スタートから完全にレースをコントロールしたニューガーデン。今シーズン3勝目でポイントランキングも4番手に浮上 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
ポール・スタートだったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、ピット・ストップに入った時を除く全ラップでトップを維持し、55周のレースを完全に制圧した。スタート直後に予選3位から2番手へと浮上したライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が全力でプレッシャーをかけ続けたが、両者はほぼ対等かニューガーデンがほんの僅かに速く、ついにハンター-レイはオーバーテイクのためのアタックを仕掛けることすらできなかった。
スピードと燃費、いずれにも不安要素のまったくない走りだった Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
燃費はホンダが有利、と言われて来ているが、今日のレースはフルコース・コーションが一度も出ない展開となりながら、シボレー勢が苦戦するシーンは見られなかった。ハンター-レイとすれば、シボレー・エンジンを使うニューガーデンが先にピットに入り、前が開けた1ラップを全力で走ってポジションを逆転したいところだった。しかし、ニューガーデンの燃費はホンダ・エンジンで走る彼とまったく互角で、3回のピット・タイミングすべてが彼らは同時だった。
ニューガーデンは、「シボレーがパワーだけでなく、好燃費も提供してくれた。信頼性の高さも含め、彼らの仕事ぶりを誇りに思う」とレース後に語った。ハンター-レイは何度もあともう少し……という距離まで迫った。しかし、ニューガーデンのマシンに並びかけることはできなかった。
「コースの前半はライアン(・ハンター-レイ)の方が速く、ターン5で接近されることもあった。しかし、僕の方がおそらくコース後半のカルーセルで速かった。そこで差をつけることができたから、彼にアタックをさせない状況を保てたんだと思う」とニューガーデンは振り返った。彼は本当に見事なドライヴィングを55周に渡って続けて見せた。
ニューガーデン「チームとして完璧なレースを戦えた」
「毎ラップ、ライアンとの距離、彼の走っているポジションを確認していた。そして、相手を気にし過ぎていると考えるようになって、前だけ見て走ることに変えた。ライアンが危険な距離まで接近したらピットが教えてくれるだろうと、前方だけに集中して走った。それで一息つけるぐらいの差をつけることができた」
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フルポイント54点を獲得して首位に50ポイント差に
2勝した後に5レース続けてトップ5圏外のゴールを重ねたニューガーデンだったが、シーズン3勝目も一番乗りを果たし、ポイント・スタンディングも5番手から4番手へとひとつだけだが浮上。トップを行くスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)との差は、7レースを残して50点となった。もちろん、十分にチャンピオン争いの圏内だ(最終戦は評判の決して良くないダブル・ポイントのままだし)。
「今週末は本当にたくさんのお客さんが来てくれていた。天候にも恵まれた。ロード・アメリカはインディーカーにぴったりのコースで、ファンは思う存分にレースを楽しんでくれたことと思う。ゴール後のクール・ダウン・ラップを僕はゆっくり走り、コースサイドを埋めていた彼らと勝利の喜びを分かち合った」ともニューガーデンは話した。
力を出し切ったハンター-レイ「今日はジョセフに脱帽」
ニューガーデンと遜色ないドライビングを見せたが、ハンター-レイはオーバーテイクまでには至らず Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
したたかなディクソン、予選8番手から表彰台ゲット
ニューガーデン、ハンター-レイと微妙に異なるピットタイミングをチョイスしたディクソン。ハンター-レイに迫ったものの攻略できず3位に Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
佐藤琢磨、好走! ウィッケンズ、ロッシをコース上でかわし4位
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「スタートは狙っていました。インから行くとかアウトから行くとかは決めていなかったけれど、ロード・アメリカはオーバーテイクのできるコースだし、スタートはその大きなチャンスなので。そして、とても好いスタートを切って4番手まで浮上できましたね。セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)がフレッシュ・レッドを履いていたので気になっていましたが、彼の前にポジションを保ち、その後の彼のアタックも封じ込めることができました」と琢磨は語った。久しぶりに彼らしい切れ味鋭いスタートが見られた。
ユーズド・レッドでスタートし、ブラック、そしてユーズド・レッド、さらにはフレッシュ・レッドと繋げるタイヤ・ストラテジーも正解で、一度アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)にターン6でプッシュ・オフされるシーンもあったが、そこで先行を許したロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)も、ロッシもコース上でパスし返して4番手ポジションに戻り、後方に迫ったチームメイトのグレアム・レイホールのプレッシャーも跳ね除け、ゴールまで走り切った。
「これが開幕戦だったら……とも思います。やっとこのチームらしいレースを戦うことができた。シリーズで一番難しいロード・アメリカというロードコースで、タイヤ・マネジメントもキッチリ行って力強く戦い切り、4位でフィニッシュできた。シーズン後半戦が楽しみになった」と琢磨は大きな手応えを掴んだことを喜んでいた。
暫定ポイント・スタンディング(第10戦コーラーGP終了)
1 スコット・ディクソン 393点
2 ライアン・ハンター-レイ 348点
3 アレクサンダー・ロッシ 348点
4 ジョセフ・ニューガーデン 343点
5 ウィル・パワー 328点
6 グレアム・レイホール 278点
7 ロバート・ウィッケンズ 274点
8 シモン・パジェノー 255点
9 セバスチャン・ブルデイ 235点
10 マルコ・アンドレッティ 232点
11 ジェイムズ・ヒンチクリフ 229点
12 エド・ジョーンズ 205点
13 佐藤琢磨 201点
14 トニー・カナーン 173点
15 スペンサー・ピゴット 171点
16 ザック・ヴィーチ 155点
17 チャーリー・キンボール 151点
18 ギャビー・シャヴェス 149点
19 マテウス・レイスト 148点
20 マックス・チルトン 134点
21 エド・カーペンター 128点
22 ザカリー・クラマン・デメロ 94点
23 ジョーダン・キング 88点
24 カルロス・ムニョス 53点
25 ジャック・ハーヴィー 53点
以下省略
以上
天野さん、取材おつかれさまです。好天のロードアメリカは、きれいでレースも見ていて飽きないドライバーも気持ち良さそうに走ってる感じで私が大好きなレース場のひとつです。ブルデーのトラブルは、残念だったけどディクソンとともにルマン疲れを感じさせないレースを見せてくれましたね‼ノーコーションは、大変だったと思いますが…。レイホールも、琢磨選手も満足のいくレースができたと笑顔を見せてましたし。ただ、ロッシの行為は天野さんはどうお考えですか?私は、ルールはくわしくないけど2回も同じことをしてペナルティがないのはアメリカ人びいきにしか見えないのは私だけでしょうか?これが、アメリカ人じゃなければすぐにペナルティが出てたんじゃないのかと思ってしまいます。アグレッシブなレースは、好きだけど限度があると思うので。琢磨選手も、ヒートしたみたいですが冷静な対応がそのままの順位をキープできたことがすごいと思いました。長々とすみません。次のアイオワも、楽しみにしてます。天野さんも、体に気をつけて取材してくださいね‼
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