2016年5月28日土曜日

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 5月27日 カーブ・デイ:カーブ・デイ最速はトニー・カナーン! ピット・ストップ・コンセプト優勝はエリオ・カストロネヴェス

ボーグ・ワーナー・トロフィーを中心にカーブ・デイ恒例のドライバー集合写真 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
蒸し暑さの中のファイナル・プラクティス
カナーンが予選の不振を挽回

 朝には少し雨が降り、今年一番蒸し暑い中でカーブ・デイの1時間のファイナル・プラクティスが行われた。決勝用セッティングの最終確認を行う最後のチャンスなので、多くのマシンが集団を作っての走行に徹し、乱気流を浴びながらのマシンのフィーリング、スピードをチェックしていた。
 最速ラップを記録したのはトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。予選は227.430mph平均で18番手と不本意な結果しか得られなかったが、決勝用セッティングは良いものが確保できているようで、226.280mphと少し飛び抜けたラップを記録した。チームメイトのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)も224.606mphで3番手につけた。


 彼らの間の2番手にはカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)が入った。スピードは224.772mphだった。

2016年5月27日金曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月26日 メディア・デイ その2:「今年のホンダ・エンジンは純粋にパワーが上がって、パワー・バンドも広がっています。多少モディファイされたエアロの中で、最大限のパフォーマンスを引き出せたことも非常に心強いです」


Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、今年もスペシャル・カラーリングのヘルメットでインディー500に出場する。黄色と青がメインの斬新なデザインのヘルメットだ。

「チーム・メイトふたりは、いま14号車のフル・クローンですが
カーブ・デイはもう少し行けるかなというところを3台で分担してテストします」


――明日のカーブ・デイは1時間だけのプラクティスですが、多くの周回を走る意向ですか?

佐藤琢磨:ウーン……できる限り、最大限に時間を使いたいですね。最初はもちろん、クルマのチェックに使います。全部をバラして、組み上げたクルマですから、まずインスターレーション・ラップで確認して、次にはタイヤの皮剥き=スカッフィングを数セットしますから、それで結構な時間を使いますよね。その後、セッションの半分ぐらいではトラフィックの中で走っていきたい。そうだな、2~3本は集団の中で走りたいな。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月26日 メディア・デイ その1:「優秀なチームであっても、なかなかマシンを最適化するのがすごく難しい中でコンペティティブなスピードを出せたのは大きな自信に繋がっています」

Photo:Naoki Shigenobu
 今日はメディア・デイ。全ドライバーはインディアナポリス・モーター・スピードウェイの象徴ともなっているコントロール・タワー=パゴダのすぐ下のイースト・シャレーに集められ、世界中から集まった記者たちからの取材を受けた。

「カーブ・デイに備えてマシンのファイン・チューニングを施しました」 

Jack Amano(以下――):火曜、水曜と走行がありませんでした。プロモーションなどで忙しくもしていました。そうした中でもエンジニアとのやり取りをして、マシンを進歩させる努力をしているのでしょうか?

佐藤琢磨:もちろん、もちろん。毎日彼らとは連絡をとっています。実際には、火曜日の僕は早朝からカナダのトロントに行って現地のメディアに会っていて、帰ってきたのが夜だったこともあって、その日もエンジニアと話はしていないんですけどメールで情報はもらっていたし、水曜はエンジニアリングのミーティングをやって、プラクティス、予選で得たもの全部をシッカリ分析、解析をして、復習して、明日のカーブ・デイに備えてクルマに最後のファイン・チューニングをしました。

2016年5月25日水曜日

2016 INDYCAR ニュース第100回インディアナポリス500 5月24日 :ドライバーたちによるレース宣伝活動

ドライバー33人が19都市でプロモーション活動
 第100回インディー500に出場の決まった33人のドライバーたちは、近場からカナダのトロントまで19の都市をレースのプロモーション活動で訪れる。昨日まで丸1週間ぶっ通しでプラクティスと予選をやって来たというのに、ハードなスケジュールだ。この宣伝活動は2011年から行われてきている。最初の頃は全員でニュー・ヨークに飛び、マンハッタンの街中にレーシング・スーツを着て登場! なんてコトもやっていた。

2016年5月24日火曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月23日 Day8 プラクティス8:「遅れてしまっていたプログラムがようやく今日、レース・セッティングで最後尾のところに追いついた感じです」

トラフィックの中での走行でも好感触を得ることができ、有意義なプラクティスとなった Photo:INDYCAR (Doug Mathews) クリックして拡大
「スティント全体をヘビーなトラフィックの中で走れました」
Jack Amano(以下――):今日は85周と結構走れましたね。トラフィックでのクルマはどうでしたか?
佐藤琢磨:最後の走行で、ようやくイイカンジで走れたかな? と感じています。アレをもう2、3回少なくともやりたかったけど、少なくとも1回のスティント全体をかなりヘビーなトラフィックの中でできたのはよかったですね。

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 Day9 プラクティス8:月曜のプラクティス、最速はニューガーデン

