予選1位となったマット・ホール選手のフライト Photo:IMS クリックして拡大 |
イベントはヨーロピアン、ハードはアメリカン
今日で2日目。関係者の皆様のお陰でいろいろわかって来ました。
ヨーロッパの匂いがするエア・レースですけど、レース・プレーンはアメリカ製ですね。ジブコ・エアロノーティクスってオクラホマ州にある会社が作るエッジ540のV3というモデルを今やエントラント全員が使用しています。インディー・レーシング・リーグ時代にGフォースが淘汰されてダラーラのワンメイクになったのと同じ状況だと言えますね。
空冷水平対向6気筒のエンジンは、今時見ないカウンター・フロー。上空ではシリンダーに吸い込む空気が冷たいので熱い排気を通すエキゾースト・パイプとエア・インテークが近いのはメリットとなるんだそう。エンジン下にマウントされたインテークマニフォールドには機械式インジェクターを装備 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 |
エンジンとプロペラは主催者からの支給によるワンメイク
ソンカ機のノーズにあるエア・インテークは室屋機と形状が違ってますね。下の丸いのは吸気用。上側の三角形のはシリンダーヘッド冷却用 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 |
チーム・ファルケンの整備風景。エア・インテーク=3つとも丸いでしょ? チーム・クルーはパイロット含め5人までに制限され、経費高騰を防いでます Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 |
エンジンパワーは約300ps以上、機体重量はインディーカーより軽量
エンジンのスペック詳細が未公表ってのは、何やら不思議です。わかっている範囲で書くと、排気量が約9,000ccで最大出力が300ps以上といったところ。排気量の大きさの割りにパワーが低いのは、最大回転数がレギュレーションで2,700rpm(!)に制限されているからなんだそうです。インディーカーは12,000rpmが上なのに!! トラブル=パイロットの生命の危機のため、電子制御のインジェクションじゃなく機械式、トランジスター点火じゃなくてマグネトー……と信頼性の確立されている技術のみが使用されているとのことです。
ブライトリングがスポンサーのミカエル・ブラジョーの乗る機体は”錆び”が出ているようなエイジング・ペイントが施されていて、パイロットの着るレーシング・スーツ…………じゃなくてフライト・スーツもわざわざ古いデザインのものを着てます Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 |
室屋選手、予選11位!明日のレースはソンカ選手といきなりの対決に
パゴダ前広場にあった室屋選手のバナー。スカイ・ラウンジてのはVIPおもてなしスペースのよう Photo:Masahiko Amano クリックして拡大 |
対するポイント・リーダーのソンカは4位の好位置につけました。そして面白いことに、11位と4位は明日イキナリ直接対決を行ないます。1位と14位、2位と13位というように互い違いに組み合わされるルールだからです。金曜はペナルティこそあったものの最速だった室屋選手。土曜日になって調子が下がってしまった感もありますが、最初のラウンドでソンカを倒せたらチャンピオンに大きく近づきます。
そして、明日は午前中が雨の予報で、風向きや湿度などコンディションが午後の競技では今日までとは大きく変わることとなりそうなんです。それに見事対応した上で、完璧なフライングをした者がウィナー、そしてチャンピオンに輝くってことですね。舞台は整いました。
なお、予選1位はダークホース=前戦ラウジッツリンク2位ながらタイトルの可能性がないマット・ホール(マット・ホール・レーシング)選手でした。
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