2019年12月30日月曜日

2019 INDYCAR ニュース :12月のニュース ECRとDCRのセカンドドライバー確定! ヒンチクリフのレギュラーシートはどうなる?

2019年が終わろうとしています。今シーズンもエキサイティングでしたね。
 では、年末のニュースをお届けします。

エド・カーペンター・レーシング
ロードコース要員はコナー・デイリーに決定


 決まっていなかったエド・カーペンター・レーシングのロードコース要員が発表された。オーナー兼ドライバーのエド・カーペンターがオーバルで乗る20号車をロードコースで走らせることになったのは、コナー・デイリー(インディアナ州出身/28歳)だ。2017年に20号車のロードコース要員としてECR入りし、2018年から2シーズンに渡って21号車のドライバーとしてフル出場をして来たスペンサー・ピゴット(フロリダ州出身/26歳)はリリースされ、代わりにルーキーのライナス・ヴィーケイ(オランダ出身/19歳)がフル・シーズン起用されることになった。


2019年12月11日水曜日

2019 INDYCAR News 12月11日::ロジャー・ペンスキーがIMSとNTTインディーカー・シリーズのオーナーに

73年続いたハルマン家のインディーカー運営とIMS所有も終焉

 ロジャー・ペンスキーのペンスキー・コーポレーションがインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)とNTTインディーカー・シリーズを買った。第二次大戦直後に閉鎖の危機に晒されていたIMSを購入、インディー500を世界最大のレース・イベントに育て上げたトニー・ハルマンとその一家による所有&運営は73年間で終焉、インディー500優勝18回(現在2連勝中)=のインディカー最強チームのオーナーがスピードウェイとシリーズの両方を傘下に収めることになったわけだ。

2019年11月30日土曜日

2019 INDYCARレポート 11月30日:11月はいろいろありましたね

ペンスキーのインディーカー・シリーズ買収で揺れた11月
 いやぁ、11月は実にいろいろありました。順不同で行きますね……と言いつつ、やっぱり最初に来るべきは、”ペンスキー・コーポレーションがハルマン&カンパニーとNTTインディーカー・シリーズを買収”ってニュースでしょう。この件は改めて書きたいと思います。誰もが必要と感じ続けて来た企業としての体質改善、なんとしても実現して欲しいもんです。

2019年11月2日土曜日

2019 INDYCARレポート 11月1日:アロー・マクラーレンSPの若いドライバー布陣が発表に

平均年齢21歳!インディー・ライツ チャンピオンコンビが誕生
 噂は本当だった。
 2020年からNTTインディーカー・シリーズにフル出場するアロー・マクラーレンSP(AMSP)=アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツとマクラーレン・レーシングがジョイント=は、2カー体制のドライバー・ライン・アップをパトリシオ・オーワード(20歳)とオリヴァー・アスキュー(22歳)とすることを発表した。
 オーワードは2018年、アスキューは2019年のインディー・ライツ・チャンピオン。共にエントリーはアンドレッティ・オートスポートで、そのままチーム内でステップ・アップすることはできなかったが、歴史と実績を持つF1の強豪チームと母体を同じくするAMSPはインディーカーの新興勢力となる期待が寄せられているチームであり、将来有望な若い二人にとっては大きなチャンスとなる。ASPM時代はホンダ・エンジンのユーザー・チームだったが、マクラーレンが加わった彼らは2020年からシボレー・エンジンで戦う。

2019年10月30日水曜日

2019 INDYCARレポート 10月29日:マクラーレンSPは若手二人をレギュラーに起用か?


オーワードとオリヴァー・アスキュー!平均年齢21歳コンビ誕生か!?

 マクラーレンSPのドライバー・ライン・アップがいよいよ明らかになりそうだ。アメリカで、パトリシオ・オーワード(2018年インディー・ライツ・チャンピオン/メキシコ生まれ、アメリカ育ちの20歳)と、オリヴァー・アスキュー(2019インディー・ライツ・チャンピオン/フロリダ州出身の22歳)の二人が起用されるはず!との報道がなされた。これが本当なら、平均年齢21歳という大変若いコンビが誕生する。ただし、インディーカーで8レースを戦っただけのドライバーと、インディーカーはテストで1日乗ったことがあるだけのドライバーのコンビでフル参戦1シーズン目を戦うというのは、非常に難しいタスクを自ら背負い込むものでもある。

2019年10月29日火曜日

2019 INDYCARレポート :オフシーズン情報 10月末

エアロ・スクリーン、順調にテスト中

 NTTインディーカー・シリーズは、2020年シーズンに全レースで装着義務付けとなる”エアロ・スクリーン”のテストを行っている。どのコースでも走るのはホンダ、シボレーから1チームずつだ。
 最初がインディアナポリス・モーター・スピードウェイ=スーパースピードウェイ(全長2.5マイル)で、10月2日。走ったのはチーム・ペンスキーのウィル・パワーとチップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンだった。暑い1日だったが、コクピットを強制空冷するダクトも装備され、ドライバーたちは問題がなかったことをレポートしている。真夏のストリート・コースでイエローが出た時とかは、スピードも遅く暑いだろうが……。


2019年10月13日日曜日

2019 INDYCAR ニュース 10月12日:チップ・ガナッシ・レーシングが体制拡大


エリクソンが加入! ディクソン+スウェディッシュコンビの3台体制に

 チップ・ガナッシ・レーシングは2020年のNTTインディーカー・シリーズに3台をフル・エントリーする。五度のタイトル獲得歴を誇るスコット・ディクソン、2019年のルーキー・オブ・ザ・イヤーであるフェリックス・ローゼンクヴィストに加え、2019年にアロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツからインディーカー・デビューした元F1ドライバーのマーカス・エリクソンを走らせると発表したのだ。ディクソンももう39歳。ガナッシとしても将来を見据えた体制作りにとりかかった……ということなのだろう。それがスウェディッシュ・コンビになるとは思いもよらなかったが。

2019年9月23日月曜日

2019 INDYCARレポート R17 ファイアストン・グラン・プリ・オブ・モントレー Race Day 決勝:優勝はコルトン・ハータ、チャンピオンはジョセフ・ニューガーデン

第2戦サーキット・オブ・ジ・アメリカスに次ぐ今季2勝目でルーキー・イヤーを締めくくったハータ。アンドレッティで走る来シーズンが今から楽しみだ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ハータ、堂々のポール・トゥー・フィニッシュで今季2勝目

 2019年NTTインディーカー・シリーズの最終戦は、2004年以来となるウェザーテック・レーズウェイ・ラグナ・セカで開催され、予選でルーキーながら自身3回目、2戦連続のポール・ポジション獲得を果たしたコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)がポール・ポジションを獲得。彼は2時間近いロング・バトルでも強さを誇示し続け、見事な圧勝を飾った。スタートから中盤戦までは5回のタイトル獲得歴を持つスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、2016年チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)からのプレッシャーを受け、終盤には彼らに代わって2番手に浮上して来た2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)から猛チャージを受けた。しかし、19歳のルーキーはまるで動じることなく、90周のうちの83周をリードしてキャリア2勝目でシーズンを締めくくった。

