2017年7月29日土曜日

2017 INDYCARレポート 第13戦 ホンダ・インディー200・アット・ミッド-オハイオ Day1 プラクティス2 :午後のセッションではライアン・ハンター-レイがトップ

2013年のミッド-オハイオウイナーのハンター-レイが午後のセッションでトップタイムをマーク!!Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大
ハンター-レイ、久々のセッショントップに

 ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がセッション・トップ。いつ以来のことだろう? 今年のインディ500でもそういう日はなかった。
 2012年チャンピオンは開幕戦セント・ピーターズバーグで4位となったものの、その後は不運が続いている。それでもシングル・フィニッシュが2回だけだった2016年に比べればかなりマシで、インディアナポリスGPとアイオワで3位フィニッシュして表彰台に上っている。


アンドレッティ勢は、今回、例年行っているミッド-オハイオのテストに参加していないが、マシンの仕上がりは4台とも順調だ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ハンター-レイ「タイムは驚くほど接近している
ミスをしている余裕はない」
 

 アイオワの次のトロントでも6位フィニッシュと上昇ムードのハンター-レイは、ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コースでのレースを心待ちにしていたのではないだろうか。というのも、ここはデビュー・イヤーの2003年に初めて表彰台に上ったゲンのいいコース。チャンプカーからインディカーへのスイッチが2007年にかなったのもミッド・オハイオでのレースからだった。チームはレイホール・レターマン・レーシング(マイク・ラニガンが経営に加わる前)。2009年にはポール・ポジションを獲得し、2013年には優勝も記録しているミッド・オハイオで、続き過ぎている不運を幸運にひっくり返したいところなのだ。
 「今日は走り出しからマシンがとても良く、そこから何箇所かを進歩させられた。先週テストに来なかったことを考えれば、去年と同じ好ペースで走り、そこからさらに前進できたのは嬉しいことだ。しかし、今後もやることはたくさんある。ライバルたちもスピードを上げて来るに違いないからだ。今日のプラクティス1のタイムを見て驚いた。全員のタイムが驚くほど接近していた。ミスをしている余裕はなく、それは明日も変わらない」とハンター-レイは話した。最速ラップの1分4秒2961はソフト・コンパウンドのレッド・タイヤ装着で記録された。

「ミッド-オハイオは走るタイミングが重要」

と2番手のニューガーデン
 

 プラクティス2もプラクティス1同様に45分間だったが、その短時間の間に雨が降った。他のカテゴリーの走行時間には一切降らなかったというのに……。多くのチームがレッド・タイヤを早めに導入したのは、レッドのデータも確実に押さえたかったからだ。雨は小降りだったがスリック・タイヤでの走りに影響を与えるのには十分で、誰も走らない時間帯と、スピードの伸びない時間帯がトータルで10分ほどあった。そうしたコンディション下で2番時計をマークしたのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)で、走行後に「ミッド・オハイオでは走るタイミングが常にポイントになる」と語っていた。彼の出した1分4秒4375(こちらもレッド・タイヤで)を、雨が降り出す直前にハンター-レイは0.1414秒上回ったからだった。雨が止んで路面が完全なドライ・コンディションに戻ってからの走行時間は短く、ほとんどのドライバーたちは雨の前の自己ベストを更新できなかった。

ニューガーデン、今回は白/ブルーのPPGのカラーリングで登場 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 「僕はPPGのカラーリングで走るのは今回が初めてだが、去年シモン・パジェノーがこのカラーで3勝しているのでレースを楽しみにしている。今日の僕らはプラクティス1からスピードがあった。明日の予選でもベストのタイミングを計り、そこで走ってタイムを出すことが求められる。今年の僕はストリートとロードコースの予選で好成績を残していない。少なくともポール・ポジションを獲れていない。それは僕が今も、今年から加わっているチーム・ペンスキーの考え方、やり方を学んでいる最中だからだ」とニューガーデンは語った。

ミッド-オハイオ5勝のディクソン、プラクティス2で着実にタイムアップ
 3番手は1分4秒4910のベストだったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。ミッド・オハイオ5勝の実力者はプラクティス1は9番手と控え目なポジションだったが、プラクティス2でキッチリとトップ3に入って来た。



ミッド-オハイオといえばこの人、ディクソン。午後のセッションではキッチリとタイムをあげてきた Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大

  4番手はプラクティス1トップだったパジェノー(チーム・ペンスキー)。5番手はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)で、6番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。7番手はプラクティス1で3番手だったマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。ここまでがトップからコンマ5秒以内だった。マルコが2セッション続けて好調なのも珍しい。
 8番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。9番手はエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)で、10番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。そして、11番手が佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だった。

佐藤琢磨「今、チーム4台はどれぞれ違うことをトライしています」

 
1ターンを攻める琢磨 Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大

 琢磨は2セッション連続でチーム内の最下位だったが、ニューガーデンの言う通りに走るタイミングが悪かっただけだった。レッド・タイヤで一番タイムが出せるタイミングで雨が降って来たからだ。琢磨はセッション終盤、レッドで2周続けて好タイムをマークしており、二種類のタイヤのフィーリング・チェックも行え、今日の走行には概ね満足している様子だった。

オートグラフセッションに現れたダースベイダーとともに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 「雨の前後で路面コンディションは変わっていました。ここは本当にあっという間に変わっちゃいますからね。今回も走り始めは4秒、5秒落ちで始まって、すぐにラップ・タイムが上がって行った。なんなんでしょうね? 雨が降るとわかっていたので、みんな早めにレッド・タイヤで走り出していました。自分たちはちょうどタイムが出始めたところで雨になったので、ちょっとだけだけれど影響を受けました。でも、僕らとしてはレッドでのマシンのバランスを確認することが大事で、それができたので気にしてないです。最後にそこそこのタイムを続けて出すこともできました。ライアンがトップ・タイムだったし、彼のセッティングがどうなっているのかを知るのは楽しみですね。今、4台はそれぞれ違うことをトライしていますが、そんなにお互いに大きく離れたセッティングになっていることはないと思います」と琢磨は話した。
以上

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