ディクソンは走行初日から決勝レースのフィニッシュまで、完全に今年のワトキンス・グレンを制圧 Photo*INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
ポール・ポジションからスタートしたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)がワトキンス・グレン・インターナショナルで完勝を飾った。60周のレースには3回のフル・コース・コーションが出されたが、ディクソンは後続に10秒、15秒という大差をつけてリードし続け、50周のリード・ラップとともに優勝。最終スティントでは、スピードだけでなく、燃費でも他を圧倒して見せた。完敗を喫したチーム・ペンスキーをはじめとするライバル勢は、大きな衝撃を受けたのではないだろうか。
「マシンセッティングが本当によかったから
時にはダウンシフトしないで走れるぐらいだった」
この勝利はディクソンにとってはワトキンス・グレン・インターナショナルでの4勝目となるが、キャリア通算では40勝目で、アル・アンサーの39勝を抜いて歴代4位にポジションを上げた。もう彼より優勝数が多いドライバーはAJ・フォイト=67勝、マリオ・アンドレッティ=52勝、そして、マイケル・アンドレッティ=42勝だけになった。
スプラッシュする後続を尻目に、最終スティントで19周を走り切ったディクソン。最初のピットインの直後にフル・コース・コーションが出るというラッキーもあり、終始余裕の展開だった Photo:INDYCAR (Chris Jnes) クリックして拡大 |
2位走行のヒンチクリフ、燃料が持たず最終ラップでストップ
最終ラップのガス欠で2位入賞をフイにしたヒンチクリフ。ブルデイにピック・アップしてもらいピットに戻ってきた Photo:INDYCAR (Mike Harding) クリックして拡大 |
パジェノーは7位フィニッシュ!パワーはキンボールと接触してクラッシュ
パワーの後塵を拝す展開となっていたパジェノーだったが、パワーがキンボールと接触してクラッシュし、ポイントリードを拡げることに成功 Photo:INDYCAR (MikeHarding) クリックして拡大 |
しかし、最終戦ソノマは賛否両論あるダブル・ポイント。ウィナーがボーナス抜きでも100点を与えられるのに対し、5位だと60点、6位は56点。40点の差は簡単にひっくり返る。
シボレー勢がトップ3を独占!ホンダ勢最上位は4位のデイリー
3位はエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が獲得。シボレーの表彰台スウィープが達成された。
4位でゴールしたのはコナー・デイリー(デイル・コイン・レーシング)だった。初めてのレギュラー・シートを得たシーズンながら2回目のトップ5入り、5回目のトップ10フィニッシュとなった。
5位は1周目にスピンして最後尾までポジションを落としたセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)。6位はキンボール、7位はパジェノーで、8、9、10位にはアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、RC・エナーソン(デイル・コイン・レーシング)、マックス・チルトン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)とルーキー3人が並んだ。今日のレースではルーキー4人がトップ10フィニッシュを果たしたことになる。
佐藤琢磨、ラストラップ痛恨のスピンでシングル・フィニッシュを逃す
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は17位。最後尾スタートから1周目に17番手までポジションを上げ、8周を終えるところで1回目のピット・イン。少し早過ぎるタイミングだったが、15周目にミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)のアクシデントによるフル・コース・コーションが出された。ところが、この時にフォイト・チームは琢磨を上位陣と同じくピット・インさせたため、大幅なポジション・ゲインをするはずが、再びほぼ最後尾まで順位を下げてしまった。
粘りの走りを見せた琢磨。上位陣と遜色ないラップを重ねて、シングル・フィニッシュをほぼ手中に収めたかに見えたが…… Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
燃費セーブとスピードをバランスさせるのは難しく、多くのチームがゴールを前にしてピット・ロードへ。琢磨は48周目に給油を行ない、58周目には9位を走っていた。しかし、ゴール目前の59周目にスピンを喫し、結果は17位に終わった。「シモン・パジェノーをパスしようとして、アウトから仕掛けたんですが、タイヤかすを拾ったのかスピンしてしましいました」と琢磨は説明した。パジェノーをはじめとする、琢磨の前を順位を走るドライバーたちの多くが燃費の極めて厳しい状況にあり、琢磨には5位フィニッシュの可能性すらあっただけに、残念な結果となった。
残るは最終戦ソノマのみ。その前にカリフォルニア州のコースでは、全チームが集結しての事前テストが来週半ばに開催される。
以上
日本での中継で観られなかったディクソンのインタヴュー記事を紹介して頂き、ありがとうございます。それにしても、ディクソンの強さは圧巻でした。コーションでの幸運はあったでしょうが、どんなレース展開になっても、ディクソンに対抗出来るドライバーはいなかったと思います。
返信削除琢磨選手は本当に残念でした。トップグループが軒並み燃費走行している絶好のチャンスだったのに、まさかまさかのスピン。全てが噛み合えば、ロングビーチのような結果が出るんですが、今回のガッカリ度はかなり大きいです。チームに残留出来るか不安になってきます。
ワトキンス・グレンのディクソン、本当に速かった~。燃費もメチャ良くてビックリ。まさに完勝。琢磨選手はテストなしでも何とか戦闘力を確保したものの、あと一歩の状態でレースに臨んだ。最初のピットが早過ぎ、2回目をトップ勢半分と同じタイミングで行なう羽目に。しかし、二度目のチャンスをゲット。ただ、ダウンフォースつけ過ぎのマシンではストレートでの伸び、プッシュ・トゥ・パスを使ったバトルでの苦戦の原因に。それでパジェノーのパスにも少々無理が要ったということのよう。ポコノのクラッシュはセッティング・ミスだったけれど、今回はドライヴァーのエラーという部分は確かにある。しかし、フォイト親子から厚い信頼を寄せられているので、おそらく来年も14号車で戦えるのでは? と期待をしてるけど・・・。
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