2018年4月7日土曜日

2018 INDYCARレポート R2 デザート・ダイヤモンド・ウエスト・ヴァレー・カジノ・フェニックス・グランプリ Day1 予選:セバスチャン・ブルデイがPP、佐藤琢磨は予選13位

ブルデイは2006年、チャンプカー時代以来となるオーバルでのポールポジション獲得 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
6番目アタックのピエトロ・フィッティパルディが暫定トップ!
デイル・コインのマシンの仕上がり良好!
 プラクティス1のトップ3がシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、トニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)。この時点でそれなりの予感はあった。

ルーキーながら予選暫定トップ、最終的にも10番手となったピエトロ・フィッティパルディ。ショート・オーバルでもデイル・コインのマシンの仕上がりは抜群の安定ぶりだ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 予選で6番目に走ったピエトロ・フィッティパルディ(デイル・コイン・レーシング)が、2ラップとも19秒台を記録してトップ!
 これを見た時、ブルデイが速いだろうことは確信された。


Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ラストアタッカー、ブルデイ
逆転でチャンプカー以来のオーバルPP


 開幕戦ポール・ウィナーで優勝目前まで行ったロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がフィッティパルディ三世からトップを奪い、オーバルでも速いところを見せる。しかし、その2人後にコース・インしたパジェノーが2ラップとも19秒5台というスーパー・ランでトップへ。カナーンは1周目が20秒台で不発に終わり、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はパジェノーに0.2秒も離され(それでも、その時点では2番手)。ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)はウィッケンズにも及ばず、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングとチップ・ガナッシ・レーシングはスピードに欠けた。そして、ライアン・ハンター-レイとアレクサンダー・ロッシ(いずれもアンドレッティ・オートスポート)もフロント・ロウに手を届かせることはできず。これはペンスキーのフロント・ロウ独占もありか……という雰囲気が漂う中で、ついに最後のアタッカー、ブルデイの順番となった。
 ピット・ロードでパジェノーとパワーも見守る中、ブルデイは1周目に19秒5034をマーク。これは今日の最速ラップで、2周目も19秒5251と見事な安定ぶり。平均時速188.539mphでキャリア34個目(歴代単独7位)のPP獲得を果たした。ブルデイのオーバルでのPPは2006年のミルウォーキー(チャンプカー)以来。デイル・コイン・レーシングにとっては、これがキャリア2回目のPP獲得(2013年デトロイト以来)だ。

悔しがるパジェノー「おめでとう、セブと言いたい」
 

調子は決して悪くはないが、今シーズン、まだ今一つ本来の切れ味を見せることができていないペンスキー3人衆 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 「難しいコンディションを考えたら、かなりいい走りだったんだけど、本当に小さな差で2位になった」とパジェノーはPPを逃して悔しがっていた。「暑さの中でのプラクティスではマシンが滑りまくりで、ドライバーがドライビングをすることを求められるものになっていたが、アレはアレで楽しかった。予選は路面温度が下がり、ドライビングがし易くなっていた。ただ、僕らはアタック順が今回は真ん中辺りだった。遅い順番の方がコンディションが良くなるのは明らかだった。なんとかPPに踏みとどまれないかって考えていたが、そうはならなかったね。”おめでとう、セブ”と言いたい。でもすごいことだろ、フランス人によるオーバルのフロント・ロウなんだから。これはかなり貴重なことと思う」とパジェノーは語った。

惜しくもポールポジションを逃したが、パジェノーは決勝セッティングに関しては自信を見せる Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 
  彼は、「レース用セッティングはかなりいい仕上がり」とフェニックス2連勝に向けてはかなりの自信を持ってもいる。「今日は予選セッティングに専念していたが、この後に行われるファイナル・プラクティスでみんながレース用セッティングを試す。その時のコンディションは、2月のテスト時よりもレースに似たものになるんだから、興味深いセッションになる」とパジェノーは語った。

ポール獲得に興奮を隠せないブルデイ
「今日の僕らは強豪たちを相手に堂々と戦い、トップの座を摑んだ」

 

デイル・コイン・レーシングとして2度目のポールポジション獲得を喜ぶジェイムズ・サリバン、ジミー・ヴァッサー、デイル・コインとブルデイ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  ブルデイはエキサイトしていた。オーバルでのPPには特別なものを感じるからだろう。
 「僕らは優勝するため、予選でトップになるために全力を投じている。僕らのチームはガナッシ、アンドレッティ、ペンスキーと比べたら、まだまだ小さな組織だ。しかし、素晴らしい人材がグループとなってハードワークをこなし、目標達成に向けて奮闘している。だから、こうして成果を挙げた時に得られる喜びは大きい。今日の僕らは強豪たちを相手に堂々と戦い、トップの座を摑んだ。もちろん、最後にアタックすることは有利だった。路面温度は徐々にだが確実に下がって行き、それと同時に路面のグリップは高まって行っていたはずだから」と喜びを語った後、ブルデイは、「予選の列に並ぶと、自然と思い出してしまう。そればかりはどうしようもない」と去年のインディー500予選での大アクシデントについて自ら言及した。「そんなだから、不安を退け、今日のようにPPを獲得できたら、それはとても嬉しいことなんだ。ポール・スタートだから、レース序盤にはトップを守って、そこからどう展開して行くかを見たい。2月のテストではパジェノーがレース・トリムでとても速かった。おそらく一番強力だった。その一方で、僕らはタイヤにキツいセッティングになっているようだった。だから今日のナイト・プラクティスでは違うセッティングをトライするつもりだ」ともブルデイは話した。

AA勢最速は4番手のロッシ
予選3列目はシュミット勢2台が並ぶ


 予選3位はパワー。4位はロッシだった。2年前のインディー500ウィナーはアンドレッティ最速ドライバーと呼ばれる存在へと着々と成績を積み重ねている印象だ。
 5、6位はジェイムズ・ヒンチクリフ、ウィッケンズの順でシュミット・ピーターソン・モータースポーツ勢がグリッド3列目に並んだ。
 4列目はハンター-レイとニューガーデン。5列目はカナーンとフィッティパルディだ。

プラクティスからのセッティング変更が成功した佐藤琢磨
「自分たちの予選ポジションは決して悪くない」


 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は20秒1675、20秒0512で予選13位。チームメイトのグレアム・レイホールは最後から2番目のアタックでコンディションは有利だったはずだが、琢磨よりひとつ前の予選12位だった。 

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 「大変な予選でした。直前のプラクティスでマシンの仕上がりが良くなかったため、予選に向けてセッティングを大きく変える必要がありました。2周のアタックで二度もマシンが振られましたが、なんとかマシンをコントロール下に置き続けることができました。現状を考えれば、自分たちの予選ポジションは決して悪くはなく、ハッピーと感じているほどです。プラクティスでの状況を考えたら、予選のマシンはかなり良くなっていましたから」と琢磨はコメントしている。テストでの圧倒的パフォーマンスがレース・ウィークエンドを迎えたら消滅気味……と少々厳しい状況に置かれているRLLだが、夜間に行われる明日のレースは、テスト時とまったく同じにまではならないものの、似たコンディションにはなるはずだ。この後のナイト・プラクティスでマシンを良い状態に戻したいところだ。

1 件のコメント:

  1. 天野さん、レポートおつかれさまです。ブルデー、PPゲットしましたね!めっちゃ、うれしいです。連覇もいけそう‼ペースカードライバーは、オリオールセルビアなんですよね!これも、めっちゃうれしい‼できれば、レーサーで出てほしかったけど…。レース、楽しみにしてます。天野さんも、レポート頑張ってくださいね。楽しみにしてます‼

    返信削除