2017年5月17日水曜日

2017 INDYCARレポート 第101回インディアナポリス500 5月16日 Day2 プラクティス2:プラクティス2日目はウィル・パワーがトップ

2日目はパワーがトップ。シボレー勢が1-2-3と巻き返した Photo:INDYCAR (Matt Fraver) クリックして拡大 
走行2日目はシボレー勢が1-2-3

 去年のインディー500のプラクティスを振り返ると、走行初日はホンダの1-2-3で、火曜は雨。水曜にホンダは1-2を取り、木曜は1-2-3だった。ドラフティングの恩恵をどれだけ受けたかがスピードに大きく影響するのは事実で、日々のスピードに拘泥するのは愚かとも言えるが、ドラフティングには遅いマシンを速くしてしまうほどの効果はない。プラクティスで速いのは、マシンに元々のスピードがあるということだ。


 走行2日目の今日はシボレー勢が1-2-3だった。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が224.656mphでトップで、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が2番手=224.287mph。去年からの1年間で何かスピード・アップのヒントを見つけたのか、ペンスキー・ドライバーたちが2日目は1-2だった。イルモアがロー・ブーストのシェヴィーV6のパワー・アップを実現して来ているのかもしれない。3番手は新興チームのハーディング・レーシングでスポット参戦するギャビー・シャヴェス。デイル・コイン・レーシングから出場した第100回インディ500でも速さを見せていた彼は、去年佐藤琢磨をAJ・フォイト・エンタープライゼスで担当していたマット・カリーをエンジニアにつけている。

パワー「セッティングを良くすべく地道に作業を続けるだけ」





Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)

 パワーは走行後、「1日を通してマシンは速かった。昨日よりセッティングが向上していた。ドラフティングなしでのスピードが良くなっていたし、トラフィックでもマシンは安定していた。まだ予選までには時間がある。セッティングを良くすべく地道に作業を続けるだけだ。コンディションは変わり続け、マシンは良くなったり悪くなったりを繰り返す。それに惑わされないことが肝心なんだ」と話していた。
 4番手がホンダ勢トップのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。5番手はスポット参戦のセイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)。トップ5にホンダは1台だけで、トップ10で見てもシボレー7台、ホンダ3台と昨日と立場はほぼ逆転していた。

6番手につけた佐藤琢磨

「相変わらずマシンはいい。順調だと思います」
 去年はハイ・ブーストで走るファスト・フライデイになって初めてシボレーの1-2がなった。しかし、予選初日にポールポジションを争う権利が与えられるトップ9が決定すると、そのメンバーはホンダ5名、シボレー4名とホンダが優勢を取り戻し、予選2日目にジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がポールポジションを獲得。予選2位はジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)だったが、3位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とフロント・ロウはホンダ-シボレー-ホンダの順だった。2列目がホンダ-ホンダ-シボレー、3列目がホンダ-シボレー-シボレー。2日間に渡った予選の両日でホンダは優位を保ち続けた。ただ、その差は非常に小さく、コンディションの読みなどで立場が逆転する可能性は十分にあった。
 今日は快晴、高気温(ずっと30℃)、そして厄介な強風……というコンディデョン。無理をせずに……と考えるチームもあっただろう。
 佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は106周を走り込み、6番手につける223.556mphを11周目にマークした。今日もアンドレッティ・オートスポートは4台かそれ以上でのグループ・ランを実施。琢磨ももちろんそれに参加し、トラフィックでのマシンのチューニングに努めていた。
 「相変わらずマシンはいいですね。順調だと思います。ただ、今日の前半のマシンは良かったけれど、夕方はそうでもなかった。色々試していますからね。周回数も多くをこなしています。それでもほんの少し予定より遅れています。チームメイトたちがそれぞれが少しずつ違うセッティングをトライしているので、走行後に情報交換を行ない、それぞれのプログラムを修正して行くようにしています」と6カー・チームで走るインディー500で充実した時間を過ごしていることを琢磨は語った。

