2016年3月19日土曜日

2016 INDYCAR ニュース 3月17日:アレックス・タグリアーニがフォイトの3台目でインディー・ダブル

Photo:AJ Foyt Racing
昨年に引き続いてインディ500にタグリアーニ

 AJ・フォイト・エンタープライゼスは、今年の5月に開催される第100回インディー500への3台目のエントリーを発表した。今年もそのドライバーはアレックス・タグリアーニだ。カナダ出身、チャンプカー1勝の大ベテランは、2011年のインディー500でポール・ポジションを獲得した実績の持ち主で、昨シーズンもフォイト・チームから“500に出場した(決勝17位)。今年の“タグ”は、500にプラスしてグランプリ・オヴ・インディアナポリスにも参戦する。

カー・ナンバーはAJのインディー500連続出場を讃える「35」

 5月のインディーでの2レースへスポット参戦するのを、“インディー・ダブル”と呼ぶ。タグのインディー・ダブルはアルフェ・ヒート・トリーティング(以下:アルフェ)をメイン・スポンサーとして実現する。アルフェはフォイトのインディーカー・チームをスポンサーするようになって6年目。ABCサプライともビジネスを行う企業で、インディー500でメイン・スポンサーとして1台を走らせるのは今年で3年目になる。一昨年はマーティン・プラウマン、去年はタグリアーニを走らせた。

2016年3月17日木曜日

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピーターズバーグ 3月15日:実は脳震盪起こしていなかったウィル・パワー

脳震盪ではなかったパワー。インディーカーのドライビング許可が下りたことで本には至って前向きだ Photo:INDYCAR (Chris Jones) 
脳震盪の専門医の徹底的な検査をクリア

 開幕戦を終えた翌々日の火曜日、インディーカーは、セント・ピータースバーグでのレースに出場ができなかったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に関して、レース・ウィークエンド終了後に改めて精密検査を行い、彼は金曜日の単独アクシデントで脳震盪を起こしていなかったとの診断に至ったことを発表した。

 インディーカーはマイアミ大学の脳震盪プログラムでパワーに対する集中的な検査を行い、その結果、彼がセント・ピータースバーグのサーキットで脳震盪を起こしたという確たる証拠を見つけられなかった。脳震盪の専門医たちによる徹底的な検査をパワーはクリアし、全面的に異常なしと診断されたのだ。そして、パワーはインディカーを運転することを許可された。

体調不良の原因は以前から治療を受けていた内耳!?

 インディーカーの安全に関するコンサルタントを務めているテリー・トラメル医師は、以下のようにコメントしている。
 「パワーが現場で示した症状は脳震盪によるものではなかったと、マイアミ大学の医師団は判断した。可能性としては、パワーが治療を受けていた内耳のなんらかの症状が考えられる」。
 パワーはこのオフの間、ずっと耳の問題に悩まされてきたという。トラメル医師は、「パワーは金曜に自ら起こしたアクシデントで脳震盪を起こしていなかった。イヤー・プラグ内蔵のセンサーが計測したデータからも、事故直後の、インディカーの義務づけている診察や検査からもそれは明らかだった。しかし、パワーは3月12日の土曜の予選の後に酷い吐き気に襲われ、インディカー・メディカルの診察を受けた。そして、3月13日に再検査を受け、脳震盪のテストをクリアできなかったため、脳震盪の症状に似た症状が出ているのは、脳震盪が実際にあったからだと判断された。パワーの内耳の異常は、脳震盪の検査をパスすることを非常に難しくしていた。それで脳震盪との判定がなされてしまった。マイアミ大学では1週間かかるほどの検査を1日で行い、パワーは何人もによる診察を受けた。そして、医師たちはパワーが最近、頭部に何の障害を受けていないとの見解で一致した。パワーの耳のトラブルは、内耳の奥に水分が留まるなもので、平衡感覚が正しく保たれず、目眩が発生したり、吐き気を催すことが起こり得た。頭痛なることも考えられた。そうしたコンディション下でドライビングを行えば、アクシデントで硬くなっていた首の筋肉がブレーキングのストレスなどで更に力の入る状況に陥り、体調の悪化を招く。更にはそれが頭痛を呼ぶ。インディーカーのメディカル・スタッフはパワーのテストを行い、安全を考慮してドライビングの許可を降ろさなかった」。