予選は2位、決勝用セッティングで走ったこの日のプラクティスではトップと、好調なニューガーデン Photo:INDYCAR (Doug Mathews) クリックして拡大
今年で3回目となる予選翌日の月曜日のプラクティス

 予選後の月曜日にプラクティスが行われるようになったのは、2年前の2014年。それ以前は、予選が終わったらカーブレション・デイまで走行ナシって大胆なスケジュールだった。それがインディってコトで、業界じゃ受け入れられていた。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月22日 ポール・デイ その2:「これまでのインディー500では満足した予選ラップはなかった。そういう意味で達成感があります。ここからは僕らに足りてないスピードを探しつつ、決勝では力強く走れるクルマにして行きたいです」

Photo:INDYCAR (Eric McCombs) クリックして拡大

「この予選で決勝用マシンの非常に良い土台ができました」
――決勝用セッティングは、木曜日までにやっていたことの延長線と考えていいんですか?

佐藤琢磨:はい、そうです。木曜の延長にあります。でも、実際のところは、予選からの延長でもあるんですよね。予選ていうのは、たしかに予選4周を速く走るためダウンフォースですけれども、足回りに求められるものっていうのは基本的に同じなんです。とういのは、メカニカル・グリップがないとダウンフォースを削って行くことはできないからです。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月22日 ポール・デイ その1:「予選12位はベストだったと思います。予選1日目の朝からここまで戻って来れたので、スタッフにもすごく感謝をしています」


予選4列目を決めて、ガッツポーズを決める琢磨。土曜の朝のプラクティスから、劇的なリカバリーを果たした Photo:INDYCAR (Mike Harding)クリックして拡大
「14号車のエンジニアとクルーは最高の仕事をしたと思います」

Jack Amano(以下――):予選12位は今日の3位ということですから、今日望み得るベストに近い結果となったのではないですか?

佐藤琢磨:はい。ベストだったと思います。朝の練習走行のどおりの走りを再現できたので、あれ以上の結果を望むのは、僕たちの準備からすると無理だったでしょう。本当に14号車のエンジニアとクルーは最高の仕事をしたと思います。

2016年5月23日月曜日

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 5月22日 ポール・デイ:第100回インディー500のポール・ポジションはジェイムズ・ヒンチクリフとシュミット・ピーターソン・モータースポーツ

記念すべき第100回インディー500のポール・シッターとなったヒンチクリフ。前日トップの速さは衰えることがなかった Photo:INDYCAR (Chris Jones)
4番手アタッカーのニューガーデン、1周目231mph台に入れ暫定トップに

 ファスト9シュートアウトは、夕方5時過ぎに始まった。気温は28.3℃と高く、路面も45℃あった。
 最初のアタッカー、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は、4ラップ平均が229.139mph(ベストは1周目の229.649mph)にとどまった。
 カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)は230mph台をキッチリ出してトップに立った(230.287mph)。


2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 5月22日 ポール・デイ プラクティス7:青空の下でのプラクティス、暑さの中でロッシが最速! 佐藤琢磨は6番手に!!

ガソリン・アレイでコース・インを待つ琢磨車 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
暑さで全体で気にスピードは上がらず

 いよいよ予選2日目。朝から快晴で、気温はグングン上昇。
 そんな中、正午に予選前に行われる最後のプラクティスが開催され、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が最速ラップ=230.064mphをマークした。
 2番手はジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)の229.906mph。暑さのためにスピードが全体的に上がらなかった。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月21日 予選1日目終了:「予選で状況をひっくり返すことができて。明日にも繋がる非常に良いデータが取れました。明日は4列目か5列目を目指したいです」

最悪の状態からマシンをリカバーしてくれたスタッフとともにチームショット Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
「アタック2回目を走れなかったのはちょっと悔しいですね」

Jack Amano(以下――):アタック2回目、行くつもりだったんですか?

佐藤琢磨:はい。ウチのチームとしては革命的な、初の2回目のアテンプト(予選アタック)になるはずだったんだけど、遅刻でした。

――コースコンディションは最後の最後、短い時間ですごく良くなっていたようですね?

佐藤琢磨:もう明らかに良くなってましたよね。温度が下がって。あれだったら、我々も行けたね。

――でも、あのタイミングで走れるように列に並ぶのが、また難しいんじゃないですか?

佐藤琢磨:まぁ、そうですね。

――走れなかったのは悔しいですか?

佐藤琢磨:ちょっと悔しいですね。今日の僕らは少なくとも今日は大きなリカバリーができた。それはよかったと思いますし、明日に繋がります。でも、プラクティスでいいから、一度走っておきたかったですね。

――明日に向けた練習にもなりますね?