2019年9月22日日曜日

2019 INDYCARレポート R17 ファイアストン・グラン・プリ・オブ・モントレー Day2 予選:コルトン・ハータが2戦連続ポール・ポジション

マシンの仕上がりがよくなり、ドライビングにも安定感が出てきたハータ。ポール・ポジションからルーキ・オブ・ザ・イヤーを懸けた戦いに臨む Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  ルーキーのハータ、シーズン3回目のポール・ポジション獲得
 
 昨シーズンの最終戦ソノマでインディーカー・シリーズにデビューした二世代目ドライバー、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が2019年シーズン最終戦ラグナ・セカのポール・ポジションを獲得した。デビュー・イヤーにして3回目のPP。そして、第16戦グラン・プリ・オブ・ポートランドからの2戦連続PP奪取ともなった。6人による予選ファイナルが始まると、ハータはピットで待機し、残り時間が3分になった時にコース・イン。1周のウォーム・アップの後に2周のアタックを行い、1分10秒1405、1分10秒1658という素晴らしいラップ・タイムを続けえ記録してPPを手に入れた。ベテランたちがセッション開始直後にコース・インし、2セットのタイヤを投入してトライを重ねたのに対し、ルーキーのハータだけが1回のアタックに勝負を賭けることとし、見事にPPを仕留めた。

2019 INDYCARレポートR17 ファイアストン・グランプリ・オブ・モントレー Day2 プラクティス3:フェリックス・ローゼンクヴィストがトップ・タイム


プラクティス初日から好調のローゼンクヴィストが2日目午前でトップに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
ニューガーデン2位に浮上! 

 ラグナ・セカは今日も快晴。プラクティス3は朝10時から45分間に渡ってドライ・コンディションで行なわれた。走行開始時の気温は24℃。路面温度31℃で始まり、セッション終了時は26℃/33℃まで上がった。
 使用できるのはブラック・タイヤのみ。ベスト・ラップはフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)による1分10秒4065だった。


Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 2番手はポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)=1分10秒5888。3番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)=1分10秒5930。4番手はポイント3番手から逆転タイトルを狙っているシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)=1分10秒6122。

2019 INDYCAR ニュース 9月21日:佐藤琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの2020年シーズンの契約が発表に

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3年連続でレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに
 
 NTTインディーカー・シリーズ最終戦の予選日、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは佐藤琢磨を2020年も彼らのドライバーとして起用することを発表した。
 2012年シーズンを共に戦ったのち、4シーズンをAJ・フォイト・エンタープライゼスで過ごした琢磨は2018年シーズンに向けてレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングと再契約。3シーズン連続で彼らとフル・シーズンを戦うこととなる。


2019年9月21日土曜日

2019 INDYCARレポート R17 ファイアストン・グランプリ・オブ・モントレー Day1 プラクティス2:最速はライアン・ハンター-レイ。ウォーム・アップのトップはアレクサンダー・ロッシ


ハンター‐レイ、レッド・タイヤ装着で1分09秒台をマーク

 午後になってもラグナ・セカは快晴。気温は25℃、路面温度43℃まで上がった。
 プラクティス2も走行時間は45分間。レッド・タイヤの使用も許されるセッションで、そのレッド・タイヤ装着でファステスト・ラップを記録したのはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)だった。いよいよラップ・タイムは109秒台に入った。正確には1099105昨日のテストでは6番手、今朝のプラクティス1では15番手と苦戦気味に映っていたベテランだが、プラクティス2ではレッド・タイヤにマシンをビタッと合わせて来た。「マシンのフィーリングが良くなった。でも、このコースの難しさは変わらないし、良いセッティングの幅も非常に小さいため、現状の良さに満足してはいられない。まだまだ仕事は終わっていない。優位と不利ともに今はまだ小さい。自分たちのマシンもまだ僅かながら改善の余地がある。セッティングの方向性を正しいものに保ち続け、フロント・ロウにグリッドを確保したい」とハンター-レイは話した。

ハータ、2019 INDYCARレポート R17 ファイアストン・グランプリ・オブ・モントレー Day1 プラクティス1:ルーキーが大健闘のフリー・プラクティス1






ハータ、ローゼンクビスト、フェルッチが1-2-3!

 ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカでの最終戦は今日から公式日程。カリフォルニアらしい快晴の下でフリー・プラクティス1が午前10時30分から開催され、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が、1分10秒7335の最速ラップを記録した。昨日の6時間に渡ったテストでもハータ二世は最速だった。ただし、昨日のベストは1分10秒0720と、今朝のベストより0.6615秒速かった。
 2番時計はフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分10秒8054だった。トップとの差は0.0719秒差と小さかった。そして3番手は1分10秒8837をマークしたサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)。最初のセッションはルーキーがトップ3を占めた。

2019年9月20日金曜日

2019 R17 ファイアストン・グランプリ・オブ・モントレー:ラグナセカでテスト開催=コルトン・ハータが最速

タイヤ5セットのアドバンテージを生かしてハータがトップタイム Photo:Stephen King
天候:晴れ
気温:18~21℃

15年ぶりのラグナ・セカでのインディーカー開催
 カリフォルニア州モンテレー郊外のラグナ・セカ・レースウェイでインディカーのレースは開催されるのは、2004年以来になる。当時の主催者団体はチャンプカーだった。
 その最後のレースで優勝したのは、カナダ出身のパトリック・カーペンティア。そのレース出ていて今も現役なのが、セバスチャン・ブルデイ(現デイル・コイン・レーシング)、ライアン・ハンター-レイ(現アンドレッティ・オートスポート)。それ以前にラグナセカを走っていて今も現役のドライバーにはスコット・ディクソン(現チップ・ガナッシ・レーシング)、トニー・カナーン(現AJ・フォイト・エンタープライゼス)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキーでインディ500などスポット参戦)がいる。

2019年9月2日月曜日

2019 INDYCARレポート R16グランプリ・オブ・ポートランド Race Day 決勝:ウィル・パワーが今季2勝目

Photo:INDYCAR (Chris owens)クリックして拡大
パワー、圧倒的な勝利で歴代6位タイの37勝目

 全17戦のチャンピオンシップの第14戦ポコノでシーズン初勝利を挙げた2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が、第16戦ポートランドでも勝った。しかし、時すでに遅し。ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がポートランドで5位フィニッシュ。パワーが今シーズン、逆転チャンピオンとなる可能性は消滅した。
 今年の彼がチャンピオン争いを最後まで行えなかったのは、シーズン序盤に不運が重なったためだ。開幕2戦を作戦ミスとメカニカル・トラブルで失った彼は、勢いに乗るチャンスを阻まれた。

2019年9月1日日曜日

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド Day2 予選:コルトン・ハータがルーキーながら2回目のポール・ポジション


Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
最終ラップ、レッドタイヤ装着で大逆転PP

 ポートランド・インターナショナル・レースウェイでの予選では、19歳のルーキー、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が最終ラップの大逆転でポール・ポジションを獲得した。ロード・アメリカ戦に続いてのシーズン2回目のPPは、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の2年連続PPを阻ぶものとなった。パワーは578303を出し、ハータがブラック・タイヤで記録していたベスト=578716を破り、トップに躍り出た。しかし、レッドに履き替えて1ラップのみのアタックを行なったハータが、その1回だけのチャンスを見事にものにした。

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド Day2 プラクティス3:プラクティス3でまたもコルトン・ハータがトップ

Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)

路面温度が10℃も高くなり、タイムアップは果たせず

 昨日のプラクティス1で最速だったルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が土曜日のプラクティス3=予選直前セッションでも最速ランナーとなった。昨日は涼しいコンディションで574293のベストだったが、今朝は気温こそ2℃しか高くなかったが、路面がプラクティス1より10℃も高く、ハータ二世の記録したベストは579939だった。

2019年8月31日土曜日

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド Day1 プラクティス2:プラクティス2最速はセバスチャン・ブルデイ


Photo:INDYCAR (Stephen King)
ブルデイ、セッション2終盤にレッドタイヤでトップに

しかし、その次のラップでタイヤバリアにクラッシュ

 プラクティス1では23台出場中の15番手と目立たなかったセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)だったが、少し暑くなった午後のプラクティスでは、セッション終盤にレッド・タイヤを装着して57.9213秒のトップ・タイムをマーク。その次のラップに彼はファイナル・ターンでコース・オフし、タイヤ・バリアにまっすぐクラッシュ。まだ2分以上を残してセッション終了となった。

2019 INDYCARレポート R16 グランプリ・オブ・ポートランド:ポートランド のプラクティス1最速はコルトン・ハータ


 
ファイアストンのポートランド戦プレビュー・リリースに佐藤琢磨が登場!ファイアストンのリリースに佐藤琢磨が起用されたのは初めてのこと


注目を集める“ディフェンディング・ウイナー”佐藤琢磨

 3週連続レースの最後を飾るグラン・プリ・オヴ・ポートランド。インディカーシリーズは北米大陸中央付近のイリノイ州マディソンから西海岸北部まで2,000マイルも移動して来た。

 2007以来のカレンダー復帰を果たしたフラットなロードコースにおけるレースでは、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が20番グリッドから優勝を飾った。このレースのディフェンディング・ウィナーとして、さらには直近のゲイトウェイで勝ったばかりのドライバーとして、琢磨はとても大きな注目を集めている。ピットやガレージで彼の周りに集まるファンは多い。

2019年8月27日火曜日

2019 INDYCARレポート R15 ボマリート・オートモーティブ・グループ500 Race Day 決勝:佐藤琢磨のゲイトウェイ優勝に感無量!

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
日本人初のシーズン2勝目
 今シーズンは、チーム・ペンスキーで走る2014年チャンピオンのウィル・パワーがまだ1勝しかできていない。アンドレッティ・オートスポートのリーディング・ドライバーである2012年チャンピオンのライアン・ハンター-レイや、4回のチャンプカー・タイトル獲得歴を誇るセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)は優勝なし。そんなシーズンに佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は2勝目を挙げた。5回チャンピオンになっているスコット・ディクソンにはチップ・ガナッシ・レーシング、この3シーズンで最も実力を伸ばしているアレクサンダー・ロッシにはアンドレッティ・オートスポートと、彼らの背後には強豪チームがいる。しかし、琢磨は発展中の中堅チームと評すべきレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからのエントリーで、彼らに並ぶ優勝回数=2勝をマーク。これは高く、高く評価されるべきパフォーマンスだ。
 4月にバーバー・モータースポーツ・パークでポール・トゥ・ウィン!
インディー500で3位、テキサス・モーター・スピードウェイでシーズン2個目のポール・ポジション(1シーズン2PPは4回目!)。そして今回、ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ・アット・ゲイトウェイでシーズン2勝目を挙げた。同一シーズン複数回優勝。日本人初となる記録を琢磨はまたひとつ打ち立てた。1勝するのも難しく、3勝でチャンピオンという年も少なくないインディーカー・シリーズでの2勝。そして、まだ今シーズンは2戦が残されている。

2019年8月26日月曜日

2019 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ボマリート・オートモーティブ・グループ500:佐藤琢磨、ゲイトウェイの優勝を語る

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ゲイトウェイで成功しようとチームは必死でサポートしてくれた
それに対して自分は感謝しかないです

――ポコノでアクシデントがあり、その引き金を引いたかのような責めを一部の人々から受けていました。心の重い数日間を過ごしてゲイトウェイに来たと察します。「うちのドライバーは相手側に寄って行っていない。データもそれを示している」と行ったステイトメントをチームが出してもいました。どんな心境で今週末を迎えましたか?

佐藤琢磨:レース直後には、十分な映像などの情報が十分に揃っていなかったので、自分がアクシデントをスタートさせたように考えた人がいたのも仕方がなかったと思います。それに対してチームは、僕のオンボード映像も、ステアリング操作のデータも持っていますから、それを持って報道されている、あるいは、人々が騒いでいることは真実ではない、ということをステイトメントとして出しましたね。あるアメリカのジャーナリストが、”チームがあのようなステイトメントを出したのを見たことがない”と言っていました。それだけチームからのサポートを自分は受けているっていうのは本当にすごいことにだよねって話してくれて、僕も本当にその通りだなって思いました。ステイトメントを出すのだって僕が頼んだわけじゃないんですよ。チームから自主的にやろうってなってくれた。特に、インディカーがプロベーション(執行猶予付き監察処分)を含めたペナルティを考えていたので、チームとしては情報が足りない中での判断するのは不当だと考えていたので、そういう状況でのアピールだったと思うんですよね。僕自身もやれることはやって、戦うところは戦わないといけない。それ以上に、言論の自由もあるし、人々が色々な意見を持つのは仕方のないこと。でも、間違ったことが報道されて、それによって、何て言うのかなぁ……結構嫌な思いもしました。しかし、レースというものは進んで行きますし、自分たちはこのスポーツが大好きだし、その中で気持ちを入れ替えて今週末頑張ろうってチームはなっていました。アクシデントなんて起きない方がいい。それに越したことはないんだけど、ある意味で、自分たちのチームにとっては、すごく大きな結束力を生んだきっかけにもなったと思うので、誰もがみんな、今週のゲイトウェイでは成功をしようと、チームは本当に必死でサポートをしてくれました。それに対して自分は感謝しかないです。

2019年8月25日日曜日

2019 INDYCAR レポート R15 ボマリート・オートモーティブ・グループ500:速報!佐藤琢磨、ショートオーバル初優勝! ラップダウンから粘りの勝利!

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2019年インディーカーシリーズ 第15戦ボマリート・オートモーティブ・グループ500で佐藤琢磨選手が今シーズン2勝目を挙げた。

