「今日の僕らには圧倒的パフォーマンスを持ったマシンがあった」 と語るロッシ。昨年のインディー以来の勝利を手にした Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がワトキンス・グレン・インターナショナルでポール・トゥ・ウィンを達成した。ウェット・タイヤで始まったレースは雨に見舞われる予報が出ていたが、雨雲はサーキットを避けて通り抜け、60周のレースはそのほぼすべてがスリック・タイヤを履いての戦いになった。
レインタイヤでのスタートでトップを行くロッシ。ターン2で2位にポジションを上げた佐藤琢磨が続く Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
アンダーグリーンの再ピットインで大きく後退
1周を終えたところで出場21台中の19台がスリックに交換するピット・ストップ。その直後、2周目のターン9でトップを走るロッシはリヤのトラクションを失い、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)にパスされた。ロッシはブラック・タイヤ、カストロネヴェスは新品のレッドを選んでおり、アウト・ラップでの温まり具合の差がそこに出ていた。追い討ちをかけるように、ロッシは15周目に行なった2回目のピット・ストップで燃料が十分に入らないトラブルに見舞われ、24周目に3回目のピット・ストップ。順位は17番手まで大きく後退した。
その矢先の27周目にコーション発生!再ピットインのロスは帳消しに
チームのミスに足を引っ張られ、ロッシ優勝の可能性は消えたかに見えた。ところが、27周目に佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)がターン6でスピンしてイエローが出され、ロッシはライバル勢がピットしてもステイ・アウトしてトップに返り咲くことに成功した。不運が一転、幸運に変わった。
トップ・グループのライバル勢より4周早いタイミングで3回目のピット・ストップを行なったロッシには、終盤戦での燃費の心配がされたが、こちらはポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がピット・ロード出口でクラッシュし、そこにセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)が突っ込むという少々珍しいアクシデントによって出された3周にまたがるフル・コース・コーションによって解消。49周目に切られた最後のリスタートからは、ディクソンにとうとうアタックのチャンスを一度も与えることなくキャリア2勝目のチェッカード・フラッグを受けた。
「最後の12周、ディクソンとの一騎打ちに勝って最高の気分」
最後のリスタート後、ディクソンを引き離しにかかるロッシ。一時接近されたものの再スパートで追いすがるディクソンを振り切った Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
ロッシは優勝の感想を聞かれると、「去年のインディー500の時とは違って、今日の僕らには圧倒的パフォーマンスを持ったマシンがあった。トロントでインディ以降初めての表彰台に上り、今週は初ポールを記録し、そしてキャリア2勝目も挙げることができた。これでプレッシャーから解放される。今日はレッドを履くスコット・ディクソンとエリオ・カストロネヴェスについて行けた、ブラックを履いたただ一人のドライバーが僕だったと思う。アレで自信を手に入れた。更に、最後の12周はディクソンとの一騎打ち。同じマシンに乗るディクソンと戦って勝ったのだから最高の気分だ」と語った。普段は寡黙なロッシも今日の会見では笑顔を輝かせ、少し饒舌になっていた。チーム残留を発表した直後の優勝はタイミングも絶妙だった。
佐藤琢磨、オープニングラップで2番手浮上するも電気系トラブル発生
ピットで修理してレースに復帰するも、またトラブルが発生し、牽引でピットに戻る佐藤琢磨。4周遅れの19位でフィニッシュした Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
「ターン2で2番手に上がった先ではロッシのスリップに入れていた。あのまま行けばトップに立てていたと思います。しかし、加速していなかった。リセットしても問題は解決されませんでした」と琢磨は悔しがった。優勝したロッシ、予選8位から3位で表彰台に上がったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)と同じか、あるいはそれ以上のスピードを発揮できただろう琢磨、1周目にトップに立てていたら、チームにとって2014年のバーバー以来となるロードコースでの勝利は彼が記録していたことになっただろう。
