2016年6月5日日曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第7・8戦 シボレー・デュアル・イン・デトロイト Day1 予選:「ユーズドのブラック・タイヤで1分16秒フラットを出して、ニュー・タイヤからコンマ3秒落ちだからマシンの状態は決して悪くないですが、レッド・タイヤが1周持ちませんでした」

Photo:INDYCAR(Chris Owens) クリックして拡大
「予選1時間前にセットアップを変更しました」
Jack Amano(以下――):第1セグメント、ブラック・タイヤで出て行って、すごくいいタイムが出ていましたね。
佐藤琢磨:神でしたね、神(笑)。

――あのタイムでQ2進出ができちゃったんですよね?
佐藤琢磨:そうでした。

――レッドを投入しないでもいいぐらいだった。

佐藤琢磨:はい。レッドを投入してブッちぎる予定だったんだけど、ブッちぎられた(笑)。
――ブラックであれだけ速いのには、周りも驚いてました。
佐藤琢磨:すごいでしょ? アレは僕がセットアップを変えたいって言って、ラリー(・フォイト)とか目ん玉デッカクなってましたよ、「何やってんの予選1時間前に!」って。リヤのサスペンションを外して作業していたから。ラウール(・プラドス:琢磨担当エンジニア)もちょっとビビっちゃって、少しコンサバになったんだけど、でも僕が言うように変えて、すごく良くなったんですね。で、ブラック・タイヤでバーンッて好いタイムが出て、「ほれ、見たことか!」みたいな感じでした。

――走り出して2周目でしたね?

佐藤琢磨:はい、もうノリノリでした。

「ファスト6に行く自信はありましたが、レッドが1周持ちませんでした」
――それでピットでレッドに換えたんですが?
佐藤琢磨:そうしたら、今日は全体的にみんなレッド・タイヤで苦労してましたね。

――特にQ1でブラックと大きく差をつけるタイムを出せてませんでした。
佐藤琢磨:そうなんです。だから、すごいのは、そうやってゲインのなかった人たちが
Q3でレッド・タイヤで見事にタイム更新して、好いタイムを出してるってところ。
このQ1、Q2、Q3の中で彼らはレッド・タイヤがうまく働かなかったメカニズムを解明して、対策したってコトなんですよ。ウチらはまったく進歩がなかった。

――Q1での琢磨選手のレッド・タイヤ装着時は、すでに苦しいものになってたんですか?
佐藤琢磨:レッド・タイヤっていうのはワーキング・レンジが低いんですよ。なので、タイヤ・プレッシャーを落としてあげないと、すぐにグリップがギブ・アップしちゃうんですね。普通はタイヤの内圧を落として行くなけど、今日は落として行ったらクルマがウニャウニャになるわ、底打ちは酷いわで、それでか何かわからないけど、リヤのホイール・ガード上のウィングレットが壊れちゃったんですよ、予選1回目のレッド・タイヤでの走行で。レッド・タイヤ装着でのタイムのゲインがまったく無く、クルマが壊れちゃった。でも、幸運にもブラック・タイヤのタイムが生きてたのでQ2に上がれたじゃないですか。で、タイヤを今度はちゃんと内圧を上げてって、それでウィングレットも直してった。Q2の最初、僕はフレッシュのブラック・タイヤで行きたかったんですけど、用意してなかった。タイヤ・アロケーションの問題ってないはずなんですけどね。今日の僕らは、ファイアストン・ファスト6に行くのを前提にして、そっちにフレッシュ・タイヤを残さなくちゃいけないので、ユーズドのブラックで行った。そしてレッドに履き替える。そちらもフレッシュで、今度は好い走りができるはずだったんです。だって1回失敗してるから。ウィングも直してるし、Q3に上がれる自信があったんですね。だけど、フレッシュのレッド・タイヤで、確かに最初のレスポンスは好かったんだけど、タイムド・ラップの1周目の後半でもうタイヤがダメになっちゃった。リヤ・タイヤのグリップがなくなっちゃった。だから、下げてもダメ、上げてもダメ。全部ダメ……。今年からインディカーのルールで、使わなかったタイヤを次のレースに持ち越せるようになってるんですけど、僕らはセント・ピータースバーグでスロー・パンクチャーか何かがあって、1セットを持ち越せなかった。他はみんな持ち越しているのに、グレアム・レイホールと僕だけタイヤが1セット、ショートしてるんですよ。

――不思議なルールですよね?

佐藤琢磨:へンなルール。1回イベント終わったら、もうリセットしてくれよって。とにかく、そんなことで、得意のデトロイトだし、起死回生を狙っていたんですけど、残念ながらQ3に行けませんでした。

――タイヤがタレちゃったアタック・ラップ、タレる前までのマシンは好かったんですか?
佐藤琢磨:よさ気でした。グリップがなくなる前の時点までで1分15秒7よりマイナス0秒幾つかは出てたから、1分15秒6とか1分15秒7とかは行ってましたね(最終的に琢磨のベストは1分16秒0998で、Q3進出を6位で果たしたカルロス・ムニョスのタイムは1分15秒4256)。

――アタックの前半でマシンがよかった……というのは光明とは言えないんですか?

佐藤琢磨:6回ぐらい曲がったらタイヤがなくなっちゃうっていうのは、酷いんじゃない? タイヤの内圧が最初は低過ぎたから、Q2では上げた。それが上がり過ぎて山の向こう側に行っちゃったってことだと思います。

「日曜日の朝の予選は、レッド・タイヤをうまく使わないと厳しいですね」
――今日は暑くて、明日も暑そう。レッド・タイヤの使い方は難しい?
佐藤琢磨:雨。雨がいいですね。

――でも、明日は晴れの予報で……。日曜は雨の可能性アリってなってますが……。

佐藤琢磨:はい。明日は11番手からのスタートか……。

――決して悪くはないでしょう? ブラック・タイヤでのマシンは好かったのだし?

佐藤琢磨:そうですね。レースでもブラック・タイヤが有利なのは、みんなわかってますね。それはもう、去年、一昨年とそうだったから。去年もその傾向はあったんですよ、レッド・タイヤにしてルースになって行く感じは。でも、少なくとも去年予選では、ブラックからレッドで1秒以上のゲインがあったの。でも、レッド・タイヤは1周しか持たないっていうのが、みんなの認識だった。で、それが今年は……・今年の僕は1周持たない。半周タイヤ。ブラック・タイヤでのマシンは好かったけれど、ブラック・タイヤの方が良いのは、もうみんなわかっちゃってる。あと、日曜日の朝の予選は、レッド・タイヤをうまく使わないと厳しいですね。少なくとも、Q3でみんながやっていた。1分14秒台……アレは自分たちには全然見えてない。

――明日の朝のプラクティスでは何をしますか?

佐藤琢磨:今日の予選、ユーズドのブラック・タイヤを履いて出てって、1分16秒フラットを出して、ニュー・タイヤからコンマ3秒落ちだから決して悪くない。2周目もゲインできるぐらいの勢いで行ってたんだけれど、やっぱりリヤがなくなっていた。ブラックでも同じ傾向は見えていたんですよね。根本的に、僕らのクルマ、ヤリ方が間違っている可能性はあります。他のチーム、例えばエリオ(・カストロネヴェス)とか、1分15秒0を出した後に1分14秒9とかだったでしょ、レッド・タイヤで。僕らの4倍持ってるワケですよ、レッド・タイヤ(のグリップ)が。信じられない。タイヤが違うとしか思えない。
以上

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