2018年3月21日水曜日

2018 INDYCARレポート 3月20日 バーバー・オープン・テスト:チーム・ペンスキーが1-2-3

今回のテストで最多周回を重ねたカストロネヴェス。タイムも3番手と存在感を強く印象付けた Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
1日のみのスケジュールだが
悪天候で午後のセッションは早々に終了
 

天候:曇り のち 雨
気温:10~13℃

 ディープ・サウスのアラバマ州バーミンガム。昨日は雹が降ると警報が出されていた。その大きな雨雲は街の遥か北を通過したが、テスト・デイに天候が回復することはなかった。朝から灰色の雲が低く垂れ込めた空で、午前10時のプラクティス開始時、気温は13℃という寒さだった。
 その気温は上がらず、雨でさらに寒くなった。プラクティス1はなんとかドライ・コンディションで終えることができたが、終盤はもう小雨がパラついていた。そして、プラクティス2の前に路面を濡らすに十分なだけ雨が降り、走行したのはインディーカーで走りたくて仕方のないエリオ・カストロネヴェス(チーム)ただ一人だった。プラクティス2での走行は、彼がウェット・タイヤ装着で走った8周のみ。雨が上がる可能性なしと判断された午後3時過ぎ、予定より1時間半早くテスト終了が宣言された。

パドックでカナーンと談笑するカストロネヴェス Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

カストロネヴェス、久々のインディーカーで精力的に走行
 

 24台ものインディーカーが集まったが、大きな成果を得られたチームは少なかった。最もテストを有効活用していたのは、今年からインディーカー・レギュラーではなくなったが、シリーズ第5戦グランプリ・オブ・インディカーと第6戦インディアナポリス500に出場予定のエリオ・カストロネヴェスだっただろう。ペンゾイル・カラーの3号車に乗った彼はインディーカーの感触を取り戻すべく走り込んだ。プラクティス1だけで33周、プラクティス2も前述の通りウェット・タイヤで8周し、トータル41周。ハーディング・レーシングからエントリーしたギャビー・シャヴェスの4周(今日の最少)とは大きな開きがある。

チーム・ペンスキー、順調な仕上がりでトップ3独占

天候に翻弄された1日となったが、チーム・ペンスキーはセッティングの進捗ぶりを見せつけた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 今回のオープン・テストは1日限り。メイン・テーマは新エアロでのマシン・セッティングだ。ストリートでの実戦がセント・ピーターズバーグですでに行われているが、常設のロードコースでは一体マシンはどんな挙動を示すのか、どのチーム力をスピードを見せるのかを見極める絶好の機会となるはずだった。しかし、目立ったのはチーム・ペンスキーの仕上がりの良さだけ。雨が降ってテストが短縮されるのを知っていたかのように彼らはラップを重ねた。開幕前のテストでベース・セッティングが進んでいる彼らの中から昨年度チャンピオンで昨年のバーバー・ウィナーのジョセフ・ニューガーデンがトップ・タイムとなる1分07秒9793を記録。2番手はウィル・パワー=1分08秒1536、3番手はカストロネヴェス=1分08秒3155だった。シモン・パジェノーは新エアロに今ひとつシックリ来ていないのか、今回もチーム内で最後方ポジションとなる9番手だった。ベストはニューガーデンに0.7秒以上も離された1分08秒7043だった。
 

ニューガーデンは、ただ1人7秒台をマークしてこの日最速 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 新エアロはチーム間の戦力均衡を実現し、開幕戦ではシュミット・ピーターソン・モータースポーツが大活躍。二強のペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシングは振るわなかったかに見えた。しかし、今日のバーバー・テストではペンスキーがここ3年ほど見せている強さを維持しているように映った。
4月末の本番までに勢力図はまだ変化するのか? またもペンスキー一強になるのか? 興味深い。

開幕戦を制したデイル・コイン・レーシング、バーバーでも4、5番手タイム


セバスチャン・ブルデイは今回のテストでも好調。ユニヴァーサル・エアロになってもデイル・コインのマシンの仕上がりは安定しているようだ Photo:INDYCAR (Chris Owens)
 ペンスキー軍団を追う4、5番手に来たのは、今やまったく侮ることのできないデイル・コイン・レーシング。開幕戦で優勝したばかりのセバスチャン・ブルデイが1分08秒3820でトップと0.4027秒差の4番手で、カナダ出身ルーキーのザッカリー・クラマン・デ・メロが1分08秒5613で5番手だった。

6番手につけた佐藤琢磨「もっと走りたかった」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はその後ろの6番手。路面ができ上がるまで出陣を待った結果、走り出して5周目に自己ベストとなる1分08秒6335を記録した。「開幕前に一度テストをしたのですが、テストは決して良くなかったので、今回は違うセッティングで来てます。色々ともっと深く試したかったのだけれど、雨。勿体無い。せっかく遠くまで来たのに。もっと走りたかった」と琢磨は語っていた。
以上

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