予選終了ギリギリ、わずか0秒0910差で劇的な逆転ポール!「期待以上の結果になったね」とディクソンも大満足 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
午前中のプラクティスでは曇っていた空も、予選前に好天に変わった。気温は20
℃とまだ低めだったものの、予選が進むにつれてジリジリと上がって行った。太陽が照りつけ、路面温度も上がって行く中で予選の幕は切って落とされた。
ストリート・コースの予選はいつもどおりに3段階で争われ、ファイナル・セグメントに進んだのは、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、セバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の6人だった。そして、この中からディクソンがポール・ポジションを獲得した。シーズンが後半戦に入った第11戦目にしてディフェンディング・シリーズ・チャンピオンが今季初のPP獲得を果たした。キャリア24個めのPPだ。
セグメント2までは盤石だったペンスキー勢だったが……
2グループに分かれて行われたセグメント1では、後の組で走ったウィル・パワーとファン・パブロ・モントーヤ(ともにチーム・ペンスキー)が59秒台に入った。しかし、路面温度が上がって行くコンディションのためか、セグメント2では59秒台に入れたのはカストロネヴェスただ一人だった。
セグメント2までの最速ラップはパワーによる59秒7747。2番手がカストロネヴェスの59秒8562で、3番手がモントーヤの59秒9964だった。ペンスキー勢のみが1分の壁を破っていたということだ。
意外にもペンスキー勢でパジェノーだけがセグメント2までで59秒に入れていなかった。そして彼はファイナルをブラック・タイヤによる連続アタックで戦う作戦を選んだ。セッション半ば過ぎ、パジェノーは1分00秒2293を出し、トップに立って見せた。
PPを確信し余裕のカストロネヴェスをディクソンが逆転!
しかし、ユーズド・レッドでファイナルを戦った中からカストロネヴェスが、もうセッションが終盤に入ったところで59秒9425をマークし、トップに躍り出た。彼にはもう1周アタックできる時間が残されていたが、PP獲得に自信を持っていたのか、ピットロードへと滑り込んだ。マシンを降り、ヘルメットを脱いだカストロネヴェスはライバルたちのアタックを見守り、チーム・オーナーのロジャー・ペンスキーと共にPP獲得を喜ぼうとしていた。
ところが、予選終了までアタックを続け、コース上に最後まで残っていたディクソンがチェッカード・フラッグを受けたラップに59秒9073を叩き出した。最後の最後で自身初の59秒台をマークしたディクソンが、僅か0.0910秒の差でカストロネヴェスからトップの座を奪い取った。
「期待以上の結果になったね」とディクソンは笑顔を見せた。「レッド・タイヤではアンダーステアに悩まされ、フロント・ウィングをどんどん立てて行った。ドライビングの難しいマシンになっていたが、予選を戦っている中で1ラップ毎にタイムをほんの少しずつだが縮めて行くことができていた。そして最後のラップでは、ターン8の攻め方を少し緩めたのが功を奏してPP獲得がなった。3周のアタックの予定が、燃料の残りにも余裕が合ったことで4周目に突入することができ、それがPPに繋がった」とディクソンは喜んだ。
マジか! タイミング・ボートの表示にカストロネヴェスは茫然自失 Photo:INDYCAR (Chris Jones) |
シボレー、予選もトップ5を独占! ホンダ勢最上位はヒンチクリフ
予選3位はパジェノーのものとなり、予選4位はパワー。5位がブルデイで、ホンダ勢で唯一ファイナルに進んだヒンチクリフは6位となった。
Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) |
シボレー軍団がトップ5を占め、ホンダ勢ではヒンチクリフ、デイリー、アレシンの3人がトップ10に食い込んだ。
バーミンガムでの第4戦以来の19号車搭乗となるルカ・フィリッピ(デイル・コイン・レーシング)は、予選11位。トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)はアンダーステアが酷過ぎたため、セグメント2で最下位に沈んで予選12位となった。
佐藤琢磨、マシン・バランスが悪く今季ワースト・タイの20位
ジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)はセグメメント2進出をギリギリのがして予選13位。佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選でのマシン・バランスが悪く、ブラックでもレッドでも狙ったラップ・タイムが出せず、今シーズンで最も悪い予選結果=フェニックスと同じ20位となった。
「ガッカリの結果ですね。昨日のプラクティスではとても力強い走りを見せることができていたというのに……。今朝のプラクティス3から苦戦は始まり、予選でもその状況から抜出せなかった。まだその原因、理由はわかってません。グリップが得られず、良いバランスのマシンにもできていませんでした。これからデータを解析します」と予選を終えた琢磨は語った。
アンドレッティ・オートスポートはアイオワに続いてトロントでも大苦戦をしている。ベスト・グリッドはカルロス・ムニョスによる15位。トロントは得意のはずのライアン・ハンター-レイをもってしても18位。インディー500ウィナーのルーキー、アレクサンダー・ロッシは19位。マルコ・アンドレッティは最後尾の22位だ。
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