「またインディーカーを走らせることができる
その許可が下りたことが自分にとっての一番の薬だ」


 インディーカーのメディカル・スタッフは誤診をしたともいえるが、安全を重視した結果だった。脳震盪と同じ症状がパワーの体には現れていたのだ。その点はパワーも十分に深く理解をしている。そもそも、決勝日の彼はレースに出られる体調ではなかったと本人が感じていたという。「またインディーカーを走らせられる。その許可が降りたことが僕には一番効く薬だ。自分のマシンを誰かがレースで走らせているのを見るのは辛かったが、起きてしまったことは仕方がない。前進あるのみだ」とパワーはコメントしている。チーム・ペンスキーは来週の火曜日にテストをバーバー・モータースポーツ・パークで行い、そこで彼を走らせる。レース直後の火曜日に計画していたテストを、1週遅れで行うのだ。
以上
 

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ:マツダ・ロード・トゥ・インディー  インディー・ライツ開幕ダブル・ヘダーでAAとSPMが苦戦

インディー・ライツの開幕レースはカーリンのセラレスが優勝
第2レースはスウェーデン出身のハーグローヴが制す


 セント・ピータースバーグでのマツダ・ロード・トゥ・インディー3カテゴリー、どんな結果になったかお知らせしましょう。


 3シリーズとも開幕戦と第2戦を開催。一番上のインディー・ライツ・プレゼンテッド・バイ・クーパー・タイヤズ(以下:インディー・ライツ)では、レース1をカーリンから出場のフェニックス・セラレス(プエルト・リコ出身)が7番手スタートから制覇(昨シーズンにルーキーながらミルウォーキーで初優勝)した。カーリンは開幕戦2年連続優勝だ。昨年度ウィナーのエド・ジョーンズ(アラブ首長国連邦出身)が今年もカーリンから参戦しているが、彼は開幕戦10位と振るわなかった。2位はルーキーのスコット・ハーグローヴ(カナダ出身/チーム・ペルフレイ)、ポール・シッターだったカイル・カイザー(カリフォルニア州出身/フンコス・レーシング)が3位だった。

2016年3月15日火曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R1セント・ピータースバーグ Race Day 決勝:「最後尾まで落ちてから6位というのはよかったと思います。悔しい予選を戦った後チーム全体で協力して速いマシンを作り上げたことに誇りを感じます」

Lap48、ポジションを最下位から16位まで上げてレッドにチェンジする琢磨。リスタート明け2周目のLap57にアクシデントに巻き込まれる不運もあったが、最終的に6位までポジションアップ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

「原因は分からないですがオープニングラップの
2コーナーですでにリヤがパンクしてしまいました」


Jack Amano (以下――)1周目は何が起きたんでしょうか?
佐藤琢磨:パンクです。

――ぶつかられた?

佐藤琢磨:わからない。僕のマネジャーのスティーヴはジョセフ・ニューガーデンじゃないかっていってるけど、ショックは感じなかった。誰かのフロント・ウィングのエンド・プレートを擦ったのか、何かを踏んだのか。でも、デブリはそんなに落ちてなかったと思うから。確かに1コーナーでバンバンッてみんなぶつかって色々デブリは落ちたんだけど、そこを踏んだとは思えない。ともかく、2コーナーを曲がる時にもうリヤがパンクしちゃってて、3コーナーはもう危うくウォールにヒットしちゃいそうだったけど、なんとかなって、4コーナーは止まれなくて、まっすぐ行くしかなかったですね。それで1周回ってピットに帰ってきた。あそこでラップ・ダウンにならなかったのは救いでしたね。

2016年3月14日月曜日

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ 決勝:ファン・パブロ・モントーヤがセント・ピータースバーグ2連勝

モントーヤ、圧巻の走りで2年連続の開幕戦勝利 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
通算15勝目を飾ったモントーヤ、「今日のレースはほぼ完璧!」

