「オン・ザ・レール感覚で素晴らしいクルマでしたね、予選は」
Jack Amano（以下――）：プラクティスは“どん底”ってコメントでしたが、予選は4位。一気にマシンを良くできたようですが、何をしたんですか？
佐藤琢磨：マジック（笑）。まぁ、何がダメなのかっていうのは見えてきていたんです。インディーでもスティントで全然違ったじゃないですか。最初がダメで、途中で良くなって……というように。アレをもう一度やってみたというか、悪さをしているだろうっていう部分を変えてみたんですね。そうしたらすごくクルマが良くなって、予選は見違えるほどバランスもよくなり、グリップ感も増して、非常にタイトなラインで行けました。
――イン側ピタピタでしたね。
佐藤琢磨：小回り、小回りで最短距離を走った自信はあります！
――2周目の落ち込みも小さかった。
佐藤琢磨：はい。ダウンフォースもそんなに恐ろしく削ってはいないので、ある意味、乗ってるコクピットの中では、もうちょっと削れたかなと思うけど、ただ、安定感というかオン・ザ・レール感覚で非常に素晴らしいクルマでしたね、予選は。
――予選4位というのは、非常に好い結果です。
佐藤琢磨：はい。ありがとうございます。
「プラクティスでは、ニュー・タイヤの3～4周目でリアが流れ出した
ピットで調整したのですが、出ていくたびに悪くなってしまいました」
――そして、いま終わったファイナル・プラクティスですが、最初にパッとタイムが出ましたが、どうでしたか？
佐藤琢磨：一発屋でしたね（笑）。タイヤを使い終わった後は悲惨でした。
――走り出しは好感触で？
佐藤琢磨：ニュー・タイヤでもそういう兆候が見えてましたね。3周目……かな？ コースに出てってすぐにトニー（・カナーン）が来た。速いクルマだから追いついて行こうって思ったんですが、トニーの方が全然速くて、ついてこうと思って、ニュー・タイヤの3周目のターン4でリヤが流れ出した。コレは何かおかしっていうので、すぐにピットに入ってきて調整をしたんですけど、出ていく度に悪くなっていって、最後はスプリング・パッケージもちょっと換えたんですけど、悪い方向に行ってしまったんで、明日はまた（セッティングを）変えます。まだまだ勉強不足というか、修行が足りないですね、このチームは。全然狙ったところに到達できない。
――今年は新エアロ・キットにプラスしてドーム・スキッド装着とか、対応すべき項目が増えてるからですか？
佐藤琢磨：ものすごくダウンフォースをつけてったので大丈夫だと思ったんですけどね。皮を剥がしたら酷かった。やっぱり足下がキッチリしてないとダメですね。ボロが出ちゃうっていうか……。
――ダウンフォースを増やせばタイヤの持ちも良くなる……というものでもないんですか？
佐藤琢磨：それだけではないですね。その辺りは非常にデリケートなので、色んなチームが苦労しているところだとは思いますけど、自分たちの今週末は、下がって、上がって、下がってみたいな感じです。もちろん、いま走ったのも良いデータにはなっている。ただ、ひとつ懸念があるとすれば、明日に向けてセッティングを変えると、もうそれはブッツケ本番になってしまうというところ。それが外れたらおしまいです。でも、かなりクルマを変えないとダメっぽいですね。このままじゃ、ちょっとスプリングを柔らかくするとか、ちょっと車高を変えるとか、ウィングを後ろよりにするとか、そういう問題じゃない。そんなことをしても、良さは3周ぐらいしか伸びない。結局ダメになる。だから、もう根本的なところ。
「明日のレースはスティントの最初と最後で10mphは落ちますね」
――明日のレースは、タイヤのグリップ・ダウンが大きく、スティント内の最初と最後でスピードが大きく変わるという、去年と同じキャラクターなんですね？
佐藤琢磨：はい、10mph落ちますね。
――そんなに？
佐藤琢磨：速いクルマはそんなに落ちないのかもしれないけど……。いま、トニーのところが最後どのぐらいのペースで走ってたのかは気になるところです。タイヤの持ちは去年より悪いんじゃない？ 今年のタイヤの方がソフト傾向だよね、見てると。だから、去年より更にドロップが大きい。
――では、レースは腕の見せどころになりますね？
佐藤琢磨：逆に、あんまり腕は見せたくない（笑）。
――コントロールをし続けるレースになったら、とても大変……ということですね。では明日、2列目からのスタート、頑張ってください。
佐藤琢磨：はい。ありがとうございます。
以上
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