 ゲートウェイの1.25マイルオーバルでのナイトレース、予選5番手からスタートした佐藤琢磨は、オープニングラップのターン2に3ワイドでアプローチしたときに接触して13位に順位を落とし、その後集団の中で順位を落として42周目には最下位まで後退。44周目にアンダーグリーンで1回目のピットインを行い、ここで1ラップダウンに後退した。
 66周目、アンダーイエローで2回目のピットを済ませた時のポジションは21位。しかしここから粘り強い走行を重ねてじわじわとポジションアップをはたし、119周目にはラップバックに成功する。124周目、5位走行中にアンダーイエローで3回目のピットインを行い、12位でレースに復帰。第4スティントも佐藤琢磨の走りの勢いは衰えず、188周目にトップを走るフェルッチと、2位のブルデイの2台がピットインしたことでついにトップに浮上する。 


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 197周目、ブルデイのクラッシュによるフルコースコーションの間に最後のピットインを行い、首位でコースに復帰。204周目のリスタートではカナーン、カーペンターに付け入るすきを与えず、210周目にファステストラップを出すなどしてリードを広げる。
残り10周あたりから、バックマーカーの影響などもあり後続に間隔を詰められたものの、最後はカーペンターを振り切って優勝を果たした。
 今シーズン第2戦のバーバー以来2勝目。キャリア通算では5勝目。ショートオーバルでは初の勝利となる。また、今回の優勝でシリーズランキングは6位に浮上した。


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佐藤琢磨コメント
「スタート難しくて飲み込まれちゃって、そのあともペース崩したりして苦しかったんですが、なんとか走り切るしかないと思って。すっとプッシュしていったらチャンスがめぐって来ましたね。
 本当に信じられない。優勝というのはいつでも特別だけど、今回は特にみんな気持ちが一つになっていたと思ので、それがちゃんと結果につながったことがとてもうれしい。チ-ムは本当に素晴らしいサポートでした」


――ショートトラックの初優勝ですね

「英紀がアイオワで2位になって、それからずっと彼のリザルトをめざして戦ってきたんですけど、また新たな歴史の1ページを開くことができたのはすごくうれしい。みんなに感謝したい」



――日本のファンにひとことお願いします
「心配をおかけしましたが大丈夫、勝ちました。ありがとう!」
(編集部)

2019 INDYCAR R15 ボマリート・オートモーティブ・グループ500 Day1 ファイナル・プラクティス:ファイナルプラクティスではコナー・デイリーが最速

コンディションが変わったナイトセッションでもニューガーデンは安定したパフォーマンスを発揮するPhoto:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
ポールシッターのニューガーデンは2番手!
 

 夜8時15分、ボマリト・オートモーティヴ・グループ500のファイナルプラクティスが1時間の予定でスタートした。
 チャーリー・キンボール(カーリン)のターン4でのクラッシュにより、5分ほど早くセッションは終了となったが、彼のチームメイトのコナー・デイリー(カーリン)が最速ラップ=181.931mphをマークした。


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 集団走行が繰り広げられたプラクティスでは、ドラフティングをどれだけ使えたがスピードに大きく影響するので、最速だったからドライバーのマシンがベストの仕上がりではならない……が、上位にポジションしたドライバーたちのマシンが良く、下位に沈んだドライヴァーたちはマシン作りで苦戦しているのが通常だ。
 ファイナルプラクティスで2番手に来たのは、ニューガーデン=181.312mph。プラクティス1で4番手、予選はトップ、ファイナル・プラクティスでも2番手とコンスタントに上位につけているのだから、彼は優勝候補の筆頭に挙げられる。ニューガーデンはショートトラックが得意。2年前のゲイトウェイでは予選2位から優勝しており、去年は予選3位から7位フィニッシュした。

2019年8月24日土曜日

2019 INDYCAR R15 ボマリート・オートモーティブ・グループ500 Day1 予選:ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデンがゲイトウェイのポール・ポジション獲得



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エキサイティングな展開の予選
ザック・ビーチが182mph!


 目まぐるしくトップが入れ替わるエキサイティングな予選となった。
 気温はプラクティス時と変わらない28℃。しかし、路面は42℃まで下がっていた。今日のセントルイス界隈は涼し目のコンディションで、風も適度に吹いていて非常に過ごし易い。

2019 INDYCAR R15 ボマリート・オートモーティブ・グループ500 :ゲイトウェイでのプラクティス1ではサンティーノ・フェルッチがトップ、マーカス・エリクソンが2番手

積極的に周回を重ねたローゼンクヴィストはこのセッション11番手 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
ローゼンクヴィストが最多の62周を走行
ルーキーの積極的な走りが目立ったプラクティス1


 ミズーリ州セント・ルイスから川を渡ったイリノイ州マディソンにあるワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ・アット・ゲイトウェイ(旧称ゲイトウェイ・インターナショナル・レースウェイ)は、1周1.25マイルのショート・オーヴァル。日本のツインリンクもてぎと同じ左右非対称のオーヴァルでターン1~2に11度、ターン3~4に9度のバンクがつけられている。
 気温=28℃、路面温度46℃で始まった1時間のセッションは赤旗も出されず、出場22エントリーは多くの周回をこなした。最多はルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)による62周で、最少はポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)による36周だった。最速もルーキーで、サンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)がセッション終了間際に記録した184.804mph=243501秒。彼は59周を走ったうちの58周目にこのラップを記録した。

2019年8月20日火曜日

2019 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R14 ABCサプライ 500:レーシング・インシデントだ、と佐藤琢磨は主張

「彼らが完全に下に動いている
僕のオンボードカメラの映像を見てほしい」


――アクシデントはどのように発生したんでしょう?
佐藤琢磨:みんな僕が下に寄って行ったって言うけど、彼らが完全に動いている。自分のオンボードカメラの映像で、僕のマシンの下のシーム(路面の継ぎ目)を見て欲しいんです。まっすぐ、まっすぐ僕は進んでいて、当てられている。これでどうして自分の方がアヴォイダブル・コンタクト(回避が可能だった接触)と言われなくちゃいけないのか。これでダメだと言うなら、どうしなくちゃいけなかったのか? 今、インディーカーと話をして来たけれど、その時にはまだ僕のオンボード映像がなかった。彼らは11アングルから見ているって話で、俺の言うこともわかったもし、ロッシとハンター-レイが動いて来たのもわかった、と。だけど、最終的には俺に責任がある……みたいなことを言ってました。責任があるって表現はおかしいか……。でも、もうインディーカーはアヴォイダブル・コンタクトってリリースをしちゃっているじゃない? それに関しては、今は何もしない、と。ニュートラルな立場で、俺のオンボード映像も含めた全部のエビデンスを見てから最終的にジャッジするって。

2019年8月19日月曜日

2019 INDYCARレポート R14 ABCサプライ500 Race Day 決勝 :126周に短縮されたレースでウィル・パワーが今季初勝利


Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)
パワー、得意のポコノでついに優勝!
アンラッキーを速さで克服!

