2017年7月30日日曜日

2017 INDYCARレポート 第13戦 ホンダ・インディー200・アット・ミッド-オハイオ Day2 予選:ウィル・パワー、今季5回目のPP獲得!佐藤琢磨は予選3位!!

プラクティスではなりを潜めていたパワーだったが、ファスト6で他を圧倒 Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大
パワー、路面温度が上がった予選でイッキにブレイク
 予選の前までに3回のプラクティスが行われたが、チーム・ペンスキー勢で最も“乗れていない”印象だったのがウィル・パワーだった。土曜日午前中のプラクティス3ではコース・オフもあって19番手という後方に埋もれていた。ポイント・スタンディング5番手。まだまだ逆転チャンピオンの目があるというのに、こんなことで大丈夫か? といった感じを受けていたが、近頃の彼は結構効率のいい戦い方を見せたりする。マイケル・アンドレッティの現役時代と同じく、全セッション最速を重ねてレースもポール・トゥ・フィニッシュが理想……というフィロソフィーは手放したということなのかもしれない。2014年チャンピオンは、今日の予選で持てる力をベストのタイミングで炸裂させた。午前中のプラクティス3より路面温度が15℃も上がっていQ3で最高のパフォーマンスを発揮したのだ。Q1は3番手、 Q2も4番手と目立たない存在としてクリアし、ユーズド・レッドで臨んだQ3で1分4秒1720という強烈なラップ・タイムをマーク、今季5度目のポール・ポジションをその手に収めたのだった。

ミッド-オハイオ優勝に並々ならぬ執念のパワー
「チームとしてPP獲得を強く意識していた」


 「オーバーテイクの難しいコースだけにポール・ポジションはいいスタート位置だ。トロントでポイントを稼ぎ損ねただけに、このポールの1点は是非とも欲しかった。マシン・セッティングのバランスを出すのに苦労をして来ていたが、予選でのマシンはとても良かった。今年もインディカー・シリーズのバトルは激しく、ミスは許されない。予選では最初の2セグメントを必ずクリアするよう集中し、ファスト6に入ることができたら、そこで自分に何ができるのかを考え、全力を投入するようにしている。ミスを冒さないことを大きな目標に掲げている。ミッド・オハイオで優勝することをずっと目指して来ている自分としては、PP獲得で目標達成のチャンスを得たと感じている。チームとしてPP獲得を強く意識していた。それが実現できてとても嬉しい。レース用のマシンも戦闘力は高いとの自信を持っている」とパワーはコメントした。

フロント・ロウのニューガーデン
「僕らのマシンはレースではかなり強いと思う」



Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大
 予選2位はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。トロントでは予選に失敗、ファイナルに進めず7位だったが、今回はファイアストン・ファスト6で戦ってフロント・ロウ・グリッドを獲得した。代わりに先輩チームメイトの昨年度チャンピオンのシモン・パジェノーがQ2で7位に甘んじ、ファイナルに進めなかった。
 「2番グリッドからのスタートなら最高だ。僕らのマシンはレースでかなり強いと思う。今週は予選で力を発揮するためには何をすべきなのかをずっと考えて来ていたが、そうした戦い方が実現できた。その点は嬉しい。チームメイトたちに比べ、僕は予選でのパフォーマンスが低いが、エンジニアたちとじっくり話し合い、どのタイミングで、どのタイヤを使って何周を走り、どんなタイムを出して……といった計画を綿密に立てて予選を戦った。チームメイトたちが常に行っていることだ。それが自分も毎回行なえるようにと頑張り、今日はそれができていたと思う。今シーズン中にポール獲得ができたら嬉しい」とニューガーデンは語った。

ホンダ勢トップは3番手の佐藤琢磨
「チームワークが発揮され、いい予選でした」


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  インディー500ウィナーの佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)はホンダ・インディ200の予選でホンダ勢トップとなる予選3位となった。ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コースでの予選でここまでの好パフォーマンスを見せるのは久しぶりだ。デビュー・イヤーに同じく3位になっているが、それ以降は9位がベストとミッド・オハイオの予選では厳しい戦いが続いて来ていた。
 「いい予選でした。チームワークが発揮されていました。4台の協力ぶりが素晴らしかった。プラクティスからマシンを向上させ、予選でベストの状態を作り上げることができた。マシンはとても良いものに仕上がっていました。ついに僕らのチームは好いセッティングというものを掴んだのだと思います。3番グリッドならハッピーです。いいポジションからレースに臨めます」と琢磨は喜んでいた。

Q2でファステストを記録するも予選4位のレイホール
「チャンピオンシップのため、ここからはとにかく勝つしかない」


 

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、Q2で今年の予選でのファステスト・ラップとなる1分4秒0828をマーク。しかし、ファイナル・ステージ=Q3では1分4秒7959がベストで予選結果は4位。彼は明日、琢磨と並んでグリッド2列目からレースのスタートを切る。地元コースでの2勝目はなるか? レイホール二世は、「予選4位は嬉しいけれど、ポール・ポジションを獲得したいところだった。ファイナルのベストのラップでミスを冒してしまった。それがなかった場合にどこまでのタイムを出せていたかはわからないが、2位になれていたかもしれないし、ポールだったかもしれない。少なくとも4位よりは良かった。その点はガッカリしている。レース用マシンの仕上がりも良いはずなので、明日は4番グリッドからミッド・オハイオ2勝目を狙うよ。チャンピオンシップを獲得するには、もうここからのレースでとにかく勝ち星を挙げるしかないんだ」と意気込みを見せていた。

ランキング2番手のカストロネヴェスと
ポイントリーダーのディクソンがグリッド3列目に


Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 予選5位はポイント・スタンディング2番手につけているエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)で、ミッド・オハイオ5勝、そして現ポイント・リーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)はファイナルに進んだものの、その中では最下位の6位となった。
 アンドレッティ・オートスポートのアレクサンダー・ロッシとライアン・ハンター-レイは、プラクティスで好調ぶりを示していたが、予選ではQ2での敗退。9、10番グリッドから明日のレースはスタートする。マルコ・アンドレッティは予選14位だった。

Q2敗退のパジェノー、予選7番手からのレースで挽回を期す

 ミッド・オハイオのレースに初めて出場するルーキーのエステバン・グティエレス(デイル・コイン・レーシング)は先週、チームメイトで同じくルーキーのエディー・ジョーンズとここでテストを行った。その成果があり、グティエレスはQ2への進出を果たした。Q2での成績は最下位だったが、12番グリッドを手に入れた。
 ポイントで3番手につけるディフェンディング・チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は、「ファイナルに進めなかったのには少々驚いている。いいラップを記録できたと思ったんだんだけれど、僅かに足りなかった。全部を出し切ったのに……。まぁ、これもレースということだ。インディーカーならではの競争の激しさだ。100分の1秒を僕らは競い合っている。レース用マシンは良いはずなので、7番手からどんな戦いができるか、楽しみにしたい」と語った。前戦トロントでは予選7位だったドライーが優勝したが…………??

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