佐藤琢磨:そうなんですよ。今日の自分の予選を上回るってだけじゃなくてね。本当は、予選ランが一度終わった後、できればプラクティスを走りたかった。それが、もう間に合わないから予選の列に並ぼうってなってたんです。そういう決定を下して、AJからもオッケーをもらってたんですけど。残念ながら、せっかくオーケーもらってたのに並べなかった。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月21日 予選1日目アタック直後:「万全じゃない状況の中で、クルーたちはクルマをちゃんと用意してくれましたから、それに応えたかったっていうのはありました」

Photo:INDYCAR (John Cote)
「マシンに応急処置を施して予選に臨みました」

Jack Amano(以下――):プラクティスでマシンが走れない状況になっていた……という話でしたが、予選では228mph台まで一気にスピード・アップしましたね?

佐藤琢磨:今日はもう絶対ダメかと思っていました。アテンプト(予選アタック)に行くかどうかも難しいぐらいだったんですけど、とりあえず状況を見て、データを見て、考え得る応急処置をとりあえずは施しました。今日のような状況で、予選を走れるだろうっていうクルマを用意できたのは、チームとして良かったと思います。万全じゃない状況の中で、クルーたちはクルマをちゃんと用意してくれましたから、それに応えたかったっていうのはありましたね。

2016年5月22日日曜日

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 5月21日 予選1日目:初日トップはジェイムズ・ヒンチクリフ

ヒンチクリフが大逆転で初日の最速タイムをマーク Photo:INDYCAR(Chris Jones) クリックして拡大
午後4時41分以後、ファスト9のバンプ・アウト合戦がスタート

 全員に一度アタックのチャンスが与えられた午後4時41分以降から走行終了時刻の午後7時までは、誰もが何度でもアタックをしてよいルール。一度走ったデータからセッティングを向上させることは可能だし、予選時間の終了間際は路面コンディションが良くなるかもしれない。ただ、どのタイミングで予選のラインに並ぶか、その判断が難しい。予選にはファスト・レーンと第2レーンが用意され、保持しているスピードを放棄してでもアタックしたい場合はファスト・レーンを選べば、第2レーンの先頭に並んでいるドライバーより優先してアタックの権利を与えられる。

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 5月21日 予選1日目:予選開始は午後2時20分。終了は午後7時まで1時間10分延長されることに

予選初日の頭はタウンゼント・ベル
トップバッター・カナーン、スピード伸びきらず

 14時20分、ついに予選スタート。走行終了は5時50分と予定されていたが、午後7時まで1時間10分延長されると発表された。
 最初のアタッカーはトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。1周目がベストの228.145mphで、4周平均は227.679mphとスピードが伸び切らず。昨日出した自己ベストは229mph台だったが……。
 2番手はシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。2ラップ目に230.263mphをマーク。4周平均は230.102mphで、もちろんP1。

シボレー勢、エアロの選択が分かれる


 シボレー勢のエアロ・パッケージにはバリエーションあり。サイドポッドは長短2種類両方が使われていて、ホイールガード上のウィングレットも装着している者とそうでない者アリ。片側だけ装着というパターンもプラクティスでは見られた。
 ホンダはサイドポッドにバリエーションなし。ホイールガード上のウィングレットのアリ・ナシのみの違い。チーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシング・チームズのマシン群は長いサイドポッドにウィングレットなしで走行。

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 予選1日目 プラクティス6:予選直前のプラクティスで最速はルーキーのアレクサンダー・ロッシ

予選前のプラクティスでのトップタイムをルーキーがマーク! Photo:IDYCAR(Chris Jomes) クリックして拡大
2番手はハンター‐レイで再びアンドレッティ・オートスポートが1-2

 予選を目前にしたプラクティスは雨のために2グループがそれぞれ20分間ずつ走行することになっていたが、グループ1ではマックス・チルトン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)が結構ハードなクラッシュ。両グループとも15分間ずつの走行とされた。
 最速ラップとなる231.249mphをグループ1で記録したのはルーキーのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)で、2番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の231.107mhphだった。アンドレッティ・オートスポートとホンダの1-2だったわけだが、ドラフティングなしの最速ラップでは、彼らのふたりの後ろの3番手につけたトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)=シボレーによる230.361mphでトップだった。

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 予選1日目 プラクティス6:予選開始は2時15分過ぎへ

プラクティス2開始早々にチルトンがクラッシュ

 雨のために遅れていた予選直前のプラクティスが12時37分に始まった。グループ1、2ともに20分間の走行。それが終了した1時間後に予選開始となるので、14時17分に予選は始まることとなりそう。そして、予定では17時50分だった終了時刻を19時まで伸ばすという。

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 予選1日目 プラクティス6:雨でスケジュールに遅れ

予選開始は午後12時45分と発表

 予選1日目を迎えたインディアナポリスは、朝から雨。午前8時から行われる予定だった2グループでのプラクティスは、午前9時を回った今も始まっていない。
 インディーカーは先頃、プラクティス・グループ1の走行を午前11時から30分間、グループ2を11時半から30分間行ない、予選開始は午後12時45分になる予定と発表した。予定より1時間45分の遅れで予選が始まる可能性が出てきたということだ。
 午前9時を過ぎて雨はようやく上がり、空も明るくなってきて、ジェット・ドライヤーとマーシャル・ビークルが乾燥作業を開始した。