2018年7月15日日曜日

2018 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R12 ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス2:「レッド・タイヤにしてペースを思うように上げられなかったのが、懸念事項。それほどブラックでのセッティングがよかったです」

「自分たちの思い描いてた方向に持って行けたことがうれしい」

――プラクティス2はセッション2番手でした。どうですか?

佐藤琢磨:気持ちいいね。ちゃんと自分たちの思い描いていた方向に持って行けたという方が、ラップ・タイムや順位よりも嬉しいですね。最終的にはセッション2位だったけど、2位から6位は差がないようなものだったから。

――本当にすごい僅差になっていました。

佐藤琢磨:自分たちとしては、レッド・タイヤにしてペースを思うように上げられなかったのが、ちょっと懸念事項ですね。やっぱりディクソンはそこが強かった。彼はさっき、ブラック・タイヤではうまくまとめられなかったって言ってた。もともとポテンシャルとしては向こうの方があったのかな……と。自分たちはある意味、すごくまとまっていたので、そこは良かったし、2セッションを走ったけど、週末のここまでを通して見ると順調だと言えると思います。
「クルマがいい範囲内にあったので
”こうしたい”というのが明確に出ていました」


――ベスト・ラップをブラック・タイヤで記録したんですよね?

佐藤琢磨:ブラックでした。レッドでのベストとほぼイコールでした。両方59秒5が出てたので。ブラックが59秒51で、レッドが59秒58とかだったのかな?

――今週はセッティングをちょっとずつ調整して行くと、考えた通りにスピードが上がって行っている感じですか?

佐藤琢磨:まぁそうですね。クルマがいい範囲内にあったので、”こうしたい”っていうのが結構明確に出てて、こうするにはこうやればいい……っていうのが今までの積み重ねで大分見えて来ていますから。もちろん、そうならないときもありますけども、今回に限って言えばそこが非常にうまく行っているので、クルマも作り易かった。大きく変更する必要もなかったですからね。

「予選はもちろんレッドタイヤ
セグメント3ではもしかすると新品ブラックの方が速いかも」


――トロントでのレースはブラック・タイヤで強い方が有利ですよね?

佐藤琢磨:そう。レッドは最初のスタートで使って、どれだけそれで引っ張るかっていうのは、ちょっと明日のストラテジー・ミーティングで話さないとわからないけど、まぁでもフューエル・ウィンドウに入って来たら、早くブラックにしたいですね。

――予選はレッドでの一発のタイムが勝負になりますか? ブラックでの連続アタックが有利になったりは?

佐藤琢磨:予選はもちろんレッドの方が速いと思いますよ。今日、レッドで速くならなかった人たちも、明日はレッドで速くなる調整を確実にして来るでしょう。予選はレッドで僕らも行きますよ。ただ、セグメント3に行ったら、もしかしたらブラックの新品の方がいいかもね。

――ブラックでビンビン行った方がいい?

佐藤琢磨:ビンビン?(笑)……行けるかもしれない。

「ペンスキーはファスト6のユーズド・レッドで
いつもいいタイムを出してくる」


――セグメント1、セグメント2でレッドを1セットづつ使う。ファスト6は大抵の場合はユーズド・レッドでの戦いになる。そこでどれだけのタイムを出せるかが今のインディーカーの予選の難しさですよね?

佐藤琢磨:そこはペンスキーがうまいよね。ユーズド・タイヤでのセグメント3でいつも好いタイムを出して来る……というか落ち込みが少ない。あれはうまい。ドライバーがうまいのか、まぁ、それを支えるクルマがあるんでしょうけど、エンジニアリングがすごい良いんでしょうね。

――ユーズド・レッドでどれだけ速く走れるかが”キモ”。

佐藤琢磨:はい。でも明日、勇気があればブラックでセグメント1を通過しちゃうってのもアリか。

――おーっ! それでQ2、Q3で新品レッド投入と。そんな余裕がありますか?

佐藤琢磨:ない(笑)。

「ライバルたちもレッド、レッド、ブラックと新品3セットで戦うと思う」

――それはギャンブルが過ぎる?

佐藤琢磨:ギャンブルですね。それは危ないですね。それでセグメント1で落ちたら、”頭悪いんじゃないの”ぐらい言われちゃうから。やっぱりレッド、レッドで行くと思います。それでファイナルはニューのブラックでしょう。

――レッド、レッド、ブラックと新品3セットで戦うのはアリ、と。

佐藤琢磨:あり。それはアリというか、絶対そうでしょう。

――ライバルたちもその手で来ますかね?

佐藤琢磨:やると思う。ユーズドのレッドより、新品のブラックの方が全然速いよ。いや、全然とは言わないけど、その可能性が高い。

――レッドでセグメント2まで戦って、ファイナルはブラック用にセッティングを変更、調整する。

佐藤琢磨:タイヤが変わりますからね、当然変更は必要でしょう。

――そこがとても難しそうですね。今日、レッドでタイムが出なかった理由は、もう判明してますか?

佐藤琢磨:ブラックでのマシンが良過ぎたんじゃないのかな?
それでレッドは、ポテンシャル的にはタイムが伸びる可能性を持ってるんだけど、やっぱりバランスを崩してしまうので、それをまとめないとタイムが出ないぐらいブラックでのマシンが結構良いところにいた。いつもは、多少バランスが悪くても、”えいやっ!”ってソフト・コンパウンドでタイムが出るんだけれども、その範囲を超えているぐらいブラックがすごく優秀なタイヤですね。

――レースでのタイヤの摩耗ですが、ブラックでもロング・スティントになれば後半は厳しくなりますか?

佐藤琢磨:なるなる。ラップ・タイムがこれだけ速いってことは、それだけタイヤに負荷がかかっているということですからね。コンパウンドもそれだけ剪断力もどんどん熱によって、スライドによって落ちてっちゃいます。どれだけハード・コンパウンドにしたところで、これだけのタイムが出るようなグリップが有れば、確実にデグラデーションは出ます。僕の午前中の走りでも、ブラックで出てって好タイムが出せてても、その後にちょっとずつラップ・タイムが落ちてってましたよね、コンマ1秒、コンマ2秒と。
以上

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