コンディションの変化の影響も受けず、午後トップに出たロッシ。2番手はハンター‐レイとAAの2台は順調に初日を終えた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
午前中は風が吹くと肌寒さを少し感ずるコンディションだったが、陽は照り続け、午後2時開始のプラクティス2では気温が朝から10℃アップの32℃、路面は15℃アップの47℃に上昇。その結果、朝のベストが1分08秒4112だったのに対して、午後は1分08秒5567と遅くなっていた。
2回のプラクティスが明確に異なるコンディションとなったため、今日の2セッションのラップ・タイムを総合して比較することにはあまり意味はない。それよりも、両セッションでのポジションやトップとのタイム差が重要だ。プラクティス1からプラクティス2への進化の度合いは、ベスト・タイムを記録するタイヤが違うために外から見極めるのは難しい。今年からオルタネート・タイヤ=通称レッド・タイヤが1セット多く供給されるようになったため、プラクティス2での使用が可能。そして今日もプラクティス2でのファスト・ラップはほぼ全員がレッズ(Reds)装着で出していた。
ロッシ、ハンター-レイのアンドレッティ・ツインタワーが1-2
その中からアレクサンダー・ロッシが1分08秒5567をマーク。2番手はライアン・ハンター-レイとアンドレッティ・オートスポートが1-2だった。RHRのベストは1分08秒7083(トップと0.1516秒差)。ロッシはプラクティス1では3番手だったから、2セッションともにトップ3入り。開幕2戦に続いて第3戦でも速い。RHRはプラクティス1でも2番時計と、同じく2セッション続けて上位につけた。アンドレッティ・ツイン・タワーの仕上がりが上々ということ。逆に小柄な二人は苦戦中で、ルーキーのザック・ヴィーチが13番手(朝も同じ順位)、マルコ・アンドレッティは朝の20番手よりは良い15番手だった。
「ロング・ビーチは街もコースのレイアウトも、ファンもレースが持つエネルギーも、雰囲気も何もかもが大好き。今年の僕らはマシンも強力だ。去年はウィナーとなるジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)との差を詰めてギヤボックスにまで迫ったが、突然のトラブルでストップ。その借りを返したい僕らとしては、今日とても良いスタートが切れたと思う。明日も暑くなるかはわからないが、今日以上に力強い戦いぶりを見せられたら嬉しい」とRHRは語った。
暑いコンディションに苦しむ午前トップタイムのディクソン
プラクティス1最速だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はプラクティス2でも5番手とまずまず。しかしベストは1分09秒1049で、ロッシとの間には0.5482秒と大きな差があった。「僕らのマシンは朝のプラクティスでは非常に調子が良かった。涼しめのコンディションでベストの状態にあったと感じた。マシンのセットアップをほとんど変える必要がなかったほどで、1セットのタイヤで安定した走りをセッション終了まで続けることができていた。ところが午後はまったく違ったストーリーになっていた。フロントのグリップ確保に苦労。気温上昇によって受けた影響が大きかったのだ。それでもマシンの仕上がり自体は相対的に見て良いと思われるので、あとはコンディションにどれだけマッチさせたセットアップに調整できるかが鍵になる。ファイアストン・ファスト6に入るのはいつもと変わらずとても難しいだろう」とディクソンはコメントしていた。
シボレー勢トップは3番手につけたニューガーデン
3番手につけたのはフェニックス・ウィナーで現ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。タイムは1分08秒99307で、トップのロッシとは0.3740秒の差。朝のプラクティスでのニューガーデンは8番手だった。今年の開幕戦セント・ピーターズバーグでは予選のファースト・ステージで敗退を喫したニューガーデン。昨年のロング・ビーチでは予選のファイナル進出を逃し8番グリッドからのスタートだったが、今年はどうなるか。
佐藤琢磨は4番手タイム!初日から安定したスタートに
4番手に来たのは佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。レッド装着での最初のアタックで1分09秒0544をマークし、トラフィックをクリアした後に再アタックを試みたが、ターン1のブレーキングでバランスを崩し、外側のウォールにヒット。フロント・ウィング、リヤ・ウィング、リヤ・サスペンション(すべて右サイド)にダメージを被った。朝が6番手で午後は4番手。今週末の琢磨は悪くないスタートを切っている。チームメイトのレイホール二世は朝が11番手で、午後は8番手とこちらも2セッション目で順位を上げることに成功している。
佐藤琢磨はこのセッション4番手タイムをマーク。リアタイヤの不安定さからターン1でウォールにヒットしたものの本人はマシンの進歩に手応え Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
佐藤琢磨「明日に向けてはポジティブな感触を持っている」
RLLの二人の間に収まったのは6番手=ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)=1分09秒1953、7番手=ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)=1分09秒2687だった。
琢磨は金曜日を終え、「プラクティス2でのブラック・タイヤでのフィーリングはあんまり良くなかった。グレアムと今回も二手に別れてセットアップを進めて行くようにしたんだけれど、彼の方がブラックでは結構調子が良くて、僕はイマイチだったんですけど、方向性は見ることができたので、明日に向けては良い材料を手にすることができた。レッド・タイヤでは速いラップを出せました。続けて2周目も行けたのかわからないけどトラフィックに引っかかってしまった。走っていて感じたのは、レッドのタイヤ・ライフが短そうだということ」と琢磨。次のラップもアタックすることにしたが、そのターン1でのブレーキングでマシンはバランスを崩し、外側の壁にヒットしてしまった。今朝のリヤが不安定な状態がまだ残っていたためだ。「その前からずっとターン1は不安定で、もうレッドでの3ラップ目だった。思った以上にリヤがなかったので、飛び込んでって1周目、2周目より遅いスピードでのアプローチとなっていたのに全然こらえてくれなかった」と状況を説明。「明日に向けてはポジティブな感触を持っている。グレアムはターン1の辺りの区間タイムでトップで、僕とは速いセクションが違っている。だから明日は二人の速いところを足し算にして走りたい」と開幕2戦より格段に明るい表情で話した。
ここにきて光るベテラン勢のニューエアロへの対応力
若手、ルーキー勢はコンディション変化に目下苦戦中
ルーキー最上位は午後もヴィーチの13番手だった。開幕2戦のセンセーション、ロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は両セッションとも14番手。レッズの使用法など、まだまだ学むべきものが多い段階にあるので、それも仕方のないところだ。ジョーダン・キング(エド・カーペンター)は午前15番手、午後18番手。マテウス・レイスト(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は午前23番手、午後22番手と開幕戦とは正反対の大苦戦ぶりだ。ヴェテラン勢が新エアロでの戦いぶりを向上させて来て、ルーキーたちはコンディションの変化などへの対応で遅れを取っている模様。しかし、プラクティスを3セッション重ねた後の明日の予選ではまた驚きの走りを見せる者が現れても不思議はない。予選が行われるのは午後3時30分から4時45分の間。今日より全体的に気温が下がると言われており、予選時の気温は今日のプラクティス1とプラクティス2の中ほどになるという予報。明日の予選を目前にしたプラクティス3が予選と最も近いコンディションとなりそうだ。
先程予選結果見ましたが、琢磨選手どうしちゃったの??グラハムが最終予選迄行ったのに、何で最初で消えてしまったのか??
返信削除明日の決勝が更に心配です。
ネタバレかくなよ
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