2017年はムニョスとデイリー、24歳のドライバー二人のライン・アップに Photo:AJ.Foyt Enterprise |
AJ・フォイト・レーシングが来年度の体制を発表した。
ドライバーはカルロス・ムニョスとコナー・デイリーが、佐藤琢磨とジャック・ホウクスワースの代わりに起用される。
ABCサプライとのスポンサー契約も2018年シーズンまで継続となった。2017年は13年目、2018年は14年目のメイン・スポンサー担当となる。この長期的関係は素晴らしいもので、ターゲットがチップ・ガナッシ・レーシング・チームズを離れたことで、ABCサプライは1チームを連続して最も長くサポートし続けるスポンサーとなる。
エンジン及びエアロキットのブランド変更(ホンダからシボレーへ)に対する発表はなかった。
カーナンバーも14、41から14と4へ
2013年のロング・ビーチで佐藤琢磨とともに優勝したAJ・フォイト・レーシングだが、その後に勝利はなく、大々的に体制変更を行うこととなった。
カー・ナンバーにまで変更は及ぶ。エース格となるムニョスは伝統ある「14」を纏うが、ナンバー2のデイリーは41号車ではなく、4号車を走らせる。「4」を選んだ最初の理由は、AJ・フォイトのインディー500での4勝。二つ目は、今はもう活動していないパンサー・レーシングのナンバーだったという点。デイリーの義父ダグ・ボウルズは、パンサー設立時の共同オーナーのひとりで、1997~2006年までチームのCOOだった。愛着あるナンバーということか。なお、ボウルズは現在、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ社長を務めている。
4号車のワークショップのみインディアナポリスに移設
フォイトの新体制では、4号車だけ本拠地をインディアナポリス・モーター・スピードウェイのほぼ目の前の新ワークショップに置く(ワイン・バーは閉店か??)。2台をふたつのショップでメインテナンスする非常に珍しいケースとなる。しかも、テキサスとインディアナとにふたつは遥か遠くに離れている。地理的不利のあるテキサスには将来的に別れを告げ、多くの面で効率的なインディアナ州へとベースを移す段階的処置ということだろう。
ドライバーを2人とも新たに起用し(デイリーは1レースを共に戦っているが)、ショップを1台分だけだがインディアナポリスにオープンする。当然、インディーでは新規に多数のクルーを採用することになるだろう。インディアナポリスの方がそれはしやすい。
フォイト御大 「若い二人のドライバーの未来の一部を担えるのが楽しみ」
「プロ・ドライバーとしての新しい章が始まる。歴史ある14号車で戦うのだ。ラリー、そして伝説のドライバーAJとの仕事も楽しみだ。目標はインディー500で優勝すること。チームもインディで勝ちたいと考えているので、一緒に目標達成ができればいい」とムニョスは語っている。
デイリーは、「AJ・フォイト・レーシングでまた走れることになり、とても喜んでいる。AJとラリーは僕に最初のチャンスをくれた人たち。2013年にセブリングでテストをして、インディー500出場をさせてくれた。 彼らとフル・シーズンを戦えるなんて、これ以上嬉しいことはない。アメリカ人として、赤/白/青のABCサプライ・マシンに乗ることも光栄だ。素晴らしいチャンスをまた与えてもらうこととなり、感謝しても感謝し切れない」とコメントしている。
来年の1月で82歳になるAJは、「ふたりのドライバーはどちらも非常に若く、彼らの前には未来が広がっている。その未来の一部となれるのが楽しみだ」と語っている。
2017年シーズン、すべてを一新してのチャレンジに注目
大胆な体制変更。そうしたくなるほどAJ・フォイト・レーシングの成績が低迷していたのは事実だ。しかし、苦境から脱出しようと一度に多くの要素を新しくし過ぎているのでは? との心配もある。ドライバーの全面刷新は、継続性がほとんどなくなるという点でデメリットになりかねない。しかも、起用されるドライバーふたりはどちらも若く、ホンダのマシンでのみ戦って来たキャリアの持ち主。シボレー・エアロ、シボレー・エンジンに関するノウハウはほぼゼロだ。ふたつのショップ、新しいドライバー、新しいメカニック……様々な面からチームにかかかる負担は増え、実力を発揮しにくい状況に陥らないだろうか。もちろん、インディーのショップ・オープンなどはメリットとしても働く面もあるだろうが……。ABCサプライが2018年までの複数年契約としてくれたのは彼らにとって大きな朗報だ。ラリー・フォイトを先頭に、彼らは2シーズンでフルにパフォーマンスを発揮し、優勝争いを行なえるチームへと成長することを目指す。
以上
琢磨選手がAJフォイトで走らないのは淋しい気もしますが、やはり来年勝てる車に乗れるかもしれないというニュースに胸を躍らせています!!
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