2017年4月9日日曜日

2017 INDYCARレポート R2 トヨタ・グランプリ・オヴ・ロング・ビーチ Day2 予選:ポール・ポジションはエリオ・カストロネヴェス

3年連続でロング・ビーチの予選を制したカストロネヴェス。ポール・トゥー・ウインを飾った2001年の再現を狙う Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
Q1敗退の危機から、チームメイトを犠牲にする形で復活

 IMSAのスポーツカー・レースの後に行われた予選、3段階のバトルを戦い抜いて栄えあるポール・ポジションを獲得したのはエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)だった。
 カストロネヴェスはQ1のグループ2を5番手でクリアしたが、その際にチームメイトのシモン・パジェノーを走行妨害のペナルティでペナルティの対象にしてしまった。ウィル・パワー、パジェノー、カストロネヴェスの3人はほぼ同じタイミングでコース・イン。3人は接近し過ぎ、パワーにパジェノーが追いつく形になってスロー・ダウン。カストロネヴェスは自分がQ2に進めない危機にあったためもあったのか、妨害されたと申告し、トップ・タイムをマークしていたチームメイトを最後尾グリッドに追いやることとなったのだ。


Photo:INDYCAR (Richard Dowdy)クリックして拡大
シボレー勢唯一のファスト6進出で達成した3年連続ポール・ポジション

 ジョセフ・ニューガーデンとウィル・パワーはQ3に進出ならず。カストロネヴェスはここも5番手でなんとかクリア。ペンスキー勢、そしてシボレー・ユーザーとしても唯一人臨んだQ3で見事にトップ・タイム=1分06秒2254をマーク。Q1ではチームメイトを犠牲にする形となってしまったが、ポール・ポジション獲得でチームに貢献した。


 このPPはカストロネヴェスにとって今シーズン初。通算48個目(歴代4位)。ロング・ビーチでのPPは4回目(2001、2015、2016年に続くもの)で、2015年からの3年連続である。
 予選2位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)=1分06秒4123。トップとの差は0.1869秒と意外に大きなものとなった。開幕戦に続く予選2位。ロング・ビーチの予選結果も2年連続の2位で、まだPPは獲得したことがない。
 予選3位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)=1分06秒4401。4位はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)=1分06秒5291。5位はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)=1分06秒5595。6位はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)=1分06秒7562。

カストロネヴェス「レッドの走りは素晴らしいものになっていた。今年こそ勝ちたい」

 
 トップと6位の差も0.5308秒と予想されたよりも大きなものとなっていた。それだけカストロネヴェスのファイナル・ステージでのパフォーマンスが優れていたということだ。
 「インディーカー・シリーズのバトルは本当に凄まじい。信じられないほどだ。今日はコースのコンディション変化が大きかった。その度合いは毎回違うから難しい。今日はトラフィックも克服すべき大きな問題になっていた。アタック・ラップではコースのあらゆる場所で100分の数秒を削り取るよう努めた。今日の僕らの場合、レッド・タイヤ装着での走りがとても良いものになっていた。朝のプラクティスの時とは大きく異なる素晴らしい仕上がりになっていた。2001年にポール・ポジションから勝ったレースを思い出すよ。ここ2年ほど、あと少しのところで勝利を逃しているので、今年こそまた勝ちたいね」とカストロネヴェスは語った。

エリオのラップを讃えるディクソン「明日、ガナッシは4台とも速いだろう」

 
 ディクソンは開幕戦に続いて予選2位。「また2位なのは悔しい。しかし、今日はエリオを讃える。凄い1ラップだったよ、あれは。僕らのマシンは予想していたよりも高いグリップを得られていた。それで戸惑った後、もっと攻めても良いんだと、アタックしたラップで何度かミスを冒した。明日のレースでは僕らは力強い戦いを見せることができると思う。ガナッシは4台とも速いだろう」とディクソンはコメントした。
 ポール・ポジション最有力候補だったパワーは、予選9位。「正直なところ、ちょっとガッカリだ。いいラップをキッチリとまとめ上げることができなかった。Q1で僕の後方、シモンとエリオの間で何が起こっていたのか、僕にはわからない。最後のアタック・ラップに向けて自分の前にスペースを作っていた。Q2ではあと少し足りなかった。しかし、明日のレースに向けての戦う準備はできている。マシンは良いはずだ」と語った。

佐藤琢磨、まさかのQ1敗退
「明日のファイナル・プラクティスでマシンをさらに良くして
レースでは追い上げる戦いを見せたい」

 

 開幕戦に続いてファイナルに進む気満々だった佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だったが、まさかのQ1敗退を喫した。しかも、11人中の10番手だった。パジェノーがペナルティで最後尾となったために一つグリッドは上がったものの18番手という後方になった。
 「今日の予選結果にはがっかりしています。予選前までのプラクティスではトップ5には入れていましたからね。良いラップを完成させることができなかった。縁石に乗るアングルが良くなかったラップと、タイヤを壁に軽くヒットさせてしまったラップになっていました。しかし、僕らのマシンは良い仕上がりになっているので、明日のファイナル・プラクティスでマシンをさらに良くして、レースでは追い上げる戦いを見せたいと思います」と琢磨は話した。

パジェノー「ペナルティーは仕方ない」

 最後にパジェノー。「たまにある不運な事態、それが今日の僕らに起きた。ペナルティは仕方ない。エリオのラップを妨害しちゃったのは事実だから。少しでもスペースを確保しようとアクセルを緩めた。しかし、その時エリオがもうすぐ近くまで接近していたということだ。僕としては何もすることができなかった状態。マシンの仕上がりはとても良い。明日は最後尾スタートになるけれど、セント・ピーターズバーグでは最後尾スタートのドライバーが勝った。僕も同じことができるよう全力を尽くすよ」と話した。

以上

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