「ソノマはここ数年いい戦いができているコースだし、アンドレッティ・オートスポートが去年速かったコースでもあるので、とても楽しみにしています」と琢磨は気持ちを切り替えた。インディー500ウィナーは、今シーズン2回目のダブル・ポイント・レース制覇を目指す。
ニューガーデン、2周遅れの18位に沈み
チャンピオンシップポイント争いは急展開
ピット出口でパワーに前に飛び込まれ、そのままガードレールにヒット。さらにブルデイニ追突されたニューガーデン。因果応報ともいえるアクシデントで18位に終わり、ポイントリードはまさかの「3」に Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
ワトキンスグレン2連覇はならなかったが、ディクソンは序盤のトラブルを克服して2位に手応え十分といった表情。ホンダの1-2-3フィニッシュだ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
以上
琢磨選手、フラストレーションがたまるレースになりましたね。ロッシは、ラッキーなレースになりました。今年は、大人のレースというのでしょうか…きれいなレースが多かったけど今回は、とっちらかっていましたね。そのほうが、インディーらしくて私は好きなんですが。ロッシも、契約継続の発表がありましたが琢磨選手だけ取り残されてる感じがして。最終戦までは、レースに集中なんでしょうかね。
返信削除ロッシ、戦い抜いて勝てて良かったね。
返信削除彼のレースだったし、何もかも彼の味方でした。
レースの女神が微笑むってこういうことなんだね。
琢磨選手は、今相当悩んでるんじゃないでしょうか。
残留するか、移籍するか…
もしAAが他のロードでもこの速さを発揮できるなら、
残留した方が良いですよね。
あと大事なのは、イコールNO.1のチーム体制ですよね。
レイホールはこれが用意できるのか正直疑問。
アンドレッティ・オートスポートのロードコースでの躍進、アレクサンダー・ロッシの成長、どちらも素晴らしいですね。ただ、この勢いで彼らが来年も更に伸び続けて行けるのか・・・実は疑問なところもあるんです。今年もアンドレッティ・オートスポートってスポンサーにはかなり苦労をしていたでしょう? マルコ、琢磨、ロッシの3台はスポンサーロゴが少ないレース、結構ありました。そして、来年は資金面がもっと厳しくなりそうな気配。開発にお金が回らない状況に陥ることが心配されています。ロッシは残留を発表しました。チームが今の勢いを保って進歩してってくれることが期待できると彼は踏んだのでしょう。
返信削除アンドレッティ・オートスポート残留、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング移籍、私はどちらもアリだと思います。 RLLRのマシン&ドライヴァーはこの2〜3シーズン、かなり多くのコースで高いパフォーマンスを発揮して来ていますから。それも1かー・チームで。あとはシッカリした2かー体制を築き、資金をとぎらせないことが肝要。
天野さん、コメントありがとうございます‼私は、最近のレイホールは貫禄がでてきて琢磨選手と上を目指せるんじゃないかと思ってます。でも、ハンターレイや最近力をつけてきたロッシのいるアンドレッティも琢磨選手は残留したいのではないかと…。マイケルが、琢磨選手はレイホールと契約したと暴露したとかニュースになりましたが琢磨選手も複雑な気持ちなのではないかと…。最終戦は、いいレース見せてほしいですね‼
返信削除ハリケーンイルマ、勢力は弱まりましたがセントピート在住のブルデーがすごく心配です。天野さんは、大丈夫でしたか?
返信削除御心配ありがとうございます。私はふたつの巨大ハリケーンによる被害を受けずに済みました。移動の飛行機にも影響はありませんでした。マイアミやその近郊に住むドライヴァーたちのお宅は大丈夫だったのか、心配です。11月にNASCARの最終戦が行なわれるホームステッドのコースは無事なんでしょうか? あそこは1992年にハリケーン・アンドリューに破壊された町の復興のシンボルとして建設されたサーキットなんですよね。インディーカーの場合、開幕戦の舞台として定着しているセント・ピーターズバーグもダメージが結構あったと心配されます。ハリケーンの通過ルートになってましたからね。あそこは全体的に土地がとても低いし。
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