2018年5月30日水曜日

2018 INDYCARレポート 第102回インディアナポリス500 5月28日 ヴィクトリー・セレブレーション:ウィル・パワーの賞金は250万ドル越え

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 優勝賞金は昨年の佐藤琢磨の賞金から微増
 第102回インディアナポリス500のウィナー、ウィル・パワーの優勝賞金は2,525,454ドルだった。レース翌日の晩にインディアナポリス・ダウンタウンで開かれた表彰パーティ=ヴィクトリー・セレブレーションで発表された。去年の佐藤琢磨は2,458,129ドルだったから微増と言えば言えるが、賞金の提供者数、提供額が毎年異なるので、多少の上下は毎年あるのだ。第100回の記念すべき大会だったからアレクサンダー・ロッシは他の年より多めにもらったかというと意外にそうではなく、2,548,743ドルとパワーより少し高いぐらいだった。史上最高は2009年のエリオ・カストロネヴェスが手にした3,048,005ドルだ。


Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
勝利の意味をかみしめるパワー「このレースは私をレーサーとして
さらには人間として大きく成長させてくれたと感じている」

 ウィナーのパワーは、「インディで勝ちたいという気持ちは非常に強く持っていたが、自分がキャリアの中で本当に勝てるかどうかには自信がなかった。勝つまでに長い時間がかかったが、このレースは私をレーサーとして、さらには人間として大きく成長させてくれたと感じている。そして、ロジャー・ペンスキーに深く感謝する。こうしてインディで勝つまで、彼とチームは私の能力を信頼し続けてくれた」とコメント。


シボレー・モータースポーツ部門担当のジム・キャンベル副社長から2019年型コルベットZR-1のキーを受け取るパワー Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 副賞として授与されるペース・カーのコルヴェットZR-1については、「アレは妻のドリーム・カーだから、彼女が乗ることになると思う」とコメントし、賞金額を聞くと、「あのコルヴェットが25台買えるじゃないか! ロジャー、買ってもいいかな?」と言って笑いをとっていた。

パワーを祝福する琢磨「ウィルらしいインディー初制覇です」

 
Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 琢磨は壇上で、「ディフェンディング・ウィナーとしてこの1年間を過ごして来ましたが、それはとても光栄な体験でした。本当に熱烈な支持をファンの人たちからも頂いています。私たちはこの1年間、世界に向けたプロモーションを行って来ました。例えば鈴鹿での日本GP表彰台では、優勝したルイス・ハミルトンに僕がインタビューをする係だったのですが、ルイスが私のインディ500優勝リングを欲しがったんです。F1の表彰台で。そのシーンは世界中に放送され、世界中の人々がそれを見たんです。インディー500は本当に偉大なレースです。そのようなレースで優勝できたこと、今年もまた出場できたことに深く感謝します。そしてウィル(・パワー)。あの勝利は本当に素晴らしかった。ものすごく速いのに不運に見舞わるというレースも彼にはありましたが、今年の彼は見事な圧勝を飾りました。彼らしいインディ初制覇でしたね。ウィルの勝利を祝福したいと思います」と語った。

エド・カーペンター、2位としては破格の91万ドル!

 今年の2位=エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)は911.504ドルをゲット。これは2位としては史上最高額のはず。過去5年を振り返ると770,000~790,000ドル台だったので。いよいよ2位が100万ドルに手を届かせる時代が近づいていることのようだ。最多のリード・ラップ=65周も効いてたのだろうが……。賞金の詳細が発表されていないし、対象が限定されるタイプの賞金もあるので(例:このパーツを使って勝ったら***ドルとか、これをピットに置いてて勝ったら***ドルなど)、各自の賞金がどうしてその額になったのか、ディティールは不明。

