2017年4月10日月曜日

2017 INDYCAR レポート R2 トヨタ・グランプリ・オヴ・ロング・ビーチ Race Day 決勝:ヒンチクリフ、2ストップ作戦で2シーズンぶりの優勝! アンドレッティ・オートスポート勢は4台ともマシントラブルに

ヒンチクリフ、2年ぶりの優勝! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ハンター-レイ、ヒンチクリフ、2ストップ同士の白熱の戦いに
 ロング・ビーチとしては珍しい涼しいコンディションで始まったレースは、去年までよりも5周長い85周で争われ、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が優勝を飾った。予選4位だった彼はユーズド・レッドでのスタートだったが2番手までジャンプ・アップし、燃費セーブも成功させて2回のピット・ストップでゴールまで走り切った。


Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
  ブラック・タイヤで走ったセカンド・スティントは我慢の時間帯。そして、レースが終盤に入ると予選3位からトップを走ったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)にバトルを仕掛けた。セカンド・スティントを彼より1周多く走ったヒンチクリフは、ピット作業を終えるとハンター-レイの前に出ることに成功。そして、3ストップの作戦だった予選2位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)らが最後のピット・ストップに向かうとトップに躍り出た。
ヒンチクリフを追い詰めていたハンター-レイ、残り5周でトラブル



3ストップのハンター-レイ、2ストップのディクソンの争いでレースは展開。2度目のフルコースコーション発生で、戦局はハンター-レイに大きく傾いたが…… Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
 スタートで新品のレッド・タイヤを使ったハンター-レイは最後のスティントにはブラック・タイヤ装着で臨んでいた。それでも彼は逆転優勝を狙ってヒンチクリフを追い、差を縮めて見せた。ところが80周目、突然の電気系トラブルに襲われ、彼のマシンはコース上にストップした。マルコ・アンドレッティはセンサー・トラブル。アレクサンダー・ロッシと佐藤琢磨はエンジン・トラブル。アンドレッティ・オートスポートは4台全員がリタイアする厳しい週末となった。
新品レッド装着のブルデイのチャージを退け2年ぶりの優勝
 ハンター-レイがまさかの脱落をしても、ヒンチクリフの戦いは楽にはならなかった。彼に代わって2番手に浮上してきたのは開幕戦ウィナーのセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)。ロング・ビーチで3勝の実績を持つ彼は予選12位から優勝を狙える位置までポジションを上げて来ていた。しかも、ブルデイはハンター-レイとは違って新品のレッド・タイヤを装着していた。



ブルデイに祝福されるヒンチlクリフ。ホンダ勢が1-2フィニッシュ達成! Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大 
 残り3周で切られた最後のリスタートでもヒンチクリフは落ち着いており、ターン1でアタックするチャンスを与えなかった。そして、2015年のニュー・オリンズ以来となる通算5勝目のチェッカード・フラッグを受けた。開幕戦は9位だったが、この勝利でヒンチはポイント・スタンディング2位となった。
喜ぶヒンチクリフ「開幕戦に続いてマシンはとても速かった」
 1秒4940秒差の2位はブルデイで、ホンダは開幕2連勝を昨年8月のテキサス以来となる1-2フィニッシュで飾った。ホンダの2連勝は2015年8月のミド-オハイオ、ポコノ以来だ。
 「久しぶりの勝利。表彰台のトップにまた立つことができ、感激している。去年は怪我からのカムバックのシーズンだったが、何度か勝てそうなレースがあった。今年に向けてはチームが休みなく頑張って来てくれ、開幕戦に続いてマシンはとても速かった。そして、クルーたちのピットストップのスピードもあったからトップに立つことができた。この競争の激しいインディーカー・シリーズでまた勝つことができて嬉しい」とヒンチクリフは語った。


開幕戦ウィナーのブルデイ、今回も後方から追い上げる展開で2位!
ニューガーデン、ホンダ勢の一角を崩す3位表彰台


 ブルデイはスタート直後に起きたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)のアクシデントによる混乱時にマシンの戦後にダメージを負った。そのため、ピットで前後ウィングを交換し、順位は20番手まで後退。ピット・ストップ回数も3回となっていた。しかし、開幕戦の最後尾グリッドからの優勝に近い驚くべきポジション・ゲインを彼とチームは実現。開幕2ラウンドで優勝と2位という目覚ましい活躍ぶりでポイント・リーダーの座を守った。今シーズンはまだペンスキーもガナッシもアンドレッティも1勝も挙げていない。

シボレー最上位は2位のニューガーデン。ペンスキー移籍後初の表彰台だ Photo:INDYCAR (Richard Dowdy)クリックして拡大 
  3位は予選8位だったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。彼がディクソンを4位に封じ込めたことでホンダの表彰台独占は阻まれた。
 5位は最後尾スタートだったシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。しぶとい戦いぶりで彼はポイント3位につけている。
 ポール・スタートだったエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は1周目に6番手まで一挙に後退し、その後は目立った戦いぶりを見せることができずに9位フィニッシュ。パワーも1周目にアクシデントを起こしたために13位という結果しか得られなかった。

佐藤琢磨、トップ10入り目前でエンジントラブル発生
 佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は予選結果と同じ18位だった。トップ10入りを狙えるポジションで終盤戦を戦っていたが、前触れなしのエンジン・トラブルにより78周でリタイアとなったのだ。
 

粘り強い走りを見せていた琢磨だったが…… Photo:INDYCAR (Richard Dowdy)クリックして拡大
  「今日のコンディションのせいなのか、マシンはファイナル・プラクティスの時のような良い感じがありませんでした。それでも何台かをコース上でオーバーテイクできていました。残念なレースとなりましたが、次のアラバマはテストも良かったし、良い走りができることと楽しみにしています」と琢磨は話した。

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