ダウンフォースを減らした新しいエアロ規定での予選で、ニューガーデンがポールポジションを獲得! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
チーム・ペンスキーがトップ3を独占
気温が34℃まで上がった予選、最速の2ラップを記録したのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。22人中の18人目のアタッカーとしてコース・インしたニューガーデンは、2ラップとも200mph台で走るこの日2人目のドライバーとなり、チームメイトのシモン・パジェノーをトップの座から押し出した。彼の後にはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)という強敵がアタックしたが、最後のアタッカー=パワーをもってしても逆転はならず。パワーはパジェノーにも届かず、予選3位となった。
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「チーム・ペンスキーにとって最高の1日」と語るニューガーデン
「決勝に気持ちを切り替え、レースで勝てるように頑張る」
ニューガーデンの今年2回目、キャリア4回目のポール・ポジション獲得が決まった。「ウィル(・パワー)が僕より好いタイムを出すんじゃないかと考えていた。前にも最後の最後で逆転されたことがあるのでね。彼は予選でミスを犯さず好タイムを出せるドライバー。今回は1ラップ目で一瞬マシンに何か悪い動きでもあったのかもしれない。それがなかったらタイム差はもっと小さく、順位が今日の通りになっていたかはわからない。チーム・ペンスキーにとっては最高の1日になった。予選1-2-3だからね。そして、僕はその中でのトップに慣れたんだからハッピーだ。決勝に気持ちを切り換え、今晩のファイナル・プラクティスも全力で走り、レースで勝てるように頑張らないと」とコメントした。
220mph台をマークできたのはペンスキーだけ
テキサスの予選は2ラップ連続アタックでのスピード(=タイム)を競うものだが、ニューガーデンは平均時速220.613mph=46.9964秒。2位となったパジェノーは220.3113mph=47.0607秒で、タイム差は2周を走ったというのに0.0643秒という小ささ。ニューガーデンと3位のパワーとの差も0.0893秒。トップ3の差がコンマ1秒以下の0.0893秒しかなかったのだ。
プラクティスでは目立たなかったペンスキー勢だが、予選が終わってみれば1-2-3。全員が220mph台にスピードを乗せていた。そして、220pmh台のラップを記録できたのは彼らだけだった。インディー500のターボのブースト圧を上げての予選でトップ4をスウィープしたシボレー軍団は、予選・決勝を同ブーストで戦うテキサスにおいても予選でトップ3独占した。
ウィッケンズ、ホンダ勢トップの4位!
佐藤琢磨は9番手に
ホンダ勢トップはルーキー・センセーションのロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。プラクティスでトップ・タイムを出していた彼は予選でも4位に食い込んで見せた。スピードは219.561mphで、タイムは47秒2214で、ニューガーデンとの比較だとタイムで0.2250秒の差。彼のベストはホンダ勢のベストともなる219.704pmhだった(アタック2周目)。
予選5位はセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)=219.302mph。6位はプラクティスでウィッケンズと同タイムでトップだったトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)=219.157mph。7位はディクソン=219.112mphで、8位はロッシ=218.894mph。そして、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が2ラップ平均=218.578mphで予選9位だった。10位はハンター-レイ=218.553mph……この辺りはかなりの混戦だ。ウィッケンズとブルデイの間には0.0558秒のギャップしかなく、ブルデイとカナーンの差は0.0313秒。カナーンは0.0097秒の差で3列目に入り、ディクソンはその小さな差でグリッドは4列目になった。
さらに、そのディクソンとロッシの差が0.0472秒。ロッシと琢磨は0.0685秒で、琢磨とハンター-レイの差は今日一番の僅差=0.0055秒(!)だった。
インディーの予選でチームの3人全員が9位以内に入ったエド・カーペンター・レーシングは、2カー・エントリーのテキサスではエド・カーペンターが14位、スペンサー・ピゴットが18位と不振だった。レースでは盛り返して来る可能性があるが……。
予選が1ラップのみのアタックだったら、朝のプラクティスのように同タイムとなる可能性は高い。インディーカーがテキサスでの予選を2ラップ連続走行としているのは正しい。1ラップ・オンリーなら1ラップ・オンリーのおもしろさが出て来るのだろうが、2ラップだとより高度のテクニックがドライバーたちに求められるところがいい。1周目より2周目の方がタイヤの温まってグリップ・レベルに違いが出てつことから、ハンドリングにも影響が出て、走りを難しくしているのだ。
チームとしては、マシンの状態は決してよくないものの、佐藤琢磨は予選9位に Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
琢磨は予選後、「今の予選、僕としては出し切った。いいスピードだったんじゃないかな。置かれた状況の中でベストを尽くせて、かなり達成感のあるラップでした。満足してます。まぁ、9番手という順位にはもちろん満足していないけど、これ以上どうやって速く走っていいのかわからない。風の強いコンディションが予選でも続いていて、ターン1とターン2はかなりハンドリングがニュートラルで、結構クルマも滑っちちゃってた。データ上ではほぼほぼフラット(アクセル全開)だけど、かなり足はアクセルを細かくコントロールしてました。そうじゃないとリヤも滑って行くし、フロントも滑って行くし……だったから。予選9位、ホンダで5番手というポジション。僕らのチームとしては、まだあまり状況は良くないですね。15号車を見れば分かる通り(予選20位)、チームとして力強いプラットフォームを持っているとは思えない。今回はアンドレッティ・オートスポート勢とほぼ互角でしたが、ウィッケンズとブルデイの僕より1mph以上速かった。あれはどういうことなのか……。とは言うものの、僕のラップはもうアレ以上は無理ってところまで行っていた。そうした予選とできたのは良かった」と話していた。
以上
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