンドのセッションで初めてトップを取った。ブラック・タイヤ装着でのプラクティス3ベスト・ラップは、テスト時のものには届かなかったものの、昨日レッド・タイヤでウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が記録した最速ラップより0.5866秒も速い1分46秒9148だった。曇天、風ややありだが、気温=19~20℃、路面温度23~25℃という低温コンディションがスピード・アップの理由だった。プラクティス1がトップと0.3889秒差。プラクティス2がトップと0.4910秒差。の3ウォーム・アップがトップと0.533秒差。3セッションともポジションが3番手だったロッシだが、予選を前にしてついにマシン・セッティングを研ぎ澄ますことに成功、ペンスキー勢に挑む……という雰囲気になって来た。


コンディションの変動にかかわらず驚異的な安定感を見せるルーキー、ローゼンクヴィスト Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ローゼンクヴィスト、2日目も2番手につける
3番手にはレイホールがジャンプ・アップ


 2番手はフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。タイムは1分47秒0536。このスウェーデン出身ルーキーが見せる安定感(それも非常に高いレヴェルで)にはただただ驚くのみ。このセッションでのベストは最後にニュー・タイヤを投入してのこととは思われるが……。活躍の背景にガナッシのチーム力があるのはもちろんだし、まだ2戦目でもあるけれど、5回もチャンピオンになっているチームメイト=スコット・ディクソンと同等か、時として彼を上回るパフォーマンスを見せるドライヴァーなんて、引退する1年前=2012年のダリオ・フランキッティ以来と思う。

レイホールが2日目になってセッティングを向上させてきた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 3番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)=1分47秒4397。プラクティス1で5番手と出は良さ気に見えていたレイホールだが、トップとの差は0.8秒と結構大きく、プラクティス2でレッド・タイヤを使うとトップとの差は更に広がって13番手。ウォーム・アップも20番手と、時間の経過とともに下降線を辿って来ていた。しかし、予選を前にまた上昇機運となった。合同テスト4セッションの総合では7位につけていたレイホール、今年最初のロードコースでの予選順位はどの辺りに収まるのか楽しみだ。

 4番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)=1分47秒5363。彼はプラクティス2が
4番手、ウォーム・アップは7番手と、僅差でロッシを追いかけ続けている。

 昨日のプラクティス1でトップだったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が5番手。その次の6番手がディクソンで、昨日のプラクティス2最速だったパワーは7番手で、ウォーム・アップでトップ・タイムを記録したシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は9番手だった。

ハータ、セッション2にエンジントラブルにみまわれるが
変則タイスケによるウォームアップでリカバリー



このセッションは12番手だったハータ。その勢いがどこまで続くのか?という目で見られるハータだが、初日のプラクティス2をフイにするアクシデントにも崩れないタフさを見せている Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 合同テストで最速だったルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング/シヴォレー)は、予選前のセッションで12番手だった。トップとの差は0.8949秒。昨日のプラクティス1でトップと0,1372秒差の2番手と、幸先良い出足を見せたハータだったが、ここでエンジントラブル発生。更にはクルーがエンジン交換に長い時間を必要としてプラクティス2を走れなかった。ハータのトラブルを受けてエンジン交換を行ったロッシのチームは作業を間に合わせてプラクティス2をフルに走っていたが……。それでも、ルーキー=ハータには”ウォーム・アップが金曜日”という特殊スケジュールが味方し、レッド・タイヤのチェックを行なうことができ、そこで2番時計を記録した。60分間のプラクティスをひとつ走れなかったのはルーキーとしてはかなりの痛手だが、その不利を物ともせずに予選上位に食い込メルカ、注目したい。

「もうちょっとタイムと順位を良くしたい」
佐藤琢磨の課題は「低速コーナーと高速コーナーのバランス」

 
Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は13番手だった。タイムは11周したうちの7周目に記録した1分47秒9333。1.0185秒と小さくない差がセッション・トップとの間にはあった。「今のセッション、マシンの状態そこそこでした。好タイムをセッション中に出して上位にいた時があったけれど、その後に2セット目のタイヤを入れたドライヴァーもいたようですね。でも、もうちょっとタイムと順位を良くしたかったですよね、本当はね。マシンの改善したいところは、細かいことを言えばキリがないんだけれど、やっぱりスロー・スピードとハイ・スピードのコーナーでのバランス・シフトが大きいところが難しい。そこをもう少し何とかしたいですね」とマシンを降りた琢磨は話した。

注目のオーワードは14番手に


Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 昨年度インディー・ライツ・チャンピオンのパトリシオ・オーワード(カーリン/シヴォレー)は、このセッションで14番手だった。プラクティス1が16番手。プラクティス2が11番手。ウォーム・アップは15番手と苦戦モード。先輩チームメイトのマックス・チルトンは、プラクティス1は10番手だったが、プラクティス2は15番手、ウォーム・アップは23番手とチームメイト以上に状況は厳しい。
 このセッション終盤にはF1からスイッチして来たルーキー、マーカス・エリクソン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ/ホンダ)がコース・オフ。赤旗を出した。先輩チームメイトのジェイムズ・ヒンチクリフともども、これまでのところCOTAでは思うような走りを見せることができていない。
以上

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