1年ぶりにあのストリート無敵のパワーが甦った! Photo:INDYCAR (Chiris Owens) クリックして拡大 |
昨シーズンの中盤から今朝の予選まで、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は幾度となく不運に見舞われ、自らにプレッシャーをかけ過ぎたり、マシンをプッシュし過ぎて自ら穴に落ちることも多かった。去年のグランプリ・オブ・インディアナポリスで勝って以来、もう1年以上も勝利から遠ざかっていた。そんな彼がデトロイト・グランプリのレース2で優勝を飾った。
レースは彼の先輩チームメイトのエリオ・カストロネヴェスがブッチギリの勝利に向って淡々と周回を重ねていたのだが、70周のレースが50周目に、燃費良く走っていた彼だけがピットしていないタイミングでフルコース・コーション発生。ピットがオープンになって給油に向った彼は、後方集団に埋もれて勝利のチャンスを失った。今日のレースでは、不運はカストロネヴェスが引き受けてくれたのだ。
パワー、チーム・メイトのパジェノーを圧巻のアウトサイドパス!
レース序盤、ニューガーデンを半ば強引にかぶせるパワー。昨日のレース1ではリヤタイヤのリム落ちからミッショントラブルを引き起こすという不運に見舞われ、今日は予選ペナルティで最速ラップ剥奪とツキに見放されたが、レース2せはそのうっぷんを晴らすかのような本来のキレのある走りを展開した。 Photo:INDYCAR (Chris Jones) |
「相手はチームメイト。しかも、チャンピオンシップをリードしている身。ピットからは気をつけろって言われていたんだ。それでアウトからパスしに行った。インに飛び込むと彼を壁にヒットさせてしまうリスクが高かったから……」とパワーは振り返った。あの豪快なパッシングは、実は彼なりに慎重に、マージンをもって遂行されたものだったというのだ。
安定感ある速さを見せたパジェノーとカストロネヴェス。49周目にパジェノーはピット・イン。カストロネヴェスはピットに入らなかったが、50周目にピットアウトしたばかりのホウクスワースがコース上で停止してフル・コース・コーション発生。カストロネヴェスの勝機はなくなった Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
ホンダ最上位はハンター‐レイの3位!
3位はフロント・ロウ外側グリッドからスタートしたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。今年2回目の3位(1回目はセント・ピータースバーグ)だ。「自分たちの作戦が最良のものになるよう願いながら全力で戦う。そうするしかない。だから、作戦の違いによって結果が3位になったのは少し残念だ。今日は何も悪いことが起こらなかった。それを喜びたい。近頃はそういうレースがなかったから。ホンダ勢の最上位となれたのは嬉しいが、僕らの目標は勝つこと。今日も最後のピットストップ後のポジション次第では、それが狙えていたと思う」とハンター-レイは語った。
佐藤琢磨、アクシデントにもめげず粘りのトップ10フィニッシュ
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は16番手スタートから10位でゴールした。しかし、レース後の琢磨は悔しさをにじませていた。得意としてきたデトロイトで、とうとう2レース目でもマシンを充分コンペティティブなレヴェルに仕上げられなかったからだ。今年のセント・ピータースバーグとロング・ビーチでは競争力を発揮できていたが、グランプリ・オヴ・インディアナポリスでおおいに苦戦し、今回もパフォーマンスは芳しくないまま週末を終えることとなった。チームはエンジニアリング強化を進めてきているが、まだコースによって大苦戦を余儀なくされることがある。「僕らのストリート・コースでのマシンは良くて、デトロイトでも良いだろうと考えていた。でも、デトロイトは高速で、ストリート・コースじゃ考えられないぐらいのGフォースがかかるコーナーがある