プラクティス8の最速はセイジ・カラム。昨日の予選は24番手だった Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
ルーキーが4人も予選を通過し、インディーカー・シリーズにフル参戦していない一見さん的エントリー11人がグリッドを確保したのに、インディーカー5勝のジェイムズ・ヒンチクリフが予選落ち。インディー500は本当に不思議なレースだ。
エースの予選落ちでシュミット・ピーターソン・モータースポーツは負のスパイラルに陥ったのか、今日のプラクティスで”驚異のルーキー”、ロバート・ウィッケンズがクラッシュした。まだ走り出して4周目のことだった。
ウィッケンズ「インディーカーでの初クラッシュ。いつかは起こるものだ」
ターン2でアンダーステアを出して外側の壁にヒット。そこでサスペンションが折れたか、ストレートに出た後に突然マシンが急激なスピン。ノーズから180度に近い角度でコンクリート・ウォールにぶつかった。ウィッケンズは自力でコクピットから出て来たが、マシンはモノコック先端部にダメージを負うほどのハード・ヒットだった。マシンは治せるだろう。最悪、マシン交換となってもレースには出場できる。しかし、今日トラフィックでのハンドリング確認を行えなかったのは痛い。ジェイ・ハワード(SPM/AFSレーシング)と、ジャック・ハーヴィー(マイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・SPM)が十分に走り込んだので、ある程度の情報は彼らから得られるだろうが……。
「滑ったマシンをコントロールできたと思ったが曲がり切れずにアウト側の壁にヒット。両サイドのサスペンションが壊れた。スピードを下げて何とかマシンをコントロール下に置こうとしたが、突然右に旋回してストレートの壁にノーズから激突した。インディーカーでの初クラッシュとなった。いつかは起こるものだったということだ」とウィッケンズは話した。
カラム、このセッション唯一の226mphをマーク
「あの状況なら誰でも同じだけのスピードは出せた」と本人は冷静
ブルデイを先頭にターン3に進入するパック。トラフィック内でのハンドリングチェックが入念に繰り返される Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大 |
トップはセイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)の226.461mph。2番手はトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)の225.123mph、3番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の224.820mphだった。以下はチャーリー・キンボール(カーリン)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、予選3位だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)、ザカリー・クラマン・デ・メロ(デイル・コイン・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)と続いた。
ポール・ポジション・ウィナーのエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)は14番手、予選2位のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は58周を走ったが、ベストは220.902mphで最下位の33番手。
「トップでセッションを終える。それは嬉しいことだが、大きなドラフティングを得てのものだった。あの状況なら誰のマシンでも同じだけのスピードが出せたと思う。今日はトラフィックで走ること、そこでのマシンを良くすること、ピット・ストップの練習をすることが目的で、それらは全部できた。まだオーバーテイクは、前に2台かそれ以上が走っている場合に難しい」とカラムは話した。1台だけが前を走っている状況でならパスできても、2台が接近して走っていると乱気流が大きく、マシンが安定を一気に欠く。そこが今年のマシンの難しさなのだ。
佐藤琢磨、周回を重ねたもののタイムは23番手
「今日はなかなかクルマが良くなって行かなくて困りました」
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は74周を走ったが、ベストは4周目の222.577mphで23番手。また表情は険しくなった。チームメイトはグレアム・レイホールが223.119mphで17番手。オリオール・セルヴィアは221.580mphで31番手。
昨日の予選でマシンの方向性に手ごたえを得た佐藤琢磨だったが、一夜明けたプラクティス9では暑いコンディションでのトラフィック走行でマシンセットアップに苦しむことに Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
以上
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