Jack Amano(以下ーー):今日(金曜日)は予選シミュレーションばっかり、ということで、3、4回やれていましたね?
佐藤琢磨:3回ですね。
ーー最後は平均が230mph台に乗っていた。
佐藤琢磨:はい、230mphが全ラップで出てましたね。
ーー乗っていても、とても良い感じでしたか?
佐藤琢磨:良くなってきましたね。そこに至るまで、チームメイトの走行データをしっかりと反映させていたので、割と期待値どおりでした。逆に、そこにヘンなサプライズは無い方がありがたいんですよね。スピードは速い分には予選だったら勿論いいんだけれども、逆にターゲットにしていたところどおりにクルマができ上がってきたので、エンジニアとしてはクォリティーの高いデータが採れたと思うし、僕自身も明日の予選に向けて、非常に心強い材料というか、安心材料になりましたね。
ーー今日のコンディションは、風は昨日より弱かったのですが、依然として吹いていたし、湿度も高かったり、どうだったんでしょう?
佐藤琢磨:今日は風向きが、これまでの4日間と180度違いましたから、ちょっと最初はやっぱり様子を見ながら走りましたけども、特に3回目のシミュレーション、あれは雨の降った後、前のシミュレーションから2~3時間経っていて、風向きがまた45度ぐらい変わっていました。ある意味で、今日はインディイーで有り得るすべての、3方向からの風向きで走れたっていうのは、すごくいい準備になったかな、と思います。
ーー昨日から雨の予報は出てましたが、中断があってストレスになる…………とかはありましたか?
佐藤琢磨:はい。そうですね。今日はもう早朝から雷が鳴って、雨降ってましたよね。でも、ほぼ天気予報の通りだったし、むしろお昼の時点で割と、1時間近く、時間があって、チーム全体として2回、3回のシミュレーションができたので、そこが大きかったと思いますね。あそこで一気に集めたデータを雨が降っている間にシッカリとおさらいをして、夕方の走行に繋げられたと思います。
ーー今日の感じだと明日、トップ9に入れそうですね。明日、チーム・ペンスキーやチップ・ガナッシ・レーシング・チームズがどんなスピードを出して来るか?
佐藤琢磨:どうなるかわからないですけど、やっぱり最初のアテンプトでトップ9に入りたいですよね。今日の僕はノー・トウで8番手ですから、トップ9に入っていましたよね。だから、チームでいうとノー・トウでは1、3、5、8、11番手のスピードが出ていたので、すごく全体としてはレベルが上がって来ていますね。カナーンが4番手、ディクソンが6番手とガナッシ勢もノン・トウで速かったですよね。そういう意味ではガナッシの4台も競争力を上げて来ると思いますから、油断はできないし、勿論しないですけども、今日走ったデータをキッチリとまとめて、明日のコンディションに合わせ込むっていうのが大事だと思いますね。
ーー雨が降って路面は変化しましたか?
佐藤琢磨:それは感じなかったです。それより路面温度が上がって多少のグリップの低下がありました。もうライン上には十分にラバーが乗っています。雨上がりの一番手とかは嫌ですけど、10台ぐらいが走行してくれれば元に戻っている感じでした。
ーー最後のイエローの前、ウィングレットを外していましたが、まだスピードの伸びしろが残されているってことですか?
佐藤琢磨:残してますね。まだ僕らは完全にトリムしているワケじゃないんです。そこに行くまでの準備を今日はしていました。例えば、ウィング・レットをふたつ取っても、メインウィングの傾角を結構つけているんですよ。それでフロントウィングでどう合わせ込むかっていうのを今日シミュレートできれば、実際、明日あるいは明後日のコンディションに合わせ込むことができる。それを今日は他のクルマでやっていました。28号車、98号車が両方ウィングレットを外して走りましたから、データがチームにはあります。でも、やっぱり現車合わせというか、クルマ毎に違うんですよね、ちょっとずつ。ここで話しているレベルというのは0.05度とか。そのぐらいの違いでバランスが取れたり取れなかったりする世界なので、自分たちのマシンで要は二重の確認をしたかったと。で、最後にもう1回シミュレーション・ランをやるつもりだったんですけど、「土曜か日曜のプラクティスでやろう」ってことになりました。別に、他のクルマがクラッシュ(ルーキーのザック・ヴィーチ)がクラッシュしたからとかじゃなくて、自分たちのクルマをガレージに持ち帰って、データを改めて分析してからやりたい、やった方がいいだろうっていう判断でした。
ーーこの予選システムになってからセカンド・アテンプトってやっていないですよね? エンジンの残りマイレッジ、タイヤの残りセット数は十分ですか?
佐藤琢磨:それはキッチリとホンダさんが計算してくれているので。逆に言うと、今日は40周しか走れないっていう制限がかかっていました。明日、明後日のアテンプト数、プラクティスでは制限ていういのはないです。
ーータイヤも心配せずに何度でもアタックできる?
佐藤琢磨:まぁ、そうですね。とは言っても、3回も4回もアタックする、イコール1回目からクルマができ上がってないっていうことなので、おそらく、やっても2回のアテンプトだと思います。でも、できれば1回目のトップ9に入りたいな、と。やっぱり嫌だものね、予選は。ホンッとに。早く終わらせたいです。怖いもん。
ーーこの5日間の満足度、マシンの仕上がり度を自己評価すると?
佐藤琢磨:絶対に100パーセント満足って、この世界にはないと思うんですけど、まぁここまで、一昨日は強風というコンディションで走れず、今日も雨で多少の制限がかかりました。そういうのはありましたけど、その中では非常にプログラムが進んでいて、クルマのでき具合なんかも100パーセント満足ではないです。まだフル・トリムではやっていないので。でも、このマシン・セッティングの段階と、マシンのフィーリングの両方が非常にバランス良く進んでいます。大きなサプライズもなく、すごくいい感じで進んでいると思います。
明日の朝は8時からと非常に早い時間帯のプラクティスなので、気温がすごく違うでしょう? だから、そこだけ間違えないでキッチリとクルマができて、
自信がしかりできれば、予選はフル・トリムでアタックができると思います。
ーーでは、あとは良いクジ運を祈っています。
佐藤琢磨:あ、そうだ。今ちょうどクジでのアタック順決めをまさにやってるところですね。
以上
琢磨さん今年こそ期待してます。
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