佐藤琢磨、堂々のポール・ポジション獲得! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
インディーカーのレースがポコノに復活して以来、ずっと速さを見せてきていた佐藤琢磨(ベスト・リザルトは決勝が6位、予選が3位)が、アンドレッティ・オートスポートからの参戦でついにポール・ポジションを手にいれた。
予選開始は午後1時。空は朝から続く快晴で、照りつけ続けた日差しで路面温度はプラクティス1の開始時より20℃も高くなっていた。風は午前中と同じか、やや強くなっており、どこまで空力をトリムすべきかの判断、そしてドライビング自体も非常に難しい戦いとなった。
最初のアタッカー、ディクソン、不完全燃焼の結果に
最初のアタッカーは5度目のタイトル獲得にはここでの活躍がマストのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。ウォーム・アップは215.394mphで、計測1ラップ目が218.065mph、2ラップ目が217.573mphで平均は217.819mphだった。これはあまり良くない数字で、続くウィル・パワー(チーム・ペンスキー)にすぐさま抜かれた。最終的にディクソンのグリッドは9番手となった。パワーは216.139mphのウォーム・アップ・ランから218.979mph、218.397mphでアベレージ=218.688mph。彼のグリッドは5番手になる。
カストロネヴェス、計測1周目のターン1でクラッシュ
朝のプラクティスで3番時計だったトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)は2ラップ目にこの時点までの今日の最速となる219.125mphをマークし、2ラップ平均も219mph台に乗せる219.012mphとしてトップをパワーから奪った。
その次のエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は、この時点までの最速となる217.749mphのウォーム・アップ・ラップを終え、計測1周目に入ってすぐのターン1でクラッシュ! このヴェテランがオーヴァルの予選でミスするのは珍しい。コーナー進入で二度ボトミングし、火花が見えた後にマシンはスピンに陥った。エリオは「自分のミスだった」と話したが……。
ロッシ、アタック1周目に失敗
ニューガーデンは218マイルに届かず
テキサスのポール・ウィナー、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)は10番目に登場。2ラップ目にこの時点までの最速となる219.386mphをマークし、先輩チームメイトのカナーンからトップを奪い取った。雲が出て気温が少し下がったことも味方していたかもしれない。2ラップ平均は219.369mph。キャリア2回目のPPなるか?
アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は1周目が217mph半ば。コレは明らかに不発。2周目はキンボールのベストを上回り、この時点までの最速となる219.666mphだったが、1周目が決定的に遅く、記録は218.662mph止まりで暫定4番手。最終的に彼は予選6位となる。
また強い日差しが戻って来て、ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は217mph台止まり。グリッドは14番手と結構厄介な位置に。
エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)は朝クラッシュさせたマシンの修理が間に合わず、DNQ。
パジェノー暫定首位で迎えたAA3人衆のアタックだったが
アンドレッティが不発、ハンター-レイはクラッシュ
キンボールのPPを阻止したのは、ディフェンディング・チャンピオンでタイトル防衛の可能性を残しているシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。いともアッサリと2ラップ両方を219mph台に乗せ、219.395mphでトップに立った。それでも、まだ逆転ポールの可能性は残っていた。おもしろいことに今日のアタック順はアンドレッティ勢3人が最後に並ぶものになっていたからだ。その最初が地元の期待を担うマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。ところが計測1周目が217mph台でポール獲得は叶わないことに。それで意気消沈したからでもなかろうが、2ラップ目は215mph台にダウン。マルコのグリッドは16番手に決定。
次がライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。2015年ウィナーのアタックは…………計測前に終了した。ウォーム・アップを終えるターン3でクラッシュしたので。エントリーでバランスを崩してスピンし、後ろ向きになってアウト側のセイファー・ウォールに激突。アレンタウンの病院へ陸路で搬送された(左足を負傷?? コクピットを出たがピットウォールを越えられず、足を引きずった後にセイフティ・クルーに肩を貸してもらってマーシャルのクルマに乗り込んだ)。グリッドはエリオの後ろの21番手。最後尾は予選走行ナシだったカーペンター。明日のレースは豪華メンバーが後方からの追い上げるところも楽しみとなった。
ラストアタッカー、佐藤琢磨
ウォームアップから段違いのスピード
残るは最終ランナーの佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だけとなった。コースの清掃に時間がかかったが、気温は下がらず。雲も出ず。アンドレッティ・オートスポートの3台の走りを見る限り、琢磨も1ラップ目にスピードが出せない心配があった。ところが、彼のウォーム・アップ・ラップが驚異的に速かった。218.785mph! 前に走った20台の誰よりも明らかに速いウォーム・アップだった。これは琢磨の意図したことだった。そして、そのスマートさによって彼は自身初となるスーパースピードウェイでのポール・ポジションを手に入れた。そして、意気消沈していたアンドレッティ・オートスポートに息吹を吹き込むことにもなった。
「チャンピオンシップを手にする可能性はまだ残っている
決勝用のマシンも悪くないはず」
Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
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