パワーに付け入る隙を与えぬポール・トゥ・フィニッシュでパジェノーがタイトル獲得! 今シーズンは通算5勝、7PPという圧倒的な強さだった Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 |
開幕2戦目にポイント・リーダーとなり、そのポジションを保ち続けて最終戦を迎えたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は、ポール・ポジションから優勝を飾り、念願だったインディーカー・チャンピオンの栄冠を手にした。7回のポール・ポジションと5回の勝利は、どちらも今シーズンの最多。正真正銘の、文句のつけようがない王者の誕生となった。
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パワーはギヤボックスのトラブルにより、レースが折り返し点を迎える前にストップ。ピットで修理を施したマシンでレースに復帰はしたが、20位でゴールするのが精一杯となった。
レース終盤、背後に迫ったレイホールを突き放しての勝利
パワーの脱落によってパジェノーの王座はレース半ばでほぼ確定となった。あとは彼が優勝でタイトルに花を添えることができるかどうかだった。そして、レースが終盤に入ってから、彼の背後に迫るドライバーが現れた。それはグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。
最終スティントで勝負をかけたレイホールも今日のパジェノーには及ばず Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
しかし、レイホールにパジェノーはオーバーテイクのチャンスを与えなかった。彼が近づくとペースを上げた。両者の差が広がったり縮まったりしながら周回が進むうち、今度はレイホールのペースが落ちた。85周のレースが80周目を越えてから、パジェノーは1分21秒4台の少し遅いラップが3周続いたが、このタイミングでレイホールに再び差を縮める余力は残っておらず、ゴール時には3.2523秒もの差がついていた。リード・ラップ76周はもちろん今日のレースでの最多で、2点のボーナスも獲得し、104点を稼いだパジェノーは、年間ポイントを659点に伸ばし初タイトルを獲得した。フランス人チャンピオンはチャンプカーでのセバスチャン・ブルデイに続く2人目。32歳での初タイトル獲得だ。なお、昨日の予選でコース・レコードを樹立したパジェノーは、101.181mph平均でレースをゴールまで走り切り、レース・タイムでもレコード・ホルダーとなった。
歓喜のパジェノー「今日のマシンは素晴らしい仕上がりだった!」
パジェノーを祝福するペンスキーの総帥、ロジャー・ペンスキー。チーム発足50周年を飾るタイトルとなった Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
「パジェノーを倒してのタイトル獲得は難しかった」と語るパワー
パワーは、「トラブルに見舞われるとは本当に残念だが、パジェノーを倒してタイトルを獲得するのは非常に難しかっただろう。今日のレースで僕が勝つ事はできたかもしれないが……」と語った。
モントーヤ、カストロネヴェスをパスし、2位に浮上したパワーだったが、マシントラブルで逆転タイトルは叶わず Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
「チャンピオンにはなれなかったが、素晴らしいシーズンだった。開幕戦の決勝を走れず、大きなポイント差をつけられながら、最後にはチャンピオン争いに加わることができた。また僕はシリーズ2位になったけれど、4勝もできたし、500マイル・レースでも優勝した。これまでに勝ったことのないコースふたつで優勝もできた。満足している」とパワーはつけ加えた。
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佐藤琢磨、 4回ストップ作戦的中せず14位
レイホールはソノマでの2位フィニッシュにより、ランキング5位となった。今日のレースでのホンダ勢最上位フィニッシャーは、ランキングでもホンダ勢最上位を獲得した。
「レース終盤にパジェノーにアタックするチャンスが来たが、彼のマシンに近づくとオーバーステアが酷くなってしまう状況だった。パスは無理なので、2位でゴールするしかなかった。
11周目に1回目のピット・インを終え、ブラックに履き替えた琢磨は好タイムをマークし8位まで浮上を果たすが、フル・コース・コーションのタイミングに恵まれず、4回ピット・ストップ作戦は実らず Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
胸張る琢磨 「リザルト以上の進歩を遂げたシーズンでした」
「AJ・フォイト・レーシング、ホンダ、そして多くのスポンサーに感謝します。今年は厳しいシーズンでした。シーズン序盤は良い感じで走れていましたが、幾つかの不運にも見舞われました。今日のレースではストラテジーがうまく嵌りませんでした。マシンのスピードも少し足りていなかった。それでも、自分たちの中ではレヴェルの高いセッティングにすることができていて、全ラップでプッシュをしてゴールまで戦い抜くことはできました。ピット・クルーたちの作業も本当に速く、誇りと感じられるものでした。今年は表彰台に上ることができなかった点が悔しく、残念です。その可能性があったミッド・オハイオが、特に悔しいレースでした。しかし、チームはリザルト以上の進歩を遂げました」と来シーズンも引き続きAJ・フォイトのチームで戦う強い意欲を見せた。
以上
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