3位以下の賞金はこちら
3 スコット・ディクソン 587,129ドル
4 アレクサンダー・ロッシ 454,804
5 ライアン・ハンター-レイ 419,804
6 シモン・パジェノー 419,804(5位と同額!)
7 カルロス・ムニョス 254,005(スポット参戦組は低め)
8 ジョセフ・ニューガーデン 400,654
9 ロバート・ウィッケンズ 424,979
10 グレアム・レイホール 401,229
11 JR・ヒルデブランド 225,305
12 マルコ・アンドレッティ 364,129
13 マテウス・レイスト 357,129
14 ギャビー・シャヴェス 315,305
15 ステファン・ウィルソン 212,330
16 ジャック・ハーヴィー 200,305
17 オリオール・セルヴィア 211,105
18 チャーリー・キンボール 300,305
19 ザカリー・クラマン・デメロ 339,354
20 スペンサー・ピゴット 346,154
21 コナー・デイリー 200,305
22 マックス・チルトン 300,305
23 ザック・ヴィーチ 334,129
24 ジェイ・ハワード 200,305
25 トニー・カナーン 346,954
26 セイジ・カラム 203,305
27 エリオ・カストロネヴェス 205,305
28 セバスチャン・ブルデイ 348,829
29 カイル・カイザー 205,805
30 ダニカ・パトリック 208,305
31 エド・ジョーンズ 338,129
32 佐藤琢磨 300,305
33 ジェイムズ・デイビソン 200,305


インディー500、72人目のチャンピオン
 

司会者に、レース中握りしめていたペットボトルをプレゼントされたリズ・パワー Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 2018年チャンピオン(インディ500ウィナーはこう呼ばれる。チャンピオンというと年間王者というイメージが日本にはあるが……)は、このレースで勝つ史上72人目のドライバーとなった。37歳87日での優勝。
 オーストラリア人ドライバーとしては初。2008年ウィナーのスコット・ディクソン(ダラーラ/ホンダ)はオーストラリア生まれだが、ニュージーランド国籍。
 3番グリッドからのスタートで優勝したのは、今年のパワーが史上12人目。
 優勝車のカーナンバーが「12」なのは史上2回目。1回目は1925年のピーター・デパオロ(マシンはデューセンバーグ)。
 パワーの11回目の出場で初優勝。1960年ウィナーのジム・ラスマン(ワトソン/オッフェンハウザー)、1974年ウィナーのジョニー・ラザフォード(マクラーレン/オッフェンハウザー)も同じく11回目に勝った。1957年のサム・ハンクス(サリー/オッフェンハウザー)、2013年のトニー・カナーン(ダラーラ/シボレー)はどちらも12回目の出場で初優勝。彼らが初優勝までに史上最も多くの出場回数を要したドライバー。

15人のレースリードは史上最多タイ!
レース展開をほんろうした気温は、史上2位タイの高温だった


 今年のインディ500では15人のドライバーがレースをリード。昨年記録された歴代最多に並んだ。リード・チェンジは30回で、史上7番目。史上最多は2013年の68回。
 ファイナル10周で2人以上のドライバーがトップを走ったのは今年で8年連続。2006年のレースでは最多の4人が最後の10周でトップを走った。その混戦を制したのはサム・ホーニッシュJr.(ダラーラ/ホンダ)だった。
 アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は32番グリッドから4位でゴール。28ものポジション・アップで、今年最も順位を上げたドライバーとなった。しかし、これは史上2番目の上げ幅。最高は1992年のスコット・グッドイヤー(ローラ/シボレー)の31ポジション・アップ=31位スタートで2位フィニッシュ。
 カー・オーナーのロジャー・ペンスキーにとって17回目の優勝は、12人目のドライバーによって記録された。
 今年のレース中の最高気温は34℃(ファイアストンによる計測)。この数字だと史上最高だが、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのレコード・ブックはナショナル・ウェザー・サーヴィス(気象庁みたいなもの)の計測値を採用しており、そちらだと32.8℃で史上2番目とタイ。史上最高は1937年の33.3度ということになる。
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