このセッションは走り込みの途上と語る佐藤琢磨。エアロ・セッティングを修正し、マシンの感触はまずまずだ Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大 |
Jack Amano(以下――):路面が全面改修されわワトキンス・グレンのスムーズ具合はどうですか?
佐藤琢磨:F1トラックだね。マニクールかと思った。いや、スパみたい。
――ツルツルというかスムーズで、グリップが高いんですよね?
佐藤琢磨:そう。
――2010年に走った時とは大きく印象が違います?
佐藤琢磨:だって、あの年のラップ・タイムより5秒とか6秒も速くなっているんでしょ? もう世界が違い過ぎっちゃって、前に走った時のことは忘れちゃった。コースが次に右に曲がってくのか、左なのかっていうのはわかるけど、もうブレーキング・ポイントも、進入速度も何もかもが全然違うから、危ない、怖いっていうぐらい。
「インディーカーで最もスムーズ。F1も開催できる!」
――素晴らしいコースになったということもできますよね?
佐藤琢磨:はい、本当にすごく良いサーキットになったと思いますよ。F1も開催できるんじゃない? 至るところにセイファー・バリアも装備されているし、チャーリー・ワイティングも来たんでしょ? そして、結構良いと彼も話していたって……。素晴らしい施設ですよ、ワトキンス・グレン・インターナショナルは。プレスルームも綺麗だし、サーキットも綺麗で。ただ、今日は縁石の洗濯板状になったところに水が溜まっていて、その水を無くすために中断が長くなってしまってましたけどね。サーキットは本当に素晴らしい。スパを思い出す、すごく良いコース。とにかく速い!
――今やインディーカー・シリーズで最もスムーズなコース?
佐藤琢磨:最もスムーズです!
――常設ロードコースもバンピーなところが多いアメリカでは、新しいタイプのコースとでも言うべき?
佐藤琢磨:まぁ、バーバー・モータースポーツ・パークもスムーズな方ですよ。でも、バーバーよりも今のワトキンス・グレンはスムーズ。バス・ストップ・シケインでは結構マシンが飛び跳ねるけど、それ以外はとても綺麗なコース。全部のコーナーで4Gを越えるんじゃないかっていう、すごいハイ・スピード・コースです。
――タイヤの磨耗は?
佐藤琢磨:このセッションを走った限りでは、そんなに悪くなかったですね。気温、路面温度ともに今は低かった……というのもあります。基本的に、このコースはストップ&ゴーじゃなくて、ずーっとスピードを高く維持しているから、ダウンフォースがかかってるからタイヤの磨耗自体は多少あってもトラクションが抜けちゃうとか、そういう感じではないです。
「自分たちのセッティングはそんなにズレてはなかったです」
――持ち込んだ初期セッティングはどうでしたか?
佐藤琢磨:HPDから幾つかキーになるデータをもらっていました。僕らの2台が唯一ここでの事前テストで走ってなかったから。そういう意味では、セッティングはテストでの各コーナーでのスピードや、コース全体でのトップ・スピードなどからギヤリングやライド・ハイトなどを割り出しました。その結果、自分たちの持ち込んだセッティングはそんなに大きくはズレてなかったですね。唯一ズレてたのはエアロ・バランスでした。COP(Center of Pressure)が前寄り過ぎたので、1周で帰って来ました。その後はライド・ハイトの微調整を2回やって、タイヤの内圧の上がり具合がわからなかったので、それも2回チェックして、あとはひたすら走る……ということでしたが、ひたすら走るって言ったって3周続けて走ったら、もうセッション終了とかだったので、ちょっと走り込めてない……チームとしての経験が不足しているところはあります。でも、ここはドライバーにとっては自信をつけて行かないとコーナーに飛び込んで行けない。スピードが速過ぎるのでね。だから、次のセッションから少しずつスピードを上げて行きたいですね。
――今、スコット・ディクソンが出したベストのあたりが、テストでも最速だったんですかね?
佐藤琢磨:いやいや、今日の方が全然速いんじゃない? 僕が1.9秒以上、ホンダで一番速かったグレアム・レイホールでも0.9秒以上離されていた。あのタイムはちょっと今の自分には見えていないな。何だアリャって感じ。ニュー・タイヤかな?
――セッション終盤のセカンド・アウティングだったから、フレッシュ・タイヤだった可能性はあります。以上
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