Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大 |
Jack Amano(以下――):今日の予選はレッド・タイヤで走り出し、2セット目も投入する作戦としましたね?
佐藤琢磨:はい。最初からレッド・タイヤで行くことによって、レッド・タイヤの今年のパッケージの、このセッティングでのバランスを見て、修正が必要であれば修正をする、という考え方でした。その作戦は悪くなかったと思います。バランスは良かった。でも、何をもって良かったというかは難しいところで、結局今日の自分たちはスピードが乗ってなかった。ただ自分たちの中では、マシン・セッティングをタイヤやコンディションに合わせ込むことはできていたと思います。それが……ね、こんなにスピードが伸びて行かないとは……苦しいですね。
「周りが速くなっていて、それにおいて行かれた形でした」
――ライバル勢と比べて、コースのどこでとか、どういうスピードのコーナーで……などタイムが出せていない特徴的な部分はあるんでしょうか?
佐藤琢磨:今週のここまでで、セッション毎にもちろんその特徴は多少変わってってるんですけど、ターン5からのインフィールドと呼ばれるセクション(途切れることなくターンが続く部分)でのタイムがなかなか縮まらなかったんですけど、予選に関してはそこはそんなに悪くなかった。そういう意味では予選でのセッティングは良かったと思います。ただ、他のセクション、予選前までは強かったターン1とかでは、マシンがボトミングをし出しちゃってて、ロスが出ていた。コンマ1秒ぐらいなんですけど。自分の中ではベストのラップ・タイムに近いものが出せてた。しかし周りが速くなっていて、それに置いていかれた感じでした。ターン1の先のヘアピン(キー・ホール)は良かったけれど、その後のストレートでスピードが伸びていかなかった。多少ダウンフォースが重い方だったからと思いますけど。それでも、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)とは同じぐらいだったのかな? Q3まで行ったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、僕らよりダウンフォースはちょっと軽かったと思います。僕らは昨日、ダウンフォースを軽くして大失敗したから、予選ではつけてったんですけど……。
「このコースはとにかく走り始めのグリップ感がない」
――難しい状況の時に限ってグループはやたらと厳しい方でした。2グループ目の路面は、朝のプラクティス3と比べると、どんなでしたか?
佐藤琢磨:とにかく走り始めがすごいグリップ感がないんですよね、このコースは。どのセッションも一緒。ただ、走れば走るだけ、すぐに路面が良くなって来る。このサーキットの路面の特徴でしょうね。ラバーが乗らない限り全然グリップして来ない。
――そういうコースではアタックのタイミングも難しいでしょうが、自分たちの今日の予選アタックは、その点はどうでしたか?
佐藤琢磨:タイミング的にはそんなに悪くないと思います。レッド・タイヤの1セット目は3周目、2セット目は4周目にタイムを出して、いいところは使い切りました。他のチームと同じストラテジーでした。
――予選でのジャック・ホウクスワースとのセッティングの差異は?
佐藤琢磨:プラクティス3からそれぞれの方向で進めていて、そのままほぼ固定でした。もちろん、双方ともに色々直してってはいますけど、考え方は固定なので、多少ですけどリヤ・エンドのセッティングの攻めて行き方が違っていますね。
――ホウクスワースとは走ったグループが違っていたので、路面コンディションも異なって直接比較が難しいでしょうが、現状での2台の戦闘力比較とかは、どうなっていますか?
佐藤琢磨:結局、ふたりともほぼほぼ同じぐらいの順位だったから……。これ以上どうやって速くしてったらいいのか悩むところです。プラクティスまでのトレンドとしては、僕がコースの前半が早くて、彼はコース後半で速かった。なので、向こうはコッチ、僕らのアッチの良いところを取り入れるんだけど、足し算にならないんですよね。アチラを立てるとコチラが立たずで。そこで片方に特化したセッティングにしても、まだ速さが足りない。厳しいところです。
「明日は“ガナッシに続け”作戦です」
――明日のレースは、どう戦おうと考えていますか?
佐藤琢磨:ストラテジーが大事ですね。去年のレイホールみたいに、コーションのギリッギリのタイミングでピットに滑り込む。ピット・クローズの直前にカット・インするとか……ね。あとは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)が予選で失敗したみたいだし、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)もそうでしたから明日は“ガナッシに続け”作戦。“フォロー・ガナッシ”です。
以上
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