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がシーズン14勝目にして初勝利を飾った。これで彼はインディーカー・シリーズでの13年連続優勝を達成した。トリッキー・トライアングル=ポコノ・レースウェイでのインディーカー・レースは2013年に再開されて今回が7回目だったが、パワーは20162017年に続く3勝目を挙げた。

2019年8月18日日曜日

2019 INDYCAR レポート R14 ABCサプライ 500 Day1 プラクティス::ポコノのペースセッターはトニー・カナーン!

天候によってスケジュールは大幅変更になり、予選もキャンセルに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
天候の影響で午前のプラクティス1がキャンセルに
路面の乾燥作業のため午後の予選も中止


 ペンシルヴェニア州の山間にあるポコノ・レースウェイ。標高は570メートルほど。今日は朝から快晴だったが、サーキットを取り巻くエリアには霧の出たところもあり、救急ヘリコプターが到着せず。雨雲も近づいていたため、インディカーは午前9時30分開始予定だったプラクティス1をキャンセルすることを決定した。その指示を受けて全車がピットからガレージへと引き上げた後、雨は実際に短時間だが強く降った。これで乾燥作業が必要になり、予選もキャンセルされ、代わりに2時間のプラクティスが行われることとなった。

2019年7月29日月曜日

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200 アット・ミッド・オハイオ Race Day 決勝:スコット・ディクソンがミッド・オハイオ6勝目

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 ディクソン、完成度の高い2ストップ作戦をコンプリート!

 予選8位だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がミッド・オハイオ(全長2.258マイル)での90周のレース=HONDAインディ200アット・ミッド・オハイオを制した。
 燃費をセーヴしながら速く走る2ストップ作戦は、昨年アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が見事に決めてブッチギリ優勝を飾ったものが、今年はディクソンがさらに完成度の高い2スティントを実現し、大量リードを築き上げ、最後はチームメイトの猛追を受けたが、それを退けて今シーズン2勝目、ミッド・オハイオでの6勝目を挙げた。

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200 アット・ミッド・オハイオ Race Day:スタート・タイヤ@ミッド・オハイオ

プライマリーx13 vs. オルタネートx10台
前から5人はオルタネートでスタート。
ガナッシは2台ともプライマリーで、琢磨もプライマリーを選択


1  ウィル・パワー オルタネート
2  アレクサンダー・ロッシ オルタネート
3  ジョセフ・ニューガーデン オルタネート
4  シモン・パジェノー  オルタネート
5  セバスチャン・ブルデイ オルタネート
6  フェリックス・ローゼンクヴィスト プライマリー
7  コルトン・ハータ オルタネート8  スコット・ディクソン プライマリー
9  ジャック・ハーヴィー オルタネート10 ライアン・ハンター-レイ プライマリー
11 ジェイムズ・ヒンチクリフ プライマリー
12 マーカス・エリクソン オルタネート13 スペンサー・ピゴット プライマリー
14 サンティーノ・フェルッチ プライマリー
15 グレアム・レイホール プライマリー
16 マックス・チルトン プライマリー
17 佐藤琢磨 プライマリー
18 エド・ジョーンズ オルタネート
19 マルコ・アンドレッティ オルタネート
20 ザック・ヴィーチ プライマリー
21 マテウス・レイスト プライマリー
22 RC・エナーソン プライマリー
23 トニー・カナーン プライマリー

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200 アット・ミッド・オハイオ Race Day ファイナル・プラクティス:トップ3はジョセフ・ニューガーデン、フェリックス・ローゼンクヴィスト、コルトン・ハータ

ニューガーデン、ブラック・タイヤでベストラップ
 決勝日もミッド・オハイオは朝から快晴。風は今日もやや吹いているものの、気温は正午のファイナル・プラクティス開始時点ですでに28度。路面も41℃に上がっていた。
 今日のレースはスタートが午後4時過ぎと遅い。しかし、サマー・タイムが採用されているので、その時間帯はまだまだ暑い盛りだ。午前中の涼しいうちに行うファイナル・プラクティスに比べ、正午からのセッションならコンディションはレースと似たものになる。陽が照り続けてれば、路面はもっと温度が上がるだろうが……。


2019年7月28日日曜日

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200 アット・ミッド・オハイオ Day2 予選:ミッド・オハイオのPPはウィル・パワー=今季3回目

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パワー、ユーズド・レッドでラストアタックでロッシを逆転!
実にキャリア57回目のポール・ポジション!


 適度なアップダウンを持つ全長2.258マイルに13のコーナーが配されたミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コース、今週一番の暑さとなった予選でファイナル・ラウンドを戦ったのは、ポイント・ランキング2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)、ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、今年のインディー500ウィナーでポイント3番手のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ポイント5番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、そして、4度のタイトル獲得経験を持つセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)の6人だった。
 

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 この激戦区でポールポジションを獲得したのは、ユーズド・レッド・タイヤでも1分05秒1569という素晴らしいベスト・ラップを記録したパワーだった。1分05秒5317でトップにいたアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)を彼は最後のアタック・ラップで逆転。すでに歴代2位のPP獲得を成し遂げて来ているパワーは、今回がキャリア57回目のPPで、あと10回で歴代最多のマリオ・アンドレッティの大記録=67回に並ぶ。

シーズン初勝利を渇望するパワー、不運の連鎖を
「今、レースで勝ちたいという気持ちが更に強くなっている」


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 開幕から2戦連続でPPを獲得。一気にポイント・リードを広げて行く可能性を見せたが、現実はその真逆に。1戦目は作戦ミスで優勝を逃し、3位。2戦目もトップを走っていたがギヤボックスにトラブル発生。リタイアが彼だけだったことで最下位の24位に。勢いに乗れなかった彼は予選でのパフォーマンスもダウン。今回の第12戦をポイント・ランキング5番手で迎えているものの、ランキング・トップを走り続けるジョセフ・ニューガーデン(チームメイト)との差は165点にまで大きく広がっており、PPも第2戦以来の久しぶりのものとなった。

 PP獲得で意地を見せたパワー。彼にはまだタスクが残っている。”2008年から続いている1シーズンに少なくとも1勝”が今年はまだ達成されていないのだ。残るはもう5戦だけ。大きなポイント差をひっくり返しての王座奪還は難しそうなだけに、彼は目標を”最低でも1勝”に切り替えていることだろう。2013年の彼は第15戦ソノマまでシーズン初勝利を待たねばならなかった。その時に比べれば、今年はまだプレッシャーは小さいだだろう。
 「今年はずっと成績が悪い。本当にがっかりしている。しかし、自分の中では大きな炎が燃え盛っている。特に、今日の予選アタックのようなラップを行っているときに。これだけ悪い結果を並べるとガックリ来てしまう。それだけに、PP獲得は嬉しい。本当に喜んでいる」とパワーは安堵の表情を見せ、「今、レースで勝ちたいという気持ちが更に強くなっている」とも語った。

気になる二人のペンスキー勢への影響
しかもセカンド・ポジションはロッシ!


