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2018年のインディーカー・シリーズに参戦予定の11チームのエンジニア体制がフェニックスでのオープン・テストで明らかになった。なお、チームの数え方だが、アンドレッティ・オートスポートとアンドレッティ・ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアンは同一チーム、デイル・コイン・レーシングとデイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー・サリヴァンも同一チームと考えることとした。
フェニックステストでパワーと談笑するパジェノー、ベン・ブレッツマン Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
チーム・ペンスキーは3カーに縮小。エンジニアは各ドライバーとも昨年と変わらず。ジョセフ・ニューガーデンはブライアン・キャンピ、シモン・パジェノーはベン・ブレッツマン、ウィル・パワーはデイヴ・ファウスティーノ。インディーカーは1台減ったがスポーツカーにアキュラと2台体制で参戦開始したため、エリオ・カストロネヴェス担当エンジニアらはそちらに異動している。最強チームはユニバーサル・エアロ・キットのパフォーマンスを引き出すという点でライバル勢をスタートからリードすることができるか?
2台ともに勝てる体制を目指すチップ・ガナッシ
昨年のレースエンジニアリング統括をジョーンズの担当に
チップ・ガナッシ・レーシングは4台から2台に半減。当然、雇っているエンジニアの数も減っている。例えばマックス・チルトンとチャーリー・キンボールを担当していたレース・エンジニアたちは他チームへ移籍した。スコット・ディクソン担当はクリス・シモンズで変わらず。そしてジョーンズだが、「2台ともに優勝を狙える体制を!」という荷の重いテーマを実現するために、これまでチームのエンジニアリングを統括していたジュリアン・ロバートソンがレース・エンジニアとして就くことになった。
6台体制のアンドレッティ・オートスポート
エリック・ブレッツマン就任2年目でチーム力アップなるか?
今シーズンのマルコ・アンドレッティはブライアン・ハータの下で98号車を駆る Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
去年、スコット・ディクソンの4回のタイトル&1回のインディー500優勝に貢献したエリック・ブレッツマンをテクニカル・ディレクターとして迎え入れた彼らは、新体制での2年目により高い力が発揮されるものと期待ができるが、ドライバーの陣容はルーキーが1人入っているので去年より弱体化しているとも言える。ライアン・ハンター-レイはレイ・ガスリン、アレクサンダー・ロッシはジェレミー・ミレス、マルコ・アンドレッティはネイサン・オールークと残留組のエンジニアは変わらず。去年佐藤琢磨とインディー500で優勝したギャレット・マザーセッドがルーキーのザック・ヴィーチの担当になる。インディーでの追加2人の担当エンジニアは不明。
充実した体制を実現したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング
佐藤琢磨の作戦をボビー・レイホールが担当するのも大きな強みに
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、何年もかけて着々とエンジニアリング・チームを強化して来た。佐藤琢磨曰く、「入って行くエンジニアはいても、出て行く人はいない」。元ペンスキーで、一昨年アンドレッティ・オートスポートがアレクサンダー・ロッシを急遽走らせる時に現場復帰したトム・ジャーマンを2017年シーズンに向けて獲得。今年から彼はテクニカル・ディレクターに昇格。ジャーマン加入前にチームを優勝争いのできるレベルまで引き上げたエディー・ジョーンズは、今年から琢磨の担当エンジニアを務める。ジョーンズは服部尚貴がチーム・グリーンでインディー・ライツを戦った時のエンジニア。そして、このチームの"ヴィークル・ライド・コントロール・エンジニア”(=ショック・アブソーバーなどを担当)はマーティン・パレ。中野信治がウォーカー・レーシングでインディーカーを戦った時の担当エンジニアだ。琢磨陣営ではもう一つ大きなニュースがある。ピットで作戦をコールするのがチーム・オーナーのボビー・レイホールになるというのだ。琢磨はこれを契約の際にリクエストしたという。レイホールはチームが成績を出なかった時期にピット・スタンドから離れてオーナー業に専念していたが(息子のチームのコールをするのは非常に難しいのだ)、作戦力、状況変化への対応力は業界トップ・レベル。琢磨にとっては非常に強い味方になりそうだ。
ブルデイ車のマネージメントに加わったヴァッサ―とサリバン
近年好調のデイル・コイン・レーシングにシナジーは生まれるか?
デイル・コインに乗り込んだジェームズ・サリバンとジミー・ヴァッサ―。この二人の加入がブルデイの走りにどう影響するのか? Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大 |
SPMは2018年シーズンでチーム体制を大幅に一新
ヒンチクリフ担当にはインディーカー史上初の女性エンジニアを起用
ヒンチクリフを担当する女性エンジニア、リーナ・ゲイド(右) Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大 |
マイケル・シャンク Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) |
マイケル・シャンク・レーシングとのコラボレーションで走らせるジャック・ハーヴィーの担当エンジニアは不明。去年彼がアンドレッティ・オートスポートでインディー500を走った時のエンジニアはザック・イーキンだったが、彼はステファン・ウィルソン担当になるか??
