2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第16戦 ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ Day2 予選：「明日はストラテジーを使って、チャンスがあった時にキッチリとものにできるような状況で走りたいと思います」

レッド2セット投入もわずかに及ばずセグメント1敗退。予選15位となった琢磨だが、明日の決勝ではタクティクスを駆使して上位進出を目指す　Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

「自分たちなりにまとめ上げましたが
競争力が一歩足りませんでした」

Jack Amano（以下――）：レッド・タイヤを連投していましたね？

佐藤琢磨：過去数戦、予選ですーっと、本来の予選を戦うべき姿になっていました。そうした中で、今日の自分たちは、自分たちなりにまとめ上げた方だと思います。ただし、非常にフィールドがタイトだったことで、競争力が一歩足りなかった、及ばなかったというところでしたね。
「レッド2連投でコンマ2秒上げることはできました」

――1セット目と2セット目でのコンディション、走り、セッティングでの違うというものはどういうものがあったのでしょうか？

佐藤琢磨：グループ１だったので、直前のGTカーによる走行もあったし、路面状況は悪かったですよね。ただ、今回はレッド・タイヤの方が瞬発力があるのはわかってましたけど、昨年の予選でポール・ポジションを獲得したのはブラック・タイヤでだったし、今回はまた更にソフトなコンパウンドになっているので、もしかしたらブラックの方がパフォーマンスはいいかもしれない……っていうのがあったんですよ。実際、今日の予選で何人かのドライバーたち、例えばアレクサンダー・ロッシとかは、自分のブラックでのベストをレッドで塗り替えることができずにいましたよね。だけど、すべてはバランスなんですよ。僕らはそうは言いつつも、レッド・タイヤの方がやっぱりコンパウンドは絶対的に柔らかいワケだから、グリップ感は確実にあるはずだって考えました。そういうことで、１セットのレッド・タイヤだけで予選アタックをまとめ上げるだけの基礎がなかったので、レッドを2セット連投することで、1回目の走行から2回目に繋げようとしました。そして、それはできていたと思います。コンマ2秒速くなってましたから。そういうことで、与えられた状況の中では、自分たちは持てる力を発揮していたと思うんです。でもやっぱり、小さな話をすれば、ココでもうちょっと、アソコでもうちょっと……というのがあって、1周走って帰って来て、コンマ1秒速くなってたらセカンド・セグメントに上がれていたんですが、残念ながら僅かに及ばなかったという感じでしたね。

「予選と決勝はまったく別物と今回は考えています」
――プラクティス3回と予選を終えた今、決勝に向けた自分たちのポジショニングとか、仕上がり具合はどうだと捉えてますか？

佐藤琢磨：予選と決勝はもうまったく別モノだと今回は考えてます。ワトキンス・グレンみたいに、非常に安定した状況の中だと、予選のクルマをそのままレースにっていう可能性もありますけど、ここはもう本当に予選はワン・ラップ・スペシャルになっちゃっていますね、特にここ数年は。タイヤがそのような傾向が大きいんです。あとは、ブラック・タイヤでの1周の速さももちろん大事ですけど、レースでは20周未満のスティントを通じてのコンシスタンシーをどういう風に作り上げるかってところですから、明日の朝ですね、それを仕上げるのは。今の予選までで築き上げて来たものっていうのは、もちろんここまでレース用のものもあるんだけれど、基本的にはすべて予選用のものだったので、予選の絶対的なスピードが出たとしたら、それから後はタイヤを持たせるようなクルマを作って行くっていう感じですかね？　正直言って、もうあまり時間もないですし、ここから決め撃ちで行くしかないんですけど、予選よりかは多分、決勝の方が作り易いかなって思ってます。

「明日はレッドをスタートで使って3～5周
いいレースがしたいですね」」
――明日のレースでのレッド・タイヤの使い方っていうのは？
佐藤琢磨：もうこうの状況なので、スタートで使って3周～5周とか？　そういう感じになると思います。

――これで今シーズン最後の予選が終わりました。明日は今年最後のレースですが、どうですか？
佐藤琢磨：いいレースがしたいです。この状況からなので、ストラテジーをうまく使わないと前に出ることはできないですけど、ここ数戦、そういう方法でうまく上がって行くことができているので、あとはチャンスがあった時にキッチリとものにできるような状況で走りたいと思います。