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 パワーの”1勝”にかける執念もわかるが、チャンピオン争いをしている2人のチームメイト、ニューガーデンとパジェノーにすれば、パワーの存在は複雑だ。優勝での最大ポイントを彼らが獲得するのを拒む可能性が高いからだ。彼ら二人がポイント争いを展開中の相手、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が予選2位というのも、彼らの悩ませる現実だ。

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー200 アット・ミッド・オハイオ Day2 プラクティス3:プラクティス3でもコルトン・ハータがトップ

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ハータ、ブラック・タイヤで昨日のレッドのタイムを更新!

 ミッド・オハイオでの走行2日目。今日も空は快晴。風が少しあって、昨日より涼しく感じるものの、気温は午前中だというのに26~27℃になった。路面は33~38℃。
 今週3回目となるフリー・プラクティス、セッション中の自身の最終ラップである16周目に最速ラップをマークしたのは、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)だった。昨日の午後、レッド・タイヤで1分05秒7292を出していた19歳のルーキーは、今朝はブラック・タイヤでそれより速い1分05秒7048をマークした。キャリア2回目のPP、キャリア2勝目に向けての準備は着々といったところか。

2019年7月27日土曜日

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ・インディー・200 アット・ミッド・オハイオ Day1 プラクティス2:プラクティス2でコルトン・ハータがトップ・タイム

ハータ、いち早くレッドを装着したことが功を奏す

 プラクティス1より少し暑くなったプラクティス2、最高気温は27℃、路面温度は最高で46℃に達した。
 このセッションでは予選に向けてレッド・タイヤが1セットのみ使用可能。そして、このレッド投入のタイミングが難しい。セッティングを煮詰め、最後の”締め”として予選シミュレーションを行うのが理想だが、今日のようにセッション終了5分前にアクシデントが発生すると、レッドを試せないままセッション終了。予選に向けた準備が不十分で終わってしまう。
 ルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)は、レッドでの走行を早めに始めたこともあって、トップ・タイムをマークした。事前テストを行ったので、ブラックでの走行データは十分ということではないだろうか。

2019 INDYCARレポート R13 ホンダ インディ200 アット ミッド・オハイオ:ミッド・オハイオでの最初のプラクティスはスコット・ディクソンが最速

 ロード・アメリカでのマニュファクチャラー・テストを予定していたシヴォレーだったが、コースの一部が冠水して中止に。代替テストはミッド・オハイオで、ロードアメリカでのレースの後に行なわれた。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)に圧勝され、シヴォレーとペンスキーはロードコースでのスピード不足解消の必要を強く感じた。ミッド・オハイオでテストをすれば、アンドレッティとの差を縮める大きなチャンスとなり得る。ドライバーズ・タイトルをユーザー(=ペンスキー・ドライバー3人のうちの誰か)に獲得してもらうためにもシヴォレーとしてはテストをするしかなかった。ミッド・オハイオの後にもポートランド、ラグナ・セカとロードレースは2戦ある。シーズン終盤はロードレース率が高まる上、最終戦ラグナ・セカはダブルポイントなのだから、この手のコースに力が入れるというのは実にロジカルだ。

2019年7月22日月曜日

2019 INDYCARレポート R12 アイオワ300 Race Day 決勝:メールマガジン:アイオワで実績アリのジョセフ・ニューガーデンがシーズン4勝目でポイントリードを広げる

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ニューガーデン、リードラップ245周での圧倒的勝利

 ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が、アイオワのレースで圧倒的強さを見せた。骨折していても勝った2016年のレースの再現と言っても良かった。あのレースで彼は282周をリードしたが、今晩の彼は245周のリード・ラップとともに勝利を飾った。これで今シーズン4勝目。ポイント2番手のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は6位、ポイント3位のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は4位フィニッシュだったことから、ニューガーデンは二度目のタイトルに向けてポイント・リードを広げることとなった。残るは5戦だ。

2019年7月20日土曜日

2019 INDYCARレポート R12 アイオワ300 Day1 予選:シモン・パジェノーがアイオワでもポールポジション



暑さも克服して2戦連続シーズン3回目のポールポジションを獲得したパジェノー。熾烈なチーム内の争いも制した Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ショートオーバルでも強いパジェノー、連続PP

 トロントでポール・トゥ・ウィンを飾ったばかりのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)がアイオワのショート・トラック(全長0.875マイル=8分の7マイル)でもポール・ポジションを獲得した。気温が33℃、路面は52℃まで上がったが、彼の強さはフリー・プラクティス1と変わらなかった。

2019 INDYCARレポート R12 アイオワ300 Day1 プラクティス1:酷暑のプラクティス1、最速はジョセフ・ニューガーデン

猛暑の中始まったプラクティス1、ニューガーデン以下、ペンスキー勢が1-2-3に Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
アイオワ得意のニューガーデンが好発進

 午前10時で気温は31℃に達していた。湿度は65%、路面は42℃。ピットロードに立っているだけで汗が噴き出して来るコンディションで1時間のプラクティスが行われた。セッション中ずっと陽が照り続け、終了時の気温は32℃へと1℃だけだがアップし、路面は4℃上がった46℃になっていた。
 

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 最速ラップはポイントリーダー=ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)の17秒8961。38周を走ったうちの30周目にベストは記録された。ニューガーデンはアイオワが得意で、2014、2015年に2年連続で2位フィニッシュした後の16年に優勝(まだエド・カーペンター・レーシング所属)=3年連続で表彰台に上った。一昨年は予選16位から決勝6位。去年は予選2位/決勝4位と言う結果を残して来ている。

2019年7月15日月曜日

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Race Day 決勝:シモン・パジェノーが今シーズン3勝目


 
ポール・トゥー・フィニッシュで今シーズン3勝目を飾ったパジェノー。54ポイントを追加して、トップのニューガーデンに39ポイント差に迫る Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大

完璧にマシンを仕上げきったパジェノー

 今年のトロントは3日間の週末中、一度も雨に悩まされることはなかった。雷雲が訪れたのは予選終了直後で、インディカーの走行には何ら影響を及ぼすことはなかった。45分間のプラクティスが3回、3段階の予選、そして決勝日には30分間のウォームアップと、すべてが完全なるドライコンディションだった。トロントのコースはグリップが極めて低く、路面の材質が場所々々で異なる難しいキャラクターだが、今年のエントラントたちはマシンの仕上がりレベルを例年よりかなり高くできていたはずだ。そして、この長いプラクティス時間をフルに味方につけたのがシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。


2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Race Day ウォームアップ:フェリックス・ローゼンクヴィストが最速

ローゼンクヴィスト、ブラックタイヤでトップタイム!
 決勝日のトロントは朝から快晴。気温が26℃、路面温度が44~45℃という今週末で最も温度の高いコンディションとなった。
 出場22台は30分間のセッションでブラックとレッド、両方のタイヤをトライするところが多かった。そして、最速ラップとなる59秒9469を予選3位だったフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)が、ブラック・タイヤで記録した。27歳のスウェーデン出身ルーキーは、2列目イン側グリッドからキャリア初優勝を目指す。その準備は万端といったところだろう。

