Q1で敗退後、予選のタイミングモニターを見る琢磨。幸いマシンのダメージは軽微だった Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大 |
Jack Amano(以下――):今回はレッド・タイヤで最初から行きましたね?
佐藤琢磨:グループ1でマックス・チルトンが赤1セットでずーっと行って、7周目がベスト・ラップだったんですよ。毎ラップ速くなってていた。もちろん、トラック・コンディションが良くなって行ってたんでしょうけど、それを差し置いても、レッド・タイヤのパフォーマンスがずっと落ちなかったので、最初からレッドでアタックしようということになりました。ところが、走り出してみたらHANSデバイスがちゃんとポジションに収まってなくて、シート・ベルトから外れてしまったんですね。だから、自分でベルトを緩めて、HANSを戻したんだけど、安全のためにしっかりと装着してもらいたくてピットに戻って来ました。それでピットしたのが2周目で、3周回目にまた出て行って……って感じになりました。その時のタイヤは、走り出した時と同じタイヤでした。時間は十分に残されているとも思ってました。それでウォーム・アップをして、次のラップでプッシュしました。ラップ自体は良かったんです。あの時点でP2に入れてるラップになっていたので。非常にコンペティティブなラップを刻めてたワケですが、7番コーナーでスピンしました。
「ダメージは大きくありませんでしたが、ミステイクです」
――リヤからガード・レールにぶつかったように見えましたが、マシンへのダメージは?
佐藤琢磨:大きくはありませんでした。自走してピットに帰って来ることもできたので。ハードにはぶつかってないです。ジェイムズ・ヒンチクリフとまったく同じ感じでスピンしちゃった。完全にミステイクですね。プラクティスまででは、あのコーナーであぁいうことはなかった。なんでアレをキャッチできなかったのか、ちょっと不可解ですけど、仕方ないですね。ミステイクです。
――路面温度が朝のプラクティスよりも上がっていましたが、レッド・タイヤはどんな感触でしたか?
佐藤琢磨:グリップ感はソコソコあって、涼しい午前中のラップ・タイムに匹敵するタイムがあの時点で出てたので、感触としては良かったんですけど、かなりナイフ・エッジな感じはありましたね、ラップを通して。
――ブラックの方がマシンが安定していたんですか? 予選のファイナルはブラック優勢でした。
佐藤琢磨:クルマのマッチングだと思いますよ。だって、トニー・カナーンはレッドでほとんどP1みたいなタイムを出していた。でもブルデイは最後ブラックで行った。予選の最後のセグメントはカナーンはレッドで走ったけど、タイヤがもうボロボロだった。みんなブラックでラップ・タイムを上げて来てましたね。本当にマッチングとバランスと、好みと……というコトなんだと思います。でも、路面が悪い時はレッド・タイヤのソフト・コンパウンドがグリップ感は良いようですけど、予選の最後の方は路面がクリーンになって来て、その状態ではブラック・タイヤが威力を発揮したみたいでしたね。……と言うか、もうレッドがみんな無かったって、それだけかもわからないですけど。
「マシンはプラクティスでの順位以上のものを持っていると思います」
――琢磨選手としては、予選はアクシデントとなってしまいましたが、今週末のマシンの仕上がりについては納得しているところがありますか?
佐藤琢磨:まぁ、余裕は無いですけどね。テストに来ていなかったので、追いかけて、追いかけて色々やってます。そして、悪くはないと思います。プラクティス2(12番手)、プラクティス3(15番手)というポジション以上に良いものは持ってると思います。今の予選でそれを発揮できなかったのはとても残念です。それでも、マシンをこれからうまく合わせ込んで、明日のプラクティス・ファイナルでキッチリと良い車に仕上げたいと思います。
――それにしても、今回もエグイ側のグループでしたね。このパターンが続いてますよね?
佐藤琢磨:まぁ、そうでしたね。でも、自分がスピンさえしなければ、おそらくQ1は通ってたから。あのラップでQ2へ行けるはずだったので、それを考えるととっても悔しいですけど、クルマは速く作れたっていうのはひとつポジティブだったので、エンジニアもみんな“心配するな”みたいな感じでした。このところのロードコースでの数戦ではストラテジーで上位に進出する"なんちゃって作戦”になることが多い。今回も、その“振り向けば作戦”で上位に上がってから良いレースをしたいと思います。
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