Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
――スタートではスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、続いてアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)とのバトルがありました。
佐藤琢磨:そうでしたね。映像で見たでしょう? ターン3でディクソンのチェック・アップがあったので接近して、アレックスとサイド・バイ・サイドになったんですよね。 その後ターン4からターン5、それからターン6で左に行くじゃないですか。そのターン5で彼が思い切り幅寄せして来て、こっちはダートに落ちちゃったんですよ。まったく意味がわからない。ターン5であんなに膨らむことって普通はないんですよ。だから今、彼と話をしに行って来たんですけど、あちらの言い分としては、ターン4で僕が幅寄せして来たからターン5で同じことをしたって言うんですよ。でもそれはおかしい。まったくその意図がわからない。
「ずっと頑張ってきているクルーのためにも
チェッカー度フラッグが降り下されるるまで全力で走りたかった」
――バトルはいいけれど、コースの外に押し出すのはアウトですよね。
佐藤琢磨:ホント、残念ですよ。非常にアンフェアな走りだった。それによって僕はもちろんポジションを落としたし、それがタイヤがパンクした要因にもなったでしょう。タイヤがパンクした影響でボディ・カウルが壊れ、ダウンフォースもなくなり、エアロ・バランスもコーナーごとでシフトするような状況になっちゃっていました。まぁ、痛手を負ったままレースを走らざるを得なかった。
――そうなっちゃうと、もうモーティベーションを保つのも難しくなる。
佐藤琢磨:はい。もうあの時点でレースはどうしようもなくなってしまいましたね。すぐにイエローでも入ってくれたらトップと同一周回に戻れて、そうしたら何かできていたかもしれません。インディカーのレースでは本当に何が起こるかわからないので。リードラップにあの時点で戻れていたら、何かミラクルが起こってたかもしれない。最後まで諦めないで走るというのは、このクルマを作ってくれたエンジニアやクルーたちに向けてのせめてもの礼儀だと思います。本当に、今シーズン最後のレースだっただけに、最後までいい戦いをしたかったんです。ずっと頑張って来てくれている26号車のクルーたちのためにも。自分も、ドライバートしてチェッカード・フラッグが振り下ろされるまで、もちろん全力で走りたかった。それらが叶わなかったのは残念だし、最終的にトラブルでリタイアしてしまった。シージズンの最後の6戦ぐらい? 予選でずっと上位に、ホンダのトップになることができていました。それなのに決勝はいつも何だかこう…………外的要因だったり、トラブルだったりでうまく行かなかったのは凄く残念ですね。
「タイヤトラブルのあとはダンフォースが足りなくなって
厳しいレースになっていました」
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佐藤琢磨:ボディパネルのダメージはどうしようもなかったけれど、リヤはリヤウィングとホイールガードなどをアッセンブリーで交換していたら、もう少しいい走りができていたと思います。
――本調子のマシンで走れたのはスタートからの5周未満と短かった。その中で自分のマシンの仕上がりについては、どう感じてましたか?
佐藤琢磨:うーん……1分19秒台を出して走れていたスティントもあったし……どうだろう? やっぱりあのタイヤトラブルの後はダメージのためにダウンフォースが足りなくなってて、スティントの半分までは何とか頑張れるんだけど、その後はタイヤのデグラデーションが大きく、厳しいレースになっていました。それに風向きもどんどん変わってました。レース中に90度変わったのかな? 僕らはそれによって、かなりクルマのバランスが悪くなっていたと思います。
「予選で達成感があっただけに、決勝を楽しみにしていました」
――シーズン終盤はアンドレッティ・オートスポートのエースになってましたよね?
佐藤琢磨:まぁ、それはわからないけど(笑)、チームのドライバー全員で協力しながら予選でのスピードと順位であのような成績を残せたことに対しては達成感がありました。ただ、レースでうまく行かなかったという部分は心残り。せめて、予選で毎回上位につけるために、今度こそは、今度こそはと頑張ってました。今週のソノマでも非常にいいカンジで週末を迎えていたので、まぁ、決勝レースはとても楽しみにしていたんです。
(その2に続く)
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