アロンソ、2日目は117周を走行
「チームメイトたちは驚くほど僕を助けてくれる」


 ルーキーのフェルナンド・アロンソ(アンドレッティ・オートスポート)も今日はチームのグループ・ランに加わり、少々イン側のラインを踏んだり、跨いだりするケースが他のドライバーたちより多いものの、トラフィックでの経験値を積み上げて行った。アロンソのベスト・ラップは221.029mphで24番手だったが、レース用セッティングで大きなドラフティング効果を得なければ、スピードはそれぐらい。昨日最速だったマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)も今日は221.011mphがベストでポジションはアロンソのすぐ後ろの25番手だった。
 

走行2日目、アロンソは集団走もこなしつつある Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 アロンソは、「今日も良かった。とても良かったと言うべきか。117周も走れたし、収穫は多かった。グループでの走行にも参加できた。一晩寝たら、明日はまた一段レベルの高いオーバル・ドライバーになれていることと思う。トラフィック内でのマシンは予想していた通りのフィーリングだった。インディでは前のマシンにかなり接近した状態を保つことが必要だが、それを学ぶのにベストのチームで僕は走っていると感じた。何しろ6台もを走らせているチームで、一緒にコースを周回することができる。チームメイトたちは驚くほど僕を助けてくれている。みんながグループでの走行に僕が最初に加わった時には気を使ってくれているのがわかった。僕としては、すべてのラップで何かしらを学んでいた。一緒に走っているチームメイトたちが何をしているのかを見て、彼らがどんなラインで次のコーナーにアタックするのかを観察していた。そして、彼らがどのようにオーバーテイクに向けた準備をするのか、とても参考になった」とコメントしていた。

フンコス・レーシング、インディー500初参戦
 

フンコス・レーシングから今年のインディーに参戦しているサーヴェドラ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
*今年のインディ500にはフンコス・レーシングとハーディング・レーシング、ふたつの初見参チームがエントリーしている。インディー・ライツやプロ・マツダでタイトルを獲得して来ているフンコス・レーシングは、2018年からインディーカー・シリーズへのフル参戦を計画している。その彼らが初めてのインディー500挑戦を行うにあたり、選んだインディ500で走ったことのあるドライバー、スペンサー・ピゴットとセバスチャン・サーヴェドラの二人となった。インディー・ライツを戦っている若手の起用は見送った。今年のインディー500はスポット参戦となる彼らだが、来年を見据えて強力なエンジニア体制を用意して来た。サーヴェドラ担当はパンサー・レーシングでチーフ・エンジニアを務めていたデイヴィッド・クリップス。ピゴット担当はパトリック・レーシング、ウォーカー・レーシングなどで活躍し、ブライアン・ハータとチームの共同経営なども経験して来たスティーヴ・ニューウェイだ。いずれも有力チームでテクニカル・ディレクターを任せられてもおかしくないキャリアの持ち主だが、フンコスはトム・ブラウンという元チーム・ペンスキーのエンジニアをテクニカル・ディレクターとして起用している。

カリスマ・エンジニア、アンディ・ブラウンがスポットでインディカー復帰

*スーパー・エンジニアといえば、マーチ・エンジニアリング出身、パンサー・レーシングでサム・ホーニッシュJr.をタイトルにつ着け、チップ・ガナッシ・レーシング・チームズではダン・ウェルドンを担当するなどしたアンディ・ブラウンも今年のインディー500のみでの現役復帰を果たしている。働き先はAJ・フォイト・エンタープライゼスで、ルーキーのザック・ヴィーチを受け持っている。

ラジア、カーナンバーを44に変更。しかし今日もコースに姿を見せず

*バディ・ラジアがカー・ナンバーを49から44に変更。そんなニュースは流れて来たが、プラクティス2日目も96年ウィナーはコースを走らなかった。エントリーが33台だからバンプアウトの心配はない。決勝をチョロッと走って賞金20万ドル・プラス……って、羨ましいけど、何か残念でもある。

2 件のコメント:

  1. アロンソのコメントがなんだか良い感じですね~^^

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  2. インディ ジョーンズ2017年5月18日 22:13

    出場しただけで20マンドル貰えるとはバディラジアなんか出てくるな、真剣に戦ってるドライバーに失礼だろ

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