2017年4月30日日曜日

2017 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R4 デザート・ダイアモンド・ウエスト・ヴァレー・フェニックス・グランプリ Day1 その1:「最終的にはそこそこのペースで走れたので、予選シミュレーションには程遠いですけど、一応の確認はできました」

プラクティスで十分な周回が重ねられず
AA勢のショート・オーバルの苦境は続く


 2時間の長さ、しかし予選前唯一のプラクティスで佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は59周を走った。最多ラップはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の79周で、その他のペンスキー勢も多くのラップをこなしていた。セッション・トップだったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)と3番時計だったエリオ・カストロネヴェスが69周、シモン・パジェノーは71周を走った。2月の合同テストで1-2だったエド・カーペンター・レーシング( ECR)は、JR・ヒルデブランドが56周を走って2番手につけたが、オーナー兼ドライバーのエド・カーペンターはトラブルにより17周しか走れず.
レースに向けた準備で明らかな差がついた。


  アンドレッティ・オートスポートはというと、トップと0.4739秒差の11番手につけたライアン・ハンター-レイが60周。同じく0.6703秒差で15番手だったアレクサンダー・ロッシが50周で、マルコ・アンドレッティはエンジンが不調をきたして24周のみだった。合同テストでも3、4、5、8位につけていたペンスキー勢は、このプラクティスで予選、決勝の双方に向けたプログラムをキッチリこなしたということだ。合同テストで12、14、16、21番手だったアンドレッティ・オートスポートのプラクティスでのトータル周回数は、ペンスキーの288周より遥かに少ない193周回。ショート・オーバルでの厳しい状況から抜け出すにはまだ時間がかかりそうだ。

「こんなコンディションでは違いがほとんど分からない」

Jack Amano(以下――):風が強くて大変なセッションでした。

佐藤琢磨:危ないぐらいでしたね。

――計画していたプログラムはどのぐらいこなせましたか?

佐藤琢磨:半分も終わってないですね。こんなコンディションでは違いがほとんどわからない。それで走らなかったことも影響してます。難しいコンディションにマシンを合わせることがまず必要で、テスト・アイテムとしてやりたかったことは、本当に三つぐらいはやれましたけど、それも、ちゃんと思っていた通りに効果を示すかなっていう感じのテストで、パフォーマンスを狙って行ったものではないような気がする。

「風邪でクルマが動くのですごく不安定。どう動くか予測が付きにくい」

――風で砂もコースに入って来ちゃってましたよね?

佐藤琢磨:そう。すごかったですね。砂が舞ってる中でコーナーに飛び込むのは本当にイヤですよね。入ってからも、クルマが風で動くのですごく不安定なんですよね。どう動くのか予想がつきにくい。

――しかも、吹く角度も変わって行ってた。

佐藤琢磨:そうでした。風もマシンの動きも読みにくかった。こういう状況ではリヤを守って行かなきゃいけないので、そうするとフロントが逃げて行く。その逃げ方も、突風が吹くとドーッとグリップがなくなるのですごく怖かったですね。合同テストの最後での思い出っていうか記憶(アクシデントのこと)があるからね、やっぱりちょっと時間がかかりましたね、ターン2でアクセル踏んで行くのは。最終的にはそこそこのペースで走れたので、予選シミュレーションには程遠いですけど、一応の確認はできました。

「そんなにトリムしないで予選に臨むと思います」

――セッションの最後は風と砂によるコンディション悪化がひどく、チェッカーが早めに出されました。この後の予選が本当に開催されるのか、コンディションによってはわからないところがありますが、予選に対する展望は?

佐藤琢磨:みんな、どれぐらいトリムして来るでしょうね。僕らはそんなにトリムしないと思いますよ。確かにこのコースは予選がとても重要なんだけど、リスクが大き過ぎると思います。

――インディーカーに来てから初めての夜の予選になりますけど?

佐藤琢磨:イヤですね。ウォーム・アップももう1周プラスしないとタイヤもちゃんと暖まらないじゃないのかな? ここのコースは短いし。気温もかなり下がるという予報です。果たしてどれぐらい行けるのか……何とも言えないですね。僕はアタック順がチームで一番最初なので、チームメイトのために少し何かを確認する仕事もやることになりますね。


 アンドレッティ・オートスポート全体として、フェニックスのショート・オーバルに対する準備が整い切っていない。それはトップ争いをしているチーム・ペンスキーとECRに対してだけでなく、同じパッケージングで戦うホンダ勢に対してさえもで、プラクティスで琢磨より後ろのポジションだったのはルーキーのエド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング)だけだった。

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