2018年5月26日土曜日

2018 INDYCARレポート 第102回インディアナポリス500 ファイナル・プラクティス:暑かったカーブ・デイ、最速はトニー・カナーン

暑さの中でトップタイムを出すことに成功したカナーン Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
コクピット内のツールを、フルに使って
走らなくてはならないレースになる


 今日の1時間のプラクティスで最速だったのはトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。2番手だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)に2mph以上の差をつけた大ベテランは次のように語った。


セッションの最初、ハンドリングは良かった。中盤はまあまあ
しかし、気温が上がり始めたら、全く違うものになった


 「レース・デイは暑くなるという。今日のファイナル・プラクティスでは、コンディションがそれに一番近づいていたと言えるかもしれない。今日、暑さの中で速いセッティングを見つけられなかったらヤバイ。そう考えてセッションに臨んだ。今日はクルーにピット・ストップの練習をしてもらい、燃費がどれぐらいになるかをチェックして……などとやることは色々あった。走れる時間は短いが、こなすべき仕事はとても多い。それがカーブ・デイだ。しかし、レース前に行える最後の走行を終えた今、アレコレとレースのことを考えても何の意味もない状況に僕らは置かれている。予報のとおりに暑い1日になったら、そのコンディションは今年誰も経験していないものになるからだ。今わかるのは、みんながコクピット内のツールをフルに使って走らないとならなくなるということ。前後のスタビライザー、ウェイト・ジャッカーを調整し、ピット・ストップでフロント・ウィングの角度を変える。それらの変更全部が非常に重要なレースになる。2013年に優勝した時、僕らはレース中にセッティングを一切変えなかった。ウィングの角度もタイヤの内圧も、何も変えずにゴールまで走り切った。ところが今年は、全ストップで様々な変更が必要になるだろう。そして、レースの中盤に”いいぞ、うまく走れている”なんて考えても、そこからまた3度温度が上昇したら、マシンのハンドリングがどうなるかは予想もつかない。今朝のプラクティスもそんな感じるだった。セッションの最初、僕らのマシンはとても良かった。中盤はまぁまぁ。そこから温度が上がり始めたら、マシンに何の変更も加えていないというのにハンドリングはそれまでと完全に違うものに変わった。予報のとおりの天候になって、今年一番の暑さの中でレースが戦われることになったら、ドライバーとしての純粋な才能が試され、ツールを使ってスマートに戦い、タイヤや燃料をセーブし……ということが必要になる。各ドライバーの担当エンジニアが作ってくれるベストのマシンで、僕らは戦うことになる。コンディションが予測できず、どんな戦いになるかを読めない今僕らの置かれた状況は快適なものではない。しかし、僕はそういう戦いに臨むことをとても楽しみにしている」。

誰も経験したことのない暑さの中での500マイルとなるのか……

 先週の火曜日から行われて来ているプラクティス、予選、そして完全に決勝モードとなっての月曜日と今日の走行……ここまででコンスタントに速さを見せて来ているカナーンを当サイトは今年のダークホースに挙げている。明後日のレースが、彼の言う通りに誰も経験したことのないコンディションでの500マイルに及ぶバトルとなった場合、優れた才能の上に積み重ねた豊富な経験によって、TKはレースでの優位を手に入れるかもしれない。ピット・ストップや作戦力というチームの総合力が彼にとっては不安要素だが……。

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