エド・カーペンター・レーシングも
エンジニアを変更
エド・カーペンター・レーシングはシュミット・ピーターソン・モータースポーツを離れたヴェテラン・エンジニアのアレン・マクドナルドを獲得。テクニカル・ディレクター兼エド・カーペンター(&ジョーダン・キング)担当に据えている。去年までエドと組んでいたマット・バーンズはフル・シーズン・エントリーに昇格したスペンサー・ピゴットに付く。去年のフェニックス・テスト最速で、レースでも3位(ともにJR・ヒルデブランド)とパフォーマンスが高かったエド・カーペンター・レーシングだが、新体制&新エアロでの今年は2日間の総合で14番手&21番手と今ひとつ。実力発揮までには少し時間がかかりそうだ。
カナーン加入でチーム大改造のAJフォイト
ブラジリアンドライバー2人のコンビネーションは良好
ラリー・フォイトの傍らに立つレイスト。故国の先輩、カナーンとのコンビネーションで、AJ・フォイト・エンタープライゼスを浮揚させることができるか Photo:Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
琢磨との優勝から4年以上が経過。苦闘を続けているAJ・フォイト・エンタープライゼスは、2年連続で大幅な体制変更を断行した。チーム体制に継続性がないと伸びるものも伸びないが、そうせずにはいられないシーズンを昨年は送っていた。変更の原動力は新リーディング・ドライバーとなったトニー・カナーン。彼は体制作りに積極的に関与するタイプ(それでチームが結構引っ掻き回されるケースも……)。チップ・ガナッシ・レーシングから旧知のエンジニア=エリック・カウデンを引き連れて来て、テクニカル・ディレクター兼14号車エンジニアだったウィル・フィリップスは放出の憂き目に。辛うじて2台目=4号車のエンジニアだったマイク・コリアーは残留。ただし、担当ドライバーはコナー・デイリーからルーキーのマテウス・”マット”・レイストに変わった。シュミット・ピーターソン・モータースポーツがカナディアン・コンビなら、フォイトはブラジリアン・コンビということ。そして、こちらのコンビネーションもうまく機能しそうだ。兄貴肌のTKと、彼のレースを見て育ち敬意を抱いているマットという主従関係だからだ。TKは今年はインディアナポリスに住むということで、14号車のメインテナンスがインディで行われることにもなった。テキサスの本家ショップは4号車担当に。「14号車はテキサス」という伝統が消えてしまうワケだ。そればかりか、AJとラリーのフォイト親子が4号車を担当することになるから、14号車のピットにフォイトと名の付く人が誰もいなくなる。コレはビックリだし、ちょっと寂しい気もする。
チームの伝統を覆す変革を受け入れたAJ・フォイト御大だが、威光はいささかも衰えない。フェニックステストには、なんとあの ”ザ・ライト・スタッフ”、チャック・イエーガー!を招いてともに走行を観閲 Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大 |
ブライアン・バーンハートがチームプレジデントのハーディング・レーシング
一昨年の琢磨担当エンジニアがシャヴェスを受け持つ
インディーカー競技長時代とはちょっと風貌が変わったバーンハート。チームプレジデントとしてどんな手腕を見せるのだろうか? Photo:INDYCAR (Chris Owens) |
今シーズンからインディーカーにステップアップの
2チームの体制にも注目
トレバー・カーリンPhoto:INDYCAR (Joe Skibinski) |
インディー・ライツからのステップ・アップ組その2は、2009年からアメリカで頑張って来ているフンコス・レーシング。オーナーはアルゼンチン出身のリカルド・フンコス。去年はインディー・ライツとプロ・マツダ、インディーカーの真下に位置する2シリーズでタイトルを獲得し、インディー・ライツ・チャンピオンのカイル・カイザーとともにインディーカーにステップ・アップして来る……が、まだ17戦中の8戦しか出場予定はない(カイザーが4戦、オーストリア出身のルネ・ビンダーが4戦)。エンジニアは去年彼らがインディー500に2カー・エントリーした時にテクニカル・ディレクターを務めたヴェテランのトム・ブラウン。ペンスキーで働いた後にベッテンハウゼン・モータースポーツに移籍し、服部茂章の担当だったこともあるエンジニアだ。
以上
タスマンのスティーブ・ホーンの娘は何やってるんですかね?リベイロとフェルナンデスでシャシーが違ってて苦労してた記憶がありますが。
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