2017年7月9日日曜日

2017 INDYCARレポート 第11戦アイオワ・コーン300 Day1 予選:ファイナル・アタッカーのウィル・パワーがポール・ポジション獲得

チームメイトからのフィードバックを得て、最終アタッカーのパワーがPP獲得!Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
第1アタッカーのパジェノー思わぬ失速!
ディクソン、ニューガーデンも全くスピードを出せず!!

 午後2時、アイオワ・スピードウェイの気温は28℃だった。朝のプラクティス終了時点と比べ、気温は2℃しかアップしなかった。しかし、強い日差しが照り続けたことで路面温度は44℃から51℃へと上昇していた。
 最初のアタッカーはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。しかし、朝のプラクティスで184.401mphを出していた彼の2ラップ連続アタックは平均時速181.137mphと驚きの結果になった。


アイオワ初日は、プラクティスから予選までさんざんといった状況のディクソン Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 2番目に走ったポイント・リーダー、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)も180.302mphとまったく振るわなかった。さらに、朝のプラクティスでトップだったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)も180.343mph。ARCAのストックカーとインディー・ライツのプラクティスが行なわれ、路面のグリップが予想していた以上に低くなっていたのだ。最終的にパジェノーの予選順位は11位、ニューガーデンは16位、ディクソンは17位となった。
ところが、路面グリップは急速に回復
ヒルデブランドがトップに浮上!

 路面の影響を強く受けたのは彼ら3人ぐらいで、その後はグリップの低さが解消され、各チームの調整も功を奏してかスピードが上って行った。5番目に走ったルーキー、エド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング)は182.2990mph平均を出してトップに立ったほどだった。





ヒルデブランドとカーペンターがそれぞれ予選2位、4位につける。カーペンターはアイオワで2勝している Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 ジョーンズをトップから引き摺り下ろしたのはミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)=182.454mph。それをJR・ヒルデブランド(エド・カーペンター・レーシング= ECR)が183.811mphですぐに上回ってトップに立った。その次のエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は1周目が184.623mphと、その時点まででの最速ラップを記録したが、2ラップ目が182mph台に落ちてポジションもヒルデブランドの後ろの2番手となった。
 

ファイナル・アタッカーのパワー、圧倒的タイムで逆転PP
 ヒルデブランドからの情報も得て走ったエド・カーペンターだったが、結果は183.503mphと惜しくも届かず。ヒルデブランドのキャリア初PPがなるかと思われたが、最後の最後に大逆転が待っていた。しかも、それはヒルデブランドにとって少々ショッキングなものとなった。ファイナル・アタッカーのウィル・パワーは計測1ラップ目に今日の最速となる185.041mphを記録し、2ラップ目はそれより更に速い185.379mphをマーク。平均185.210mphと2位以下の大きく差をつけてのPP獲得を果たしたからだ。これはパワーにとってアイオワでの2回目(初は2010年)、今シーズン4回め、通算48回目のPPとなった。




唯一、平均185mphをクリアしてパワーはポールポジション獲得 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 「最後に走るクジを引いていて良かった。今日の予選は最初、路面がすごく滑り易い状態になっていたようだ。僕はチームメイトたちから良いフィードバックをもらえていた。マシンのセッティングを変更することができた。その結果、マシンはとても安定していた。明日のレースが楽しみだ。トラフィックの中で延々と戦う難しいレースとなりそうだ。しかし、それこそがエキサイティングでおもしろいレースだ思う」とパワーは話した。

カストロネヴェス、カーペンターが3,4番手につけ、シボレーがトップ4独占!
 予選2位はヒルデブランド。ポールは逃したが、予選の自己ベストを更新した。これまでのベストは今年のフェニックスでの3位だったのだ。
 予選3位はカストロネヴェスで、予選4位はカーペンター。ペンスキーとECRがフロント2列のグリッドを分け合った。そして、シボレーによるトップ4独占も達成された。

15番目に走行した佐藤琢磨、ホンダ勢トップの予選5番手に!
 

プラクティスでは下位に沈んだが、佐藤琢磨は予選ホンダ勢トップに浮上した Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  ホンダ勢トップの予選5位は、今年のインディ500ウィナー=佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だった。朝のプラクティスでアンドレッティ・オートスポート勢トップの5番手につけたマルコ・アンドレッティが7番目に走って171.710mphという絶望的な数字に終わり、8番目に走ったアレクサンダー・ロッシも181mph台だったが、15番目のアタッカーとしてコース・インした琢磨は1ラップ目に182.539mphを出し、2ラップ目は182.768mphへとアップ。2ラップ平均182.653mphで走行終了時点での3番手につけた。最終的に琢磨の順位は5位となった。ライアン・ハンター-レイはパワーの前の20番目のアタックだったが、結果は15位だった。

 予選6位はアレシン。7位はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。8位はジョーンズで、9位はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。そして、10位はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。トップ4を奪われたホンダ勢だが、トップ10の残り6グリッドは彼らが獲得した。

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