2017年6月25日日曜日

2017 INDYCARレポート 第10戦 コーラー・グランプリ・アット・ロードアメリカ Day2 予選:エリオ・カストロネヴェスが50回目のPP! 予選でもペンスキー勢が1-2-3-4!!

ポール・ポジション通算50回の快挙達成を喜ぶカストロネヴェス。ベテランらしい予選タクティクスが見事にはまった Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 
42歳カストロネヴェス、ボビー・アンサーを抜きPP回数歴代3位に!

 昨日のプラクティス2でトップ4スポットをスウィープしたチーム・ペンスキーは、日付が変わった今日も変わらぬ強さでプラクティス3の上位4ポジションを独占。そして、気温20〜21℃、路面36〜40℃というコンディションで行なわれた予選でも1-2-3-4を達成した。そのトップに立ったのがチームの最年長ドライバー、42歳のエリオ・カストロネヴェスだった。1998年にインディーカー・シリーズにデビューした彼は今年が20シーズン目だが、今日、自身にとって50回目となるポール・ポジションを獲得した。ボビー・アンサーを抜き、マリオ・アンドレッティの67回、AJ・フォイトの53回に続く歴代単独3位につけるPP獲得回数だ。また、今日のPPは今シーズン3回目で、チームメイトのウィル・パワーと並び現時点でのシーズン最多PPとなってもいる。明日、カストロネヴェスは2014年のデトロイト/レース2以来となる優勝を目指して走る。それは彼にとって通算30勝目となる。

Q1、Q2のアタックラップを絞る作戦でファスト6に全力を投入!


Photo:INDYCAR (Mike Harding)クリックして拡大
 全長が4.014マイルと長いロード・アメリカでの予選では普段以上に高い集中力が求められる。アタック可能な周回数が少なく、ミスを犯せば挽回のチャンスはほとんど与えられないからだ。そこでカストロネヴェスは各セグメントでの周回数を大胆に絞り、全力投入した。Q1はレッド・タイヤで1周しか走らずに2番手でクリア。Q2もアタックは2周だけで、1分41秒8260をマークしてトップでファイナル・ステージへと進んだ。
 Q2の2~4番手にはジョセフ・ニューガーデン、ウィル・パワー、シモン・パジェノーとペンスキーのチームメイト達が並んでいた。ファイアストン・ファスト6の残り2席はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)とグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がQ2の5、6番手につけて獲得した。この中にはフレッシュ・レッドをファイナルに残せていたドライバーが3人もいた。カストロネヴェス、パワー、パジェノーだ。いずれもペンスキーのドライバー。彼らはロード・アメリカでの週末を完全にコントロール下に置いている。

PPのカストロネヴェスと2位パワーとの差、わずか0秒0604

 ファイナルでのカストロネヴェスは、やはりアタックを2周だけ行った。そして、1分41秒3007をマーク。トップにいたパワーを押し出してPP獲得を果たした。2位となったパワーは1分41秒3611がベストで、2人の差は0.0604秒しかなかった。
 3位はトップから0.3601秒差の1分41秒6608だったニューガーデン。4位は1分42秒0385のパジェノーだった。

ホンダ勢最上位はディクソン
レイホールはタイヤ温存のためファスト6をブラックで走行


 

タイヤ温存の作戦に出たレイホール。決勝でのペンスキー勢打倒に懸ける Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 

 Q2で0,0602秒という僅差で7番手となって惜しくもファイナルを逃したのはマックス・チルトン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。8番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)だった。アンドレッティ二世と6番手だったレイホール二世の差も0.1660秒という小ささだった。
 ホンダ・ドライバーによる5位争いは、ディクソンが1分42秒9308で制した。レイホールはファイナルをブラック・タイヤで走った。新たに登場したレッド・タイヤ温存作戦だ。 ペンスキーの4人が速く3列目グリッドからのスタートはほぼ確定だったことから、明日のレースを戦い易くするためにアタックを2周ずつしかしていない2セットのレッド・タイヤをさらに酷使しないこととしたのだ。
 佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)はQ1グループ2で1分43秒4111をマーク。グループ内10位で総合順位は20位となった。アンドレッティ・オートスポートはマルコ・アンドレッティが8位と奮闘したが、ライアン・ハンター-レイは12位、アレクサンダー・ロッシは15位だった。

「最高のラップだった」と喜ぶカストロネヴェス
パワーは脱帽「彼はワインのように年齢とともに成熟している」

 カストロネベスは、「最高のラップだった。今日はマシンが本当に素晴らしかった。ファンタスティックだった。ウィルとシモンもニュー・タイヤを持っていたから、彼らとの勝負になると考えていた。思いっきりアタックした。1ラップ目もまずまずだったが、2ラップ目は本当に失うものはない! と思いっ切り行った。高速のキャルーセル・コーナーでは、もし飛び出したら、かなり派手なことになるなと思ったが、マシンはガッチリ路面を掴んでおり、50回目のPP獲得がなった」と語った。


Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  今年4回目のPPを惜しくも逃したパワーは、「フロント・ロウからスタートできるんだからハッピーだが、100分の6秒差で年寄りにやっつけられるとは思わなかったよ。彼は年齢とともに速くなっている。ワインみたいな感じか。成熟している。ここでのレースでは上位のグリッドからスタートすることが大事。明日は面白い戦いになりそうだ。全行程がグリーンだったら、燃費セーブも大変なレースとなるだろう」と話した。

20番手にとどまった佐藤琢磨
「明日のウォーム・アップでまた違うトライをします」

 

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  琢磨は、「プラクティス3から予選に向けてさらにマシン・セッティングを変更しました。それでもマシンはあまり良くなっていなかったし、アタック・ラップを自分としてもうまくまとめ上げることができませんでした。テストを行い、そこから得られた情報を元に色々と4台で試して来ていますが、マルコ・アンドレッティ以外は上位に食い込むことができませんでした。明日のウォーム・アップ・セッションでまた違うトライを行います。その上でレースに向けてのことは決定します」と苦しい状況を話した。

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