パジェノー、プライマリー・タイヤによるPP奪取 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
ヴェライゾン・インディーカー・シリーズは、2016年シーズンの第7、8戦を開催するためにアメリカ自動車業界の主都ミシガン州デトロイトを訪れている。カナダとの国境を流れるデトロイト・リヴァーに浮かぶベル・アイルの公道を使った全長2.35マイルのコースでは、今年もダブルヘダー=2レースが行なわれる。22台のインディーカーは、プラクティスを1回走った後、レース#1用に3段階の予選を行った。
今年のデトロイトは好天に恵まれている。日中の気温は27℃に達し、ドライ・コンディションで全セッションが行われた。暑さのためかレッド・タイヤのパフォーマンスが他のコースに比べて低い、あるいはグリップを発揮する時間が短かい状況下、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)の6人(Q2のタイムが速い順に表記)がファイナル・セグメントへと駒を進め、この中からパジェノーが1分14秒91166を出して今年4回目となるポールポジション獲得を果たした。驚いたことに、ファイアストン・ファスト6で2人がブラック・タイヤで走った。そのうちの1人がパジェノーで、レッド装着勢を上回るタイムをマークし、ポールポジションを手に入れた。
ペンスキー、お膝元イベントで予選1-2-3
去年ウィル・パワーが記録した1分16秒0941のレコードは、今日の予選10位までのドライバーが上回った。そして、予選のセグメント2でカストロネヴェスの記録した1分14秒6899が新しいコース・レコードとなった。
予選2位となったのは、そのカストロネヴェスだった。タイムは1分14秒9285で、パジェノーとの差は僅かに0.0119秒だった。3位のモントーヤは1分15秒5659で、ポールを獲得したパジェノーとの差は0.6493秒あった。
チーム・ペンスキーが、ボスのロジャー・ペンスキーがプロモーターのレースで予選1-2-3。冠スポンサーのシボレーも同じく予選でトップ3を独占した。
パジェノーは、「インディー500は残念なレースになった。中盤でメカニカル・トラブルに見舞われた。最後までトップ争いのできるマシンになっていただけに不運だった。しかし、今日こうしてまたトップに立てたことを喜びたい。今年の僕らはずっとトップ争いをしてきている。そこに戻ることができた。ロング・ビーチのレースでのように、デトロイトでもマシンは速いだろうと考えていた。予選でキッチリとマシンの力を引き出し、好タイムを出せた。今日はタイヤチョイスも正解だった。ブラックでのマシンが良かったのでブラックでQ3を走った。それでポールを獲れたことが嬉しい」と語った。
好調ヒンチクリフ! 2戦連続ファスト6進出でホンダ勢トップの4位!
ホンダのトップは、インディー500の予選に続いてジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)Q3でのベストは1分15秒7708だった。
予選5位もホンダ勢。インディー500で2位フィニッシュしたムニョスだ。彼は昨年のデトロイト/レース#1でキャリア初優勝を飾っている。
ヒンチは予選後、「今日の予選には満足している。ファイアストン・ファスト6に2戦連続で入れたという事実が僕らのチームにとっては大きい。まだレースが2回と予選が1回残されている。しかし、去年ケガで出場できなかったのに、こうしてトップグループで争うスピードを確保できているコトも嬉しい」とコメントした。
パワー、予選9位に沈む! インディー500ウイナーのロッシはQ1敗退
ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はファイナルに進めなかったばかりか、Q2でも振るわずに予選9位。
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選11位。Q2までは進出したが、Q1でもQ2でもレッドタイヤで好タイムを記録できていなかった。
昨年度のレース#2で優勝したセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)は予選13位と低迷。インディー500チャンピオンのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)もQ1突破ができずに予選17位だった。
ロッシは、「予選結果には驚いている。チームメイトたちのプラクティスでのパフォーマンスからして、予選ではもっと好いタイムを出せ、もっと上位のグリッドを確保できるものと考えていた。予選での走りはとても良かったと感じていた。プラクティスより乗り易いマシンになっていた。それだけに、17位という結果には少々ショックを受けている。マシンを向上させるために努力を続けなければ」と話した。
悔やむ琢磨、「僕らはレッドの使い方をまだ完全に把握できてない」
琢磨も予選結果にはガッカリしていた。デトロイトは得意のコースだからだ。「残念な予選になりましたね。予選が始まってすぐ、僕らはブラック・タイヤでトップに立つタイムを出せて、そのタイムでQ2に進むことができました。レッド・タイヤでのマシンが悪かったのは、リヤのウィングレットが壊れていたことも影響してのことと思い、それを直して望んだQ2では、レッドでも好タイムを出せると考えていました。しかし、Q1でタイヤの空気圧が低過ぎたと思ったので、空気圧を高めに入れて行ったら、アタックラップの後半にはもうリヤのグリップがなくなってしまった。レッドよりブラックの方がこのコースでは良い。僕らはレッドの使い方をまだ完全に把握できていない。他チームは予選の中でうまく調整を行っていたようでしたが」と琢磨は語った。
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