2018年5月28日月曜日

2018 INDYCARレポート 第102回インディアナポリス500 Race Day 決勝:ウィル・パワー、チーム・ペンスキー、シボレーの優勝

挑戦9年目にしてついにインディー500ウィナーとなった Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
パワー、インディー500参戦9回目の初優勝
ペンスキー、シボレーにとって3年ぶりの勝利


 第102回インディアポリス500。優勝はウィル・パワー(初)。チーム・ペンスキーにとっては17回目(2015年のファン・パブロ・モントーヤ以来)。シボレーもその年以来の優勝。2012年に始まったホンダvsシボレー(vsロータス=1シーズンで撤退)の対決はホンダ=4勝vs.
シボレー=3勝となり、通算優勝回数はホンダ=12勝vs.シボレー=10勝。


Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
インディ―500未勝利のプレッシャーからついに解放!
  パワー、あのヴィクトリー・レーンでの雄叫びは、巨大なプレッシャーから解放されてのものでしょう。「ついに勝った!」もあるけれど、「勝ててよかった」という気持ちが強かったのではないかな、と。4勝目を狙ってスポット参戦したエリオ・カストロネヴェスは、まぁ別格で。パワーが意識したのは、レギュラー・シーズンを一緒に戦う2人のチームメイトだったと思う。勘ぐり過ぎかな?
 パワーが彼らと角突き合わせて……という関係になっているって意味ではないですよ。実績もクセもある先輩2人とのトリオの時なんかより、今の方がずっとチーム内は友好的。ただ、3人中でパワーがペンスキー在籍は一番長いので、9年もペンスキーで走って来てインディー500優勝がないっていうことをかなり気にしてたと想像するワケです。あのチームではチャンピオンになること(2014年に達成)、そして、ある意味ではそれ以上にインディー500で勝つことが求められる。関係者にもクルーにも優勝経験者がゴロゴロしてますから、内部からも”圧”はかかる。ファンからは大きな期待が寄せられる。パワーとしては、シモン・パジェノーやジョセフ・ニューガーデンに先に勝たれては立つ瀬がなかった。

「勝つのはハンドリングが良いマシンで、最速のマシンが勝つとは限らない」 

ハンター-レイ、ロッシのインディー500ウィナーふたりから祝福され、グレアム・レイホールに抱き着かれる Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
  この優勝でパワー、また一皮剥けると思う。精神面への重しはほぼ無くなったと思うので。名門チーム・ペンスキーのリーディング・ドライバーという自覚も持って。
 「僕らはフロント・ロウからスタートできる。トラブルに巻き込まれてないように周回を重ね、マシンの動きを感じ取ることに努める。レースは長いので、そこを深く考えてアプローチする。リック・メアーズはいつもアドバイスしてくる、インディー500は前半で準備し、後半と勝負するものだ、と。しかし、前半にあまり後方までポジションを下げちゃうのは避けたい。慎重になり過ぎてもいけない。人生と同じで、ちょうどいいバランスっていうのが必要なんだよ」とレース前にパワーは言っていた。
 フォンタナ、ポコノと500マイルのオーバル・レースで実はパワー、優勝を何度も重ねて来ている。しかし、インディーだけ勝てていなかった。
 

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 「そうなんだ。それを気にしている。なんでなのかと考えて来ている。勝ために何が必要かを。今年はプラクティスでトラフィックをたくさん走ったが、セッティングのスウィートスポットが非常に小さいと感じていた。予選後の月曜日にふたつほどいいヒントが得られ、僕のマシンはかなり良くなった。とにかくバランスが重要。勝つのはハンドリングが良いマシンで、最速のマシンが勝つとは限らない」ともパワーは話していた。

「2015年に2位になった時も全力を出し切った
今日も同じように戦った。そして今日はそれが上手くいった」


 彼とチームが予想した通りのレースになった。先頭に近いポジションを走り続けてパワーは勝った。展開も味方した。ピット・タイミングをずらす作戦や、燃費走法が勝敗に強く影響するレースには、最終的にならなかった。


Photo:INDYCAR (Walter Kuhn) クリックして拡大
「2015年に2位になったレースについては何度も考えた。こうできたかもしれない、あぁするべきだったのか……と考え尽くしたよ。しかし、結局あの日は僕の勝てる日じゃなかったってことなんだ。そういう展開、結末になっていた。あの日、自分は全力を出し切った。今日も同じように戦った。そして、今日はそれがうまく行った」と安堵の表情でパワーはレース後に語った。

1 件のコメント:

  1. 天野さん、インディ500おつかれさまでした‼終わりましたね。生で観ていたけど、ブルデーがクラッシュでリタイアして観るのをやめて。録画を改めて観ました。私にとって、琢磨選手のクラッシュはびっくりしたし残念だと思いましたがブルデーのクラッシュは大きなショックと悔しさ悲しさでいっぱいでした。今大会も、いろんなドラマがありました。パワーの優勝、琢磨選手が祝福に来ていてパワーがすごく喜んでいましたね。すがすがしい、温かい気持ちになりました。そして、パワーには悪いのですがジョンヴォンサログのストラテジーで勝てたことがいちばんうれしかったです‼ジョンの笑顔はやっぱり最高ですね。セルビアもいいところまでいっていたし、何より子供かわいすぎでしょ(笑)あのときだけは、レーサーセルビアではなくパパセルビアでしたね。あと、社長ことエドカーペンターとTKはレースを盛り上げてくれましたよね‼私は、社長がいくかな…って思ってましたけど。琢磨選手、ブルデー、エリオのベテランがクラッシュで終えてしまったことは残念だけど琢磨選手も言ってましたが勝ったのがパワーでよかったという言葉が私も納得できました。しかし‼次のデトロイトはレイホールが得意としてますし、ブルデーも優勝してますからホンダ勢の逆襲を期待してます。天野さん、暑い中取材おつかれさまでした。すぐデトロイトになりますが、体に気をつけて取材してくださいね。あと、最後に1つ気になったのはブルデーがクラッシュしたあとインタビューがなかったことです。ショックと悔しさで拒否したんですかね…。そして、パワーのストラテジストはロジャーペンスキーに戻るのでジョンヴォンサログの活躍が観れないのが本当に残念です。長々とすみません。ありがとうございました。

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