2017年11月15日水曜日

2017 INDYCAR レポート 11月15日:2018年向けチーム体制の現状

ほぼ固まってきた2018シーズンの陣容!残るシートは3つのみ!

 2018年に向けての体制作り、今は小康状態といったところか? 2016年のレギュラー・チームを見渡すと、確定していないシートは3つのみ。新規参戦チームがどんな規模になるかなど、すでに確定しているところを見て行こう。
 まずはシボレー勢。2年連続でチャンピオンを生んだチーム・ペンスキーは1台マイナスの3カー体制になる模様。ライン・アップはウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンと豪華。走らせる3人全員が元チャンピオンというところはすごいが、3人ともタイトルは1回のみだし、インディー500ウィナーはゼロ(!)。そのインディー500にはスポーツカーに戦いの舞台を移したエリオ・カストロネヴェスも出場する。同じくスポーツカーで走るファン・パブロ・モントーヤもインディに出るのかは不明。チーム・ペンスキーでは彼が一番最近のインディー500で優勝したドライバーなのだが……。

カナーン頼みのAJ・フォイト、期待の新人起用の可能性も

 AJ・フォイト・エンタープライゼスは、噂通りにトニー・カナーンを獲得。タイトル1回、インディー500で1勝とTKの実績に申し分はないが、正直なところ近頃の彼には今ひとつキレがない。昔馴染みのエンジニア=エリック・カウディン共々フォイト入りし、4号車のドライバーだったコナー・デイリーと、チームのテクニカル・ディレクター兼14号車エンジニアだったウィル・フィリップスは解雇? だとすると、フォイトはほとんどカナーンに乗っ取られちゃった格好となる。ガナッシに4シーズンもいて1勝しかできなかった男が、フォイトでどんな成績を残せるというのか? AJとラリーはわがままブラジリアンの思い出作りに付き合ってる暇などないはずだが、カルロス・ムニョスとデイリーの若手二人起用で何もできなかった翌年だけに、KVレーシング・テクノロジーでインディ500優勝を果したカナーンの手腕に賭けるしか策を思いつかなかったということか。救いはフォイト家の若手贔屓がマテウス・レイストというブラジリアン起用に繋がりそうなところ。2016年イギリスF3チャンピオンは昨年インディー・ライツ初参戦で3勝。ブラジル久々の期待の星にチャンスを与える話は悪くない。TKがその指南役を務めると言うのならアリ。

エド・カーペンター・レーシング、20号車のロード担当未だ空席
ハーリング・レーシングは1台体制、フンコス・レーシングは2台体制でフル参戦へ
カーリンはチップ・ガナッシのセカンドチームの2人を起用か

 エド・カーペンター・レーシングはロードコース要員が未定。JR・ヒルデブランドはロード&ストリートでのパフォーマンスがあまりに低いため1シーズンで終了。21号車のレギュラーにはスペンサー・ピゴットが内部昇進。20号車のロード担当にはコナー・デイリーが候補の一人として挙げられているようだ。
 2017年にオーバルのみ3戦に出場したハーリング・レーシングは、ペドロ・シャヴェスとマット・カリー(エンジニア)のコンビで2018年にはフルシーズンエントリーを行う計画だ。
 プロマツダ、インディライツで2017年にダブルタイトルを獲得したフンコス・レーシングも、2018年はインディ500だけでなく、インディカーシリーズへの完全なるステップアップを目論んでいる。ドライバーには同チームでインディ・ライツ・チャンピオンとなったばかりのカイル・カイザーが起用される予定。2カー・エントリーを目指しているが、それに足るスポンサーの確保はなるのか? 2人目のドライバー候補は誰か? 現時点では不明。インディ500ではトム・ブラウン、デイビッド・クリップス、スティーブ・ニューウェイと実績あるベテラン・エンジニアを3人も起用していただけに、チーム体制がどうなるかも気になる。
 同じくインディライツ参戦中のカーリン(佐藤琢磨をイギリスF3チャンピオンの座に就けたチーム)も、ユニバーサルキット導入をチャンスと見てアメリカのトップカテゴリーに進出を果たす可能性アリだ。ドライバー候補にはマックス・チルトン、チャーリー・キンボールの両G2(チップ・ガナッシ・レーシングのセカンド・チーム)ドライバーが挙がっている。
 現時点で確定8台。9~12台まで増える可能性アリだ。

アンドレッティ・オートスポーツは来年も4台体制堅持
佐藤琢磨の抜けた穴にはザック・ヴィーチ

 
 続いてホンダ勢。チップ・ガナッシ・レーシングは4カーから2カーへと半減する。ドライバーはスコット・ディクソン(タイトル4回、インディー500/1勝=エンジニアはクリス・シモンズ)とエド・ジョーンズ(エンジニアはブランドン・フライか、ジュリアン・ロバートソンか??)。2台に体制縮小して2台双方で勝つチーム作りを目指す。
 アンドレッティ・オートスポートは4カー体制を維持の方向。ライアン・ハンター-レイ(タイトル1回、インディー500/1勝=エンジニアはレイ・ガスリンのままか?)、マルコ・アンドレッティ(=佐藤琢磨と組んでいたギャレット・マザーセッドを当てがってインディ500優勝を狙う?)、アレクサンダー・ロッシ(インディー500/1勝=エンジニアのジェレミー・ミレスとは関係良好)の3人が残留。琢磨の離脱に腹を立てていたオーナーのマイケル・アンドレッティだったが、ザック・ヴィーチ(R)が大型スポンサーを引き連れて来たので、25号車に空きができたのは、むしろ好都合というハッピーエンドな話に。ザックのエンジニアにはマルコ担当だったネイサン・オールークが付くことになるかもしれない。

琢磨加入で2018年最強パッケージとなるRLL
SPMはウィッケンズが加わりカナディアン・ドライバー2人に

 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはグレアム・レイホールの1台体制から琢磨を迎えての2カー体制へと拡大する。レイホールはトム・ジャーマンをエンジニアにつけ、インディー500ウィナーの琢磨担当はチームのリーディングエンジニアだったエディー・ジョーンズ。2018年最強タッグとなる可能性アリ。打倒ペンスキー&ガナッシが彼らの目標。
 シュミット・ピーターソン・モータースポーツは、ジェイムズ・ヒンチクリフ(エンジニアはガナッシから移って来るトッド・マロイ)、ルーキーのロバート・ウィッケンズ(エンジニアはブレアー・パーチバッカーか?)のカナディアンコンビで行くことに。ベテランエンジニアのアレン・マクドナルド離脱はガナッシの体制縮小で浮いたマロイの獲得でスンナリ埋められた。



気になるデイル・コインの2台目のドライバー



 デイル・コイン・レーシングはタイトル獲得4回のセバスチャン・ブルデイ(エンジニアはクレイグ・ハンプソン)だけが現在決定している状況。ジョーンズのガナッシ行きで空きになった19号車(エンジニアはマイケル・キャノン)の候補は、過去に走った実績があるデイリーと、インディライツで1勝、2017年最終戦ソノマでインディカーへのデビューを果たしたザカリー・クレマン・デ・メロの名前も挙がっている。2017年のテキサスで好走を見せたトリスタン・ボーティエのレギュラー復帰を個人的には希望している。それが実現すると2018年はフレンチ・レギュラーが3人になる。デ・メロがシートを獲得した場合は、代わりにカナディアンの数が3人に増える。
 ホンダ勢は12台で11台の体制がすでに決定済み。今のところ2018年のレギュラーエントリーは最小20台、多くて24台とうこと。
以上

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