 予選は4位、しかし、ウィル・パワーの欠場で3番グリッドからスタートしたファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は、チームメイト2人とのバトルを制し、終盤にトップに立ったルーキー、コナー・デイリー(デイル・コイン・レーシング)もパスしてセント・ピータースバーグでの開幕戦2連勝を飾った。この勝利はモントーヤのキャリア15勝目で、アレックス・ザナルディに並ぶ歴代31位の優勝回数となった。チーム・ペンスキーにとってのインディーカーでの179勝目。セント・ピータースバーグでのチーム・ペンスキーの勝利は8回目だ。


2016 INDYCAR フォトレポート R1 セント・ピータースバーグ Race:佐藤琢磨車フロントのダメージ

Photo:Masahiko Amano

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ Race Day:スタート・タイヤ グリッドより

右フロントのみニュー・オルタネート装着のレイホール車 Photo:Masahiko Amano
1    22    シモン・パジェノー ユーズド・オルタネート
2    3    エリオ・カストロネヴェス ユーズド・オルタネート
3    2    ファン・パブロ・モントーヤ ユーズド・オルタネート
4    9    スコット・ディクソン ユーズド・オルタネート
5    28    ライアン・ハンター-レイ ユーズド・オルタネート
6    15    グレアム・レイホール ユーズド・オルタネート×3 右フロントのみニュー・レッド
7    11    セバスチャン・ブルデイ ユーズド・オルタネート
8    5    ジェイムズ・ヒンチクリフ ユーズド・オルタネート
9    4    ジャック・ホウクスワース ユーズド・オルタネート

10    14    佐藤琢磨 ユーズド・プライマリー
11    21    ジョセフ・ニューガーデン ニュー・プライマリー
12    26    カルロス・ムニョス ニュー・プライマリー
13    83    チャーリー・キンボール オルタネート
14    17    マルコ・アンドレッティ オルタネート

15    19    ルカ・フィリッピ ニュー・プライマリー
16    8    マックス・チルトン ユーズド・オルタネート
17    7    ミカイル・アレシン ニュー・プライマリー
18    98    アレクサンダー・ロッシ オルタネート
19    10    トニー・カナーン ユーズド・プライマリー
20    18    コナー・デイリー ニュー・プライマリー
21    16    スペンサー・ピゴット ユーズド・オルタネート×3 右リアのみニュー・レッド
22    12    オリオール・セルヴィア ユーズド・オルタネート

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ Race Day:スタート・タイヤ

1    シモン・パジェノー オルタネート
2    エリオ・カストロネヴェス オルタネート
3    ファン・パブロ・モントーヤ オルタネート
4    スコット・ディクソン オルタネート
5    ライアン・ハンター-レイ オルタネート
6    グレアム・レイホール オルタネート
7    セバスチャン・ブルデイ オルタネート
8    ジェイムズ・ヒンチクリフ オルタネート
9    ジャック・ホウクスワース オルタネート

10    佐藤琢磨 プライマリー
11    ジョセフ・ニューガーデン プライマリー
12    カルロス・ムニョス プライマリー
13    チャーリー・キンボール オルタネート
14    マルコ・アンドレッティ オルタネート

15    ルカ・フィリッピ プライマリー
16    マックス・チルトン オルタネート
17    ミカイル・アレシン プライマリー
18    アレクサンダー・ロッシ オルタネート
19    トニー・カナーン プライマリー
20    コナー・デイリー プライマリー
21    スペンサー・ピゴット オルタネート
22    オリオール・セルヴィア オルタネート



・プライマリーをチョイスしたのは7人だけ。その中で最上位グリッドは佐藤琢磨の10番手。
・グリッド13番手以降は予選でセグメント1しか走っていないためオルタネートのフレッシュを2セット所有(ポール・ポジションのマシンを最後尾からスタートさせることとなったセルヴィアを除き)。

以上
Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ Day2 予選:訂正 パワーはレッドを2セット使用

