2019年3月10日日曜日

2019 INDYCAR レポート R1 ファイアストン・グラン・プリ・オヴ・セイント・ピータースバーグ Day2:プラクティス3でもライアン・ハンター-レイが最速! しかし予選でPPを獲得したのはウィル・パワー

 ここセイント・ピータースバーグで8回目のとなるポールポジションをパワーがゲット! Photo:INDYCAR (Chris Owens)
ハンター-レイ、セッション3を制す

 快晴、気温22℃、路面33℃で始まったプラクティス3ではプラクティス2に続いてライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が最速だった。ベストは1分00秒8966。彼はプラクティス1でも2番手と絶好調。
 2番手にはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が1分00秒9005で来た。ハンター-レイとの差は0.0039秒。そして、この次の3番手が佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。ベストは1分00秒9033でトップのハンター-レイと0.0067秒、2番手とニューガーデンとは0.0028秒と差はほとんどなかった。

 琢磨は走行後、「トップ5に入れていますが、ラップ・タイムは凄く拮抗していますね。ここまで自分たちは順調にプログラムが進んで来ています。あとは予選でのレッド・タイヤ。今日は路面温度がこれまでにないぐらいに上がっているので、その中でうまくマネジメントしないといけない」と話していた。

Photo:INDYCAR (Karl Zemlin)
ファスト6でユースド・レッドしかないパワーがPP!

 午後の予選は天候が快晴のまま、気温が26℃まで上がって行なわれた。 そして、PPを獲得したのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。Q1のグループ1t組は赤旗連発でレッドタイヤをほぼ使わずにセッション終了。Q2以降にレッド2セットを使えるアドヴァンテージを得た。しかし、パワーはユーズド・レッドで走ったファイナルで、新品レッドのチームメイト、ニューガーデンのベストを最後の最後で上回りドラマティックなPP奪取をして見せた。彼のベストは1分00秒4594。両者の差は0.0976秒しかなかった。
 「ロジャー(・ペンスキー)に”P1”と告げられた時には耳を疑った。僕らにはユーズド・タイヤしかなかったから。あのラップがかなり良かったのは確か。1ラップ以上をこなしていたタイヤだったがPP獲得ができた。自分でも本当に驚いている。ここでの8回目のPPだが、今回は無理だと思っていた」とパワー。
 ニューガーデンは「ベストを出せるタイミングで本当のベスト・ラップを完成させることができなかった」と悔しがった。彼ら二人が口路を添えたのは、彼らのストリート・コース用セッティングの向上だ。「去年の自分たちはストリートでのパフォーマンスが不足していたので、それをいかにして上げるかをオフの間に話し合った。シボレーはエンジンの改良で奮闘し、自分たちもセッティングの向上を目指した。今週の僕らのマシンはストリートでの実力を高めていると確認でき、ドライビングがし易くなっていた」といったようにだ。
 フロント・ロウはペンスキーでセカンド・ロウはチップ・ガナッシ・レーシング。そして、サード・ロウはアンドレッティ・オートスポートのものとなった。予選3位はルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィストで、4位はスコット・ディクソン。5、6位はハンター-レイ、そしてアレクサンダー・ロッシ(ともにアンドレッティ・オートスポート)だった。

佐藤琢磨、Q1で5位だったタイムを抹消されて敗退


 ディクソンはQ1のグループ2序盤でスピンして7位で計測時間終了となったが、5位だった佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がセッション終了間際にローカル・コーションを出して最速1ラップが抹消され、ディクソンがQ2進出。ローゼンクヴィストもQ2で7いとなったが、彼をバンプ・アウトし、自ら3位に食い込んだ同じくルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)がチャーリー・キンボール(カーリン)に対する走行妨害のペナルティで降格。ルーキー唯一のファイナル進出ローゼンクヴィストに譲る形となった。それでも、ハータ二世は合同テストでの速さが本物だったことを証明するパフォーマンスをこの2日間で見せて来ていると言える。

 ハンター-レイは5位でも表情が険しかった。PPの最有力候補だったのだから当然だ。「レッドでの走りで苦労した。特にユーズド・レッドでの自分たちはフラフラだった」と彼は悔しがった。ロッシの方は、ファイナルにこそ進出したが、「マシンが自分の思い通りのセッティングにできていない。チームメイトのライアンと同じ速さを手にできていない。どうしてあの差が生まれるのかがわかっていない」と苛立ちを見せていた。

 琢磨はQ1の順調と映っていた。予選の戦いぶりにも余裕が感じられていた。ギリギリまで待ってのアタックでキッチリと5番手に入るラップを記録した。しかし、データ収集のために行なったアタック2ラップ目にターン4でのブレーキングでリヤをロックさせ、エスケープゾーンに滑り込んでにローカル・イエローを引き起こし、ペナルティを課せられた。彼の開幕戦の予選順位は20位と決まった。それでも、マシンの仕上がりは良く、ポジティヴさを失ってはいなかった。「20番手スタートは、去年ポートランドで優勝した時と同じ」といった具合にだ。「明日のウォームアップでレースに向けた用意をさらに向上させたい」と琢磨は前向きだ。

以上


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