2019年7月14日日曜日

2019 INDYCARレポート R11 Day2 :佐藤琢磨とセバスチャン・ブルデイのいざこざ


 土曜日のプラクティス3終了後、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)がピット・ロード上で掴み合いになった。

 セッション終了間際にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がクラッシュ。全車に1周の計測ラップが許されることになり、ピット・ロードからほぼすべてのマシンがコースへと出て行ったのだが、ピット・アウトからの1ラップだけでタイヤをできる限りウォーム・アップする必要があり、しかも前を行くマシンとの間に間隔も保たなければならない状況だった。ここでブルデイが琢磨を強引にパス。その行為を琢磨はアンフェアと考えたため、「どういうつもりなのか?」を尋ねに行った。そして、それはトラブルへと発展した。


2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day2 予選:シモン・パジェノーがポールポジション獲得



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喜ぶパジェノー「ファスト6は完璧な戦い方ができた」

 金曜日のプラクティス2、今日のプラクティス3で連続してトップ・タイムを記録していたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が、今週一番の暑さとなった予選でもマシンのパフォーマンスをフルに引き出し、ユーズド・レッドで58秒4293という目覚ましいラップを記録、ポール・ポジションを獲得した。PPは今年のインディ500以来で、今シーズン2回目、キャリア通算12回目だ。トロントでの自己ベスト・フィニッシュは昨年の2位。それを明日、塗り替えることができるか。
 「とてもいいアタック・ラップをファイナル・ステージで実現できた。今朝の時点で自分のベストは58.3秒か58.5秒と予想していて、ちょうどその間になった。今週末、僕らのマシンはずっと調子がいい。だた、ピットの位置が後方なので、予選を戦うのは難しい。スペースを取って、タイヤを十分に温めるのがQ1、Q2では大変だった。しかし、ファイアストン・ファスト6では完璧な戦い方ができた。タイヤも十分な温度まで持って行けたので、走っていてとても楽しかった。マシンから全てを引き出せたと思う。自分の期待通りの結果を手にできた今回のような時、本当に大きな喜びを得られる」とパジェノーは話した。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day2 プラクティス3:シモン・パジェノーがプラクティス3でも最速

「マシンが素晴らしく、走るのが楽しい!」という前日のコメントどおりの走りで、2日目午前のプラクティスでもパジェノーがトップに立った Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大  
パジェノー、ブラックタイヤで昨日のベストラップを更新
 

 金曜のプラクティス2でトップ・タイム=59秒8708をレッド・タイヤでマークしたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が、暖かくなった土曜日午前中のプラクティス3で59秒3651のベストを”ブラック・タイヤで”出した。19周を走ったうちの4周目でそれは記録された。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day1 :プラクティス初日のトップ2と、アレクサンダー・ロッシのコメント

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
 トロントでの金曜日には、45分間のプラクティスが2回行われた。プラクティス2でのトップはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。彼はプラクティス1も5番手と非常に好調だ。今シーズン3勝目をここで挙げれば二度目のタイトルも見えて来る。

 初日に2番手につけたのはルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)。彼はプラクティス1でも3番手と、ある意味ではパジェノー以上に順調。先輩チームメイトで5度のタイトル獲得歴を誇るスコット・ディクソンもプラクティス1=トップ、プラクティス2=5番手と高い安定感を見せている。「1勝以上するのが目標」と今シーズン開幕前に語っていたローゼンクヴィスト。今週末は大きなチャンスだ。

 ポイントスタンディング2番手につけるアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、プラクティス1では4番手につけたものの、プラクティス2ではアクシデントもあって結果は14番手だった。ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)はプラクティス1で2番手につけ、プラクティス2も8番手と相変わらず手堅い。初タイトルに意欲を燃やすロッシがトロントでの予選、決勝でどのような闘いぶりを見せるのか、おおいに楽しみだ。
 以下は上記3人の金曜日のコメントだ。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day2 予選:シモン・パジェノーがポールポジション獲得

PP獲得を喜ぶパジェノー「ファスト6は完璧な戦い方ができた」

 金曜日のプラクティス2、今日のプラクティス3で連続してトップ・タイムを記録していたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が、今週一番の暑さとなった予選でもマシンのパフォーマンスをフルに引き出し、ユーズド・レッドで58秒4293という目覚ましいラップを記録、ポール・ポジションを獲得した。PPは今年のインディ500以来で、今シーズン2回目、キャリア通算12回目だ。トロントでの自己ベスト・フィニッシュは昨年の2位。それを明日、塗り替えることができるか。
 「とてもいいアタック・ラップをファイナル・ステージで実現できた。今朝の時点で自分のベストは58.3秒か58.5秒と予想していて、ちょうどその間になった。今週末、僕らのマシンはずっと調子がいい。だた、ピットの位置が後方なので、予選を戦うのは難しい。スペースを取って、タイヤを十分に温めるのがQ1、Q2では大変だった。しかし、ファイアストン・ファスト6では完璧な戦い方ができた。タイヤも十分な温度まで持って行けたので、走っていてとても楽しかった。マシンから全てを引き出せたと思う。自分の期待通りの結果を手にできた今回のような時、本当に大きな喜びを得られる」とパジェノーは話した。

チップ・ガナッシ勢が予選2-3位に

 予選2位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。パジェノーのベストとの間には0.1655秒の差があった。ディクソンはファイアストン・ファスト6での最後のアタック・ラップを始めるところでスピン。あと1周を走ることができなかった。「アレがなければPPだった……というのは冗談」と予選後にディクソンは笑い、「今週ずっとパジェノーは速いし、PP獲得おめでとう、と言いたい。自分はは予選2位でもフロント・ロウ・スタートが切れるんだからハッピーだ。マシンは非常に良い。ブラックででもレッドでも安定している。チームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィストも速い」とコメントした。
 予選3位はローゼンクヴィスト。ルーキーながらインディカーGPですでに初PPを獲得している彼は、これがキャリア3回目の予選トップ3入りとなった。最初の予選トップ3は開幕戦セント・ピーターズバーグでの3位だった。

4位のロッシ「ターン6が今週ずっと自分たちの課題」
Q2最速だったニューガーデン、ファスト6では最下位に
 

 予選4位はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。本人の目指す仕上がりにマシンがあと一歩届かないようで、「ターン6で壁にヒットした。あのコーナーが今週はずっと自分たちにとっての課題になっている。あの接触がなければ予選3位にはなれていたかもしれない。パジェノーは今週ずっと速く、今日の彼には敵わなかった。ミスをしたが、失ったポジションはひとつだけで済んだ。考えていたよりもダメージは小さくて済んだ」とコメントした。

 予選5位はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)で、予選6位はエド・ジョーンズ(エド・カーペンター・レーシング)だった。ニューガーデンはQ2で今週の最速となる58秒4129をマークしたが、トップ6ではブービー賞に甘んじた。そしてジョーンズだが、彼はQ1のグループ2を58秒6011のベストでトップ通過し、Q2でも58秒5360で4番手につける好パフォーマンスを見せた。チームメイトのスペンサー・ピゴットもQ2に進出し、予選9位。エド・カーペンター・レーシングはロードコース、ストリートコースで今シーズン大きくパフォーマンス・アップを果たしている。