 昨日の予選でパワーはレッド・タイヤを1セットしか使用せず……と書きましたが、訂正させてください。彼は他のファイアストン・ファスト6同様に2セットを使っていました。1セットで3回のアタックは多過ぎると感じてましたが、予選中にファイアストンから提供された装着タイヤ情報に、「セグメント2でパワーはユーズド・レッド使用」と誤って記されていました。彼は実際にはセグメント1、セグメント2でそれぞれ新品のレッドを投入してたんです。
 パワーがファイナル・セグメントでコース・レコードを破るスーパー・ラップを記録したのは、もちろんユーズド・レッドによってでした。全エントラントに供給されるのは2セットのみなので。佐藤琢磨選手が昨日の予選の地にコメントしていた通り、彼らのレッドの持ちの良さは、2セット使用だったとしてもライバル勢をおおいに驚かせるものでした。

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ Race Day:ウィル・パワーが開幕戦決勝出場を断念

走行データをチェックするセルヴィア。ついに決勝でも12号車のステアリングをゆだねられることに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
パワー、体調回復せず決勝レースもセルヴィアが12号車に
 決勝日の午前10時50分、昨日の予選でポール・ポジションを獲得したウィル・パワーは、体調不良のために今日の決勝に出場しない、とチーム・ペンスキーが発表を行った。
 12号車は代役のオリオール・セルヴィアが走らせる。こうしたケースに備え、チームは今朝のファイナル・プラクティスでヴェテラン・スペイン人ドライヴァーを走らせていた。僅かに20周を走っただけでの決勝出場となるが致し方ない。彼は最後尾22番グリッドからスタートを切る。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R1 セント・ピータースバーグ Race Day ファイナル・プラクティス:「クルマは良くなりました。決勝はジャックがレッドで行くというので僕はブラックで彼に道を創ってもらって、後でスルスルスルっと行こうと思ってます」

「久しぶりにレッド・タイヤをウォーム・アップで使いました」

Jack Amano(以下――)30分間のセッションをトップで終えましたが?

佐藤琢磨:レッド・タイヤでのタイムでした。P1という良いポジションだったのは、もちろん決勝に向けてポジティブな要素です。何人がレッド・タイヤを試したのかはわからないですけど。ブラック・タイヤでも自分たちは4、5番手あたりだったと思います。現実的に、トップ6に入っているペースだったので、昨日までのプラクティスを反映していて、予選が明らかにちょっと失敗だったなって感じです。そういう意味では、今日ペースを上げられたのは良かったですね。久しぶりにレッド・タイヤをウォーム・アップで使いましたね、何年ぶりかな? 多分、KV時代以来じゃないかな、もしかしたら。覚えてないぐらい遥か彼方に昔ですね、レッドで走ったのは。

2016年3月13日日曜日

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ Race Day ファイナル・プラクティス:佐藤琢磨、最速タイムをマーク!

予選よりも涼しいコンディションの中、佐藤琢磨が逆転トップに
 30分間のファイナル・プラクティス=ウォーム・アップ・セッションは、走行時間が早いこともあって昨日までのプラクティス及び予選より涼しく(気温=22℃)、路面温度も日中より10℃以上低いコンディションで行われた。赤旗による中断は、ルーキーのスペンサー・ピゴット(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がラン・オフ・エリアにストップしたことによる短いものが一度だけで、全チームが大きなトラブルなく、レースに向けた確認作業に勤しんだ。

 ここで最速ラップをマークしたのは、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。19周をこなした彼は、セッション終盤にレッド・タイヤ装着で連続周回を行い、その中で1分1秒2361をマーク、同じくレッド・タイヤで走っていたグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)を0.0001秒(!)上回ってセッション・トップとなった。

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ Race Day ファイナル・プラクティス:ウィル・パワーの代わりにファイナル・プラクティスを走ったのはオリオール・セルヴィア

セルヴィアがパワーの代打として急遽12号車をドライブ。果たして決勝にパワーは間に合うのか? Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
パワー、体調回復せず!! ファイナル・プラクティスをセルヴィアに託す

