Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
コンディションがトリッキーであることは分かっていました」
Jack Amano(以下――)おめでとうございます! 今季2回目、キャリア7回目、ポコノでの初ポール・ポジション‼︎
佐藤琢磨:スーパースピードウェイは初めて。それも嬉しい。エリオ・カストロネヴェスとかマルコ・アンドレッティとか、普段とてもスーパースピードウェイで速い、本来なら上位に来るようなドライバーたちでも苦労をしていたので、それだけコンディションがトリッキーなのはわかっていました。チームメイトの走りは、アレックス(・ロッシ)のものしか実際には見ることができませんでした。他の2人は僕の1個前、2個前の順番だったので、僕もコクピットに入っちゃってましたからね。
「自分のクルマはこうだろう、というイメージは走行前に沸いていました」
でも、アレックスの走りを見て、思ったよりもスピードが伸びなかったのと、彼がターン1、ターン3ともに苦労をしていたので、ちょっと心配ではありました。それでも、その原因というのは少しわかっていましたし、アレックス本人が僕のところに来て、彼の言葉でフィーリングを伝えてくれました。僕も彼の走っている時にはテレメトリーを見てましたから、言葉とそれが一致していたので、そこは自信を持って“自分のクルマはこうだろう!”というのは走行前に大分イメージは湧いていました。ただ、ライアンのことは心配でした。彼と僕は非常にセットアップが似ていたので、ターン3でスピンした要因を知りたかったですね。あと、走行直前にオフィシャルが来て、ターン3のオイルを処理をしたパウダーが残っているから気をつけて”って言われたんですよ。”そういうことじゃ困るだろ。ちゃんと綺麗にしてくれないと!”って思いましたね。それが実は一番怖かったですね、どんな状況なのか……。それはウォーム・アップ・ラップで確認したかった。
「ターン1をアタックするときに自分が置かれる状況を
確実に把握したかったので、今日はウォームアップを意思的に速く走りました」
実際にアウト・ラップを行うと、グリップ感が結構ありました。ウォーム・アップ・ラップを今日は意識的に速く走ったんですよ。ターン1をアタックする時に、自分が置かれるであろう状況というのをほぼ確実に把握しているような状況にしたかったのでね。そこは多少2周目のタイヤのライフのことを考えるとマイナスになりますけど、思い切り行きました。
――それが結果的に良かったワケですよね?
佐藤琢磨:そうですね。1周目の速さという貯金もあったので、2周目にスピードが落ちてもポールを獲るに十分な速さになっていたと思います。
「ストレートスピードはすごく伸びていました」
――1周目には今日誰も出していなかった220マイル台が出ました。
佐藤琢磨:風向きも良いほうに影響していたと思います。風向きとしてはターン1が少し苦しいものになるのですが、ストレート・スピードはすごく伸びていました。今日は6速ギアは使わない予定だったのに、5速では回り切っていましたから、非常に良い感じで走れてるなっていうのは感触でわかっていました。
――ハンター-レイの事故処理をしている間に風が強まった感じでしたが、ハンドリングへの影響は?
佐藤琢磨:あまり感じなかったですね。風向きとしては午前中と同じだったので、バランスが一緒でしたから。ただ、追い風になってストレートのスピードが伸びていたので、そのスピードでターン1に入ったことがなかったから、それが怖かったですね、どこまで行けるのか。特に、エリオのアクシデントも見てたし、マルコもターン1がうまく行ってなかったので。アレックスもかなりアクセルを戻してました。通常、アレックスはそういうところは結構強いんですけどね。その3人を見て、どんだけ攻めれるのかなっていうのはちょっと不安がありました。
――追い風でターン1に入るのは難しいですよね?
佐藤琢磨:そうなんですよ。嫌ですね、スピードが乗った状態で入って行くのは。ただ、通常ターン1は回り切ってからはアンダーステアがすごく強いんですけど、今日はそこが向かい風になってるのでフロント・ウィングがクッと押さえ込んでくれて、走り易くなってました。そして、ターン3はいつもは出口がニュートラル方向なんですけど、今日はアンダーステア。全体的に外側に押されちゃって回り切るのが難しくなっていました。だから多分、ライアン(・ハンター-レイ)は進入を内側、内側に入れてアンダーを殺そうとしたんでしょうね。
「どんなレースになるのか全く分からないですが
AAは500マイルレースでコンシスタントな車を作ることに長けている」
――明日のレースはポール・ポジションからのスタートになりますが?
佐藤琢磨:ロードとかストリートだったらポールからのスタートは嬉しいというか、かなり優勝を意識しますけど、ここはどんなレースになるかまったくわからないですね。ただ、インディー500の例もありますし、純粋なスピードもさることながら、500マイルのレースをコンシスタントな速さを見せるクルマを作るというのがかなり大事なので、その点はアンドレッティ・オートスポートはすごく強いと思うし、今日のこの後のプラクティス・ファイナルでいいプラットフォームを作りたいですね。
――朝のプラクティスでのレース用セッティングは?
佐藤琢磨:できてないです。今日の朝はトラフィックを走れてなかったので。でも、マシンは悪くないと思いますよ。
(プラクティス・ファイナルにつづく)
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