佐藤琢磨はファスト6進出はならず予選10位に
「明日はライバルをパスして行ける力強いマシンを手にしたい」


 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はQ1のグループ1で5位となり、Q2に駒を進めた。ブラック・タイヤで走り出し、3番手につける1分00秒0312をマーク。レッド・タイヤにスイッチしたが、ピットでのスピード違反をしたためにドライヴ・スルーのペナルティを課せられた。それによりレッドのアタック・ラップが1周減ることになったが、彼にとってのファイナル・ラップだった8周目に59秒2877をマークし、マックス・チルトン(カーリン)をバンプ・アウト、Q2進出を果たした。
 琢磨はQ2をレッド・タイヤ2セット連続投入で戦い、2セット目で自己ベストを58秒9110にまで縮めた。しかし、ファイナル進出へのボーダー・ラインは58秒6305(ロッシ)で、琢磨の明日のスターティング・グリッドは10番手と決まった。
 「ファイナルに進めなかったのは残念。しかし、今日の僕らはそのレヴェルに達していなかった。プラクティス2で問題があった(壁にヒット)し、トップ10入りできてホッとしているという面もある。そして、僕らはまだ決勝に向けてマシンをさらに良くするべく懸命の仕事をしなくてはならない。このコースではいつもエキサイティングで予測のつかないレースが展開されて来ている。明日はライバルたちをパスして行けるだけの力強いマシンを手にしたい。そして、作戦もベストなもので戦えることを望みたい。まだ明日、ウォーム・アップ・セッションがあるので」と琢磨は話した。

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はプラクティス3で苦闘していたとはいえ、Q1で敗退したのは驚きだった。彼の予選結果は15位。
 地元期待のジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)も同様で、Q2進出を逃して予選14位だった。
以上

2019年7月13日土曜日

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス2:プラクティス2最速はシモン・パジェノー

セッション2ではパジェノーが安定した速さを見せた Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 パジェノー、ブラックでもレッドでも速くセッション2トップに

 トロントでのプラクティス2回目、気温は23℃とやや上昇し、路面温度も午前中より6℃ほど高いコンディションとなった。空は相変わらず曇りで、短い時間だがセッション中に日が差すこともあった。

 トップ・タイムをマークしたのは今年のインディー500ウィナー=シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。プラクティス1でのチーム・ペンスキーはジョセフ・ニューガーデンが2番手でチーム内トップだったが、プラクティス2でのパジェノーはブラック・タイヤでもレッド・タイヤでも速く、59秒8708のベスト・ラップでトップに躍り出た。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス1:トロントのプラクティス1はスコット・ディクソンがトップタイム

昨年のウィナー、ディクソンがプラクティス1でトップタイム Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
曇り空の中、シーズン最後のストリートレースが開幕

 今シーズン最後のストリート・レースとなるホンダ・インディ・トロントが始まった。全長1.786マイルのコースはもうお馴染み、今年で35回目の開催となるエキシビジョン・プレイス。トロントのダウンタウンからすぐの、オンタリオ湖に面した催し物会場と公園にレイアウトされる。今日の天候は曇り。気温は22℃ほどと、涼しいぐらいのコンディションでプラクティス1は行われた。

2019年6月24日月曜日

2019 ジャック・アマノのインディーな1日 6月22日:ロード・アメリカご当地ウイスコンシンのモータースポーツ・スポンサー、メナーズの店舗探訪

シモン・パジェノーのサイン会がロード・アメリカ近くのメナーズで行われ、多くのファンが訪れた。子供も大人もパジェノーのシャツを着ている人が数。スケールモデルやポスター、写真などなどを持って来てサインをしてもらっていた。インディー500チャンピオンになってもパジェノーの人柄の好さに変わりはなく、ひとりひとりにゆっくり時間をとっていた Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
2003年までチーム・メナーズとして活動
現在はパジェノーのメイン・スポンサーでおなじみ
 インディー500で優勝したシモン・パジェノー。彼のマシンがド派手な蛍光イエローのマシンになってるのは、メイン・スポンサーであるメナーズ(Menards)の意向。メナーズとは、ウィスコンシン州出身のジョン・メナード(John Menard)氏が興した、主にアメリカ中西部で大々的に店舗展開をしているホーム・センター・チェーンだ。

メナーズのロゴは緑を基調にカラフルなストライプ Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 デトロイト、テキサスとパジェノーはメナーズの蛍光イエローじゃないマシンで走行。インディー500ウィナーなのにカラーリングが違うのは寂しかった(この2週末のスポンサーさんには申し訳ないけれど……)。
 今週のロード・アメリカはウィスコンシン州。メナード氏と彼のビジネス=メナーズの地元レースとあって、カー・ナンバー22のチーム・ペンスキー/シヴォレーはメナーズの蛍光イエローで走る。そして、パジェノーがサーキットの近くのメナーズでサイン会を行うというんで、行って来た。


2019 INDYCARレポート :第10戦 REVグループ・グランプリ・アット・ロード・アメリカ Race Day 決勝:ロード・アメリカはアレクサンダー・ロッシが圧勝

前半戦の不運を断ち切るような圧倒的な勝利を挙げたロッシ。ポイントスタンディングでも首位のニューガーデンに対して7ポイント差に肉薄! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
インディーカー・ドライバーにとって重要な
ロード・アメリカ戦での価値ある圧勝


 ロード・アメリカはインディーカー・ドライバーのキャリアにおいてポイントとなるサーキットだと思う。マイケル・アンドレッティ、ジャック・ヴィルヌーヴ、ダリオ・フランキッティ、アレックス・ザナルディ、クリスチアーノ・ダ・マッタといったチャンピオンたちが、タイトルを獲得したシーズンに優勝を記録した。2016年のシリーズ復帰からのウィナーたちはチャンピオンの座に手を届かせていないが、次代を担うジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が昨年圧倒的パフォーマンスで優勝し、今年はアレクサンダー・ロッシが同じく他を寄せ付けない走りを見せつけて表彰台の中央に立った。

2019年6月23日日曜日

2019 INDYCARレポート :第10戦 REVグループ・グランプリ・アット・ロード・アメリカ Day2 予選 コルトン・ハータがキャリア初ポール・ポジション獲得

インディーカー最年少優勝に続き、ハータは最年少ポール・ポジションの新記録も樹立!Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
ハータ、グレアム・レイホールの最年少記録をまたも更新
 今シーズンの第2戦インディーカー・クラシックで、デビュー3戦目にしてキャリア初優勝を記録したルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)が、デビュー11戦目となるREVグループ・グラン・プリでキャリア初となるポール・ポジションを獲得した。ハータ二世は18歳と359日でインディーカーの最年少のウィナーとなったが、今日、彼は19歳53日で最年少ポール・ウィナーとなった。どちらの記録もハータ二世の前はレイホール二世のグレアムが保持していた。