 昨日、予選でポール・ポジションを獲得したが、実は体調を大きく崩していたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。彼は今朝のファイナル・プラクティス=ウォーム・アップ・セッションをスキップして体を休めることに努め、代役として12号車をオリオール・セルヴィアが走らせた。
 セルヴィアがレースを走るか否かは、ウォーム・アップ・セッションが終了した時点でも決定していない。ギリギリまでパワーの体調回復を待つためだ。

2016 INDYCAR レポート R1 セント・ピータースバーグ Day2 予選レポート Vol.2: パワー、自己ベストタイム更新し、セント・ピータースバーグ2年連続7回目のPP

Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大
個人通算43回目、ペンスキー通算235回目のPP

 今日の予選では、最近では珍しく、ファイアストン・ファスト6によるファイナル・セグメント(Q3)で最速ラップが記録された。その1分00秒2450というウィル・パワー(チーム・ペンスキー)によるラップ・タイムは、彼自身が昨年記録した1分00秒6931を破って新コース・レコードとなった。
 パワー以下、5位となったディクソンまでがコース・レコードより速いラップを記録した。
 パワーのセント・ピータースバーグでのPP獲得は今回で6回目。そして、2年連続でのものとなった。また、昨シーズンの最終戦ソノマからの連続PP奪取でもある。キャリア通算でのPP獲得回数は43回。インディーカーの歴代5位にランクされる。
 パワーはセント・ピータースバーグで2度優勝している。2010年と2014年だ。
 チーム・ペンスキーとしては、今回がセント・ピータースバーグでの7回目のPP。チームは昨シーズンからの連続する17戦で14回目のPPともなった。そして、チームの50年の歴史の中で、今回は235回目のPPだ。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R1 セント・ピータースバーグ Day2 予選:「セカンド・セグメントで最初の自分のラップを上回れなかったのは残念です」

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
佐藤琢磨、今年のセント・ピータースバーグは予選11位
チームメイトのジャック・ホウクスワースが予選10位


――今シーズン初めての予選、AJ・フォイト・チームは2台揃ってセグメント2に進出しましたが、ファイナルに駒を進めることはできませんでした。どんなマシンの仕上がり具合、どんな手応えのあった予選となっていたでしょうか?
佐藤琢磨:ここまでプラクティスでは2台でプログラムを分けて、それぞれのいいものをお互いに使い、全体的なチームトしてのパフォーマンスは大分上がっていたと思ったんですけど、セグメント1ではレッド・タイヤで僕自身のラップ・タイムは60秒7まで行ってるので、悪くはなかったと思うんですけど、もう少し、もう一歩上にタイムを上げたかったので、セグメント2用のセッティングは少し調整をしました。しかし、それが裏目に出たというか、グリップを失うカタチになって、セカンド・セグメントでは最初のセグメントの自分のタイムを上回れないという、非常に残念な結果になりました。

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピーターズバーグ Day2 予選:ウィル・パワーが圧倒的パフォーマンスで2年連続、6回目のセント・ピータースバーグPP

圧倒的なパフォーマンスで開幕戦PPを決めたパワー。その割に表情が浮かないが、その理由は…… Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
パワー、強豪ひしめくセグメント1を難なくトップでクリア

 金曜のプラクティス1でのアクシデントは何だったのか……。その日の午後のプラクティス2でトップ・タイムを記録したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、土曜の午前中のプラクティス3でもトップに君臨。その勢いを保ったまま予選を戦い抜き、ポール・ポジションを手に入れた。

 予選のセグメント1は2グループに分かれてのアタックだったが、後半グループでチームメイト3人らと競い合った彼は、ブラック・タイヤで2周を走ってピット・インし、レッド・タイヤへとスイッチ。再びコース・インした後の2周目に1分00秒5678を出し、トップでセグメント2に進んだ。

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R1 セント・ピーターズバーグ Day2 プラクティス3:「フィーリングは良いです。ただラップ・タイムが非常にタイトなので、予選はやってみないとわからないですね」

ホウクスワースとは別の方向性を試した琢磨だが、プラクティス3でいずれもトップ10圏内とチームは好調だPhoto:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
「上とのコンマ3~4秒の差は縮めたいですね」

――あと少し、1周だけでも走りたかったんじゃなかったですか?

佐藤琢磨:まぁ、そうでしたね。でも、チームの2台で違うことを試したので、自分の方もフィーリングとしてはよかったので、ダイジョウブだと思います。

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピーターズバーグ Day2 予選:予選のグループ分けに明暗?

予選奇数組でペンスキー4台と戦うことになった琢磨 Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大 
奇数順位組にペンスキーが集中!琢磨もこの組に
 
 予選のグループ分けは今日のプラクティスの順位によって行われる。奇数順位組=最速ドライバーを含む=が後に走るグループ2となり、偶数順位組が先に走るグループ1と決まった。そして、今回はとてもおもしろい事態になった。

 なんと、チーム・ペンスキーが全員グループ2になった。当然、こちらの競争は非常に厳しいものとなる。セグメント2に進出できるのは6人というルールだというのに、4人がほぼ決定している状況と見ていいからだ。もちろん、彼らとてセッティングやアタックに失敗する可能性はあるが、グループ1に比べれて戦いはかなりタフになる。

2016 INDYCAR レポート R1 セント・ピーターズバーグ Day2 プラクティス3 :ウィル・パワーが2セッション連続トップ

新しいカラー・スキームのマシンで快走するパChris Jones)クリックして拡大
ホウクスワース好調! パワーに僅差の2番手タイム

 快晴に恵まれた土曜日、プラクティス3がお昼前に始まった。このセッションは45分間だ。走行開始時の気温は24℃、路面温度は44℃あった。
 暑さの中でも最速ラップは昨日のベストを僅かながら上回った。そのタイム、1分00秒8965を出したのは、昨日も最速だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。セッション終盤に彼の18周目でベストは記録された。
 2番手につけたのはジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)! タイムはパワーと0.0833秒差の1分00秒9798。1分1秒を切ったのはこの2人だけだった。

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ:インディー・ライツ、プロ・マツダ、USF2000の予選結果

Photo:Mazda Road to INDY
カイル・カイザー、ライツ開幕戦のポール・ポジション獲得 
  
16台出走のインディー・ライツで今年最初のポール・ポジションを獲得したのは、カイル・カイザー。カリフォルニア州出身の20歳。フンコス・レーシングからのエントリーだ。タイムは1分5秒8728。平均時速は98.371mph。インディーカーの昨日のプラクティス最速ラップは1分00秒9431で、平均時速が106.329mphだったから、ラップタイムで約5秒、スピードで8mphの差だった(インディーカーの予選タイムはレッド・タイヤ使用で昨日より更に速くなるだろうが……)。マツダ・ロード・トゥ・インディー(以下:MRTI)のスカラシップを得ているサンティアゴ・ウルティア(ウルグアイ出身/19歳/シュミット・ピーターソン・モータースポーツ・ウィズ・カーブ-アガジェニアン)は、トップから0.6333秒離され、予選9位だった。

プロ・マツダPPのオーウォードはメキシコ出身の16歳

 12台がエントリーしているプロ・マツダのポール・ポジションはパト・オーウォードが獲得した。開幕直前にエントリーを決めたメキシコ出身の16歳(!)。チーム・ペルフレイで走っている。ポール・タイムは1分11秒5723。平均時速90.538mph。MRTIのスカラシップを受けているニコ・ジャミン(フランス出身/20歳/ケイプ・モータースポーツ・ウィズ・ウェイン・テイラー・レーシング)はトップと0.2661秒差で予選4位だった。

US2000のポール・ポジションはパワーと同郷のオーストラリアン

 27台の激戦区USF2000でポール・ウィナーとなったのはジョーダン・ロイド。オーストラリアのトゥーウーンバ出身というから、ウィル・パワーと同郷だ。20歳。パブスト・レーシングからのエントリー。MRTIのスカラシップを受けて走るダコタ・ディッカーソン(カリフォルニア州出身/19歳/アフターバーナー・オートスポート)はトップに1.4219秒の大差をつけられ、予選16位だった。


 MRTIスカラシップ勢が全シリーズで少々苦戦気味。レースで一気に伸し上がってくるか??