2016年7月11日月曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第11戦アイオワ・コーン300 Day1 予選&プラクティス・ファイナル:「予選は結果的には13番手だったので、テキサスみたいに“決まった!”アタックではなかったです。プラクティス・ファイナルではソコソコいいデータを取ることもできたし、これを明日に繋げます」

予選アタック順を待つ琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「予選はかなりいい走りだったんじゃないかと自分では感じました」

Jack Amano(以下――):予選の話からお願いします。2ラップ連続アタックでしたが、どんな走りになってましたか?

佐藤琢磨:よかったと思ったんだけどね、あの時点では。でも、何か……最初の8人ぐらいまではトラック・コンディションがやっぱりサラサラしている感じでしたね。8番、9番、10番以降から徐々に速くなっていた感じでした。

――やっぱり、ストックカーの走行があって、インディー・ライツの走行が続いたので、路面が悪くなっていたんですね?

佐藤琢磨:最初の方に走ったドライバーたちは、ほとんどが順位が下に沈んでましたよね? トニー・カナーンも非常に強い感じに見えていたけれど、後の方でアタックした人たちに抜かれてた。やっぱり、多少そういう状況はあったと思いますね。僕らとしては、プラクティスがあぁいう状況だったことを考えると、予選ではかなりいい走りだったんじゃないかなって自分では感じましたけど、結果的には13番手になったので、そんなに“決まった!”っていう、テキサスみたいな予選アタックとは違っていました。
「ターン3のバンプでものすごく車が暴れる」

――マシンの感触というか、乗り味というか……はどうだったんでしょう?
佐藤琢磨:ちょっとアンダーステア傾向が強かった。もうちょっとフロントのグリップを上げてってもよかったかなって思うけど、プラクティスでできなかったから、やっぱり冒険し過ぎるのはちょっと危険でしたし、特に、大きなバンプもあるので、それに乗り上げてリヤを失うというケースが続出してたから、そういう意味では安全方向……どっちかっていうと安全方向。その代わり、ダウンフォースと、バランスがアンダーステア方向であることを活かして、ライン的には非常にアグレッシブに内側のラインを通って短縮、短縮で距離で稼ぎましたね、スピードでっていうよりも。

――バンプが去年より大きくなってるってことですか?

佐藤琢磨:はい、そうです。ターン1のトンネルの上のバンプは良くなってるんですけど、ターン3の補修パッチが非常に荒くて、なんだろう……おそらく舗装のやり方も違うからグリップ感も違う上に、ものすごくクルマが暴れるんですよ。だから、去年よりも走りづらくなっていますね。

――逆に、チャンスが産まれるポイントになっているってところはありますか?

佐藤琢磨:いや、そうはなってないですね。みんながそのバンプを避けて、ターン3とターン4では(下から)1,7~2.5レーンぐらいのところを走るんです。去年もパッチはあって、みんなそこを避けて走ってた。だけど、前にクルマがいる時は、自分のマシンに風が当たらなくなるのを嫌って、マシンを少し内側にズラシて、ノーズを入れて走るじゃない? 去年までは、路面がまだスムーズだったから、ターン3~4をかなりスピードを乗せて抜けて行くことができて、それで、ターン1まで並んで行けて、オーバーテイクすることができたんですけど、今年は内側に入るとものすごいバンピーだから、アクセルを戻さざるを得ない。だから、結局抜けない。

――後ろにピッタリもくっつけないし、イン側からチャンスを窺うこともできない。

佐藤琢磨:そう。アウト側はもうほとんどない。

――このプラクティス中にエリオ・カストロネヴェスが全然抜けなかったのが、それですか?

佐藤琢磨:そう。彼の方が全然速かったでしょ? だから彼はグッと追いついて来るんだけど、ターン3~4で彼は僕の内側に入ろうとしてたけど、アクセル踏みっ切りで行けないから、僕をなかなかパスできなかった。ターン1側も、内側は最後の方が苦しくなるので、ラインを上げてかなきゃならない。バンクのサポートが必要になるから。横Gが残っている時にバンクのサポートが抜けて来ちゃうから。でも、バンクの上側にいれば、バンクにいられる分だけグリップ感は失われない。

「スティント公判で強さを発揮するようなクルマになっていました」

――ファイナル・プラクティス、今回はかなり連続周回をしていましたね?
佐藤琢磨:最近はファイナル・プラクティスでなかなか集団の中での走りっていうのをできてなくて、ハンドリングのバランスが悪くてショート・ランをくり返して……ってことが続いてましたよね。でも今日は割と長いランができたので非常によかったと思います。ダウンフォースを結構つけてったので、やっぱり遅かったけど、逆に、誰も僕のことを簡単に抜くことはできなかった。順位を上げて行くっていうのは難しいだろうけれど、スティントの後半のタイヤが厳しくなって来た時に強さを発揮するようなクルマでしたね。だから、タイヤがフレッシュな間は追いついて行くので精一杯かもしれないけど。ちょっとドラッグが大きいクルマでしたね。だた、この状態からウィングを寝かしちゃうと難しいかもしれない。ダウンフォース・レベルはトップを走っているシボレー勢と同じぐらいかもしれない。だけど、それを出すためにドラッグが一割りぐらい大きくなっている気がするな。フィーリングで言うとね。実際には一割も大きくないよ。でも、3パーセントとかでも充分な違いになるから。エリオがグーッと差を縮めて来れたのも、そういうコトだと思うんだよね。

――誰にとってもオーバーテイクは難しいレースになりそうということですね?

佐藤琢磨:はい。しかも、今のプラクティスは太陽も傾き出して、コンディションは気温も路面温度も落ちてきてた。スタンドの影にコースが入ってるところも多くなっていた。

――レース終盤のコンディションに近かった感じですね?

佐藤琢磨:そうですよね。それでこんな感じだったから、レースの前半は大変と思う。最初の5周とかは2ワイド、3ワイドで行けるかもしれないけど、10周以降は1列で、そこから30周以降までもずっと1列での走行が続くってことになるんじゃないのかな? スティントの最後の10周、20周で多分、タイヤの苦しいドライバーたちは後ろに下がって行く……って展開になるでしょう。そんな感じになりそうですけどね。

――今のセッションでラップ・タイムが安定してましたが?

佐藤琢磨:安定してたけど、周回を重ねるとラップ・タイムは落ちてきちゃうので、その時に内側に入れないから……どうなるだろう?

――タイヤを換えるタイミングが非常に重要になりそうですね?

佐藤琢磨:はい。ちょっと前までのアイオワは、5周しか速くないって感じがあったじゃない? それに比べると、今年のマシンはずっとハイ・ペースを維持したまま走って行ける。それはダウンフォースがソコソコ戻ってきているってことですかね? だから……フォンタナ行こうよ!(笑) ともかく、僕らとしては、今のプラクティス・ファイナルはソコソコいいデータを取ることもできたし、これを明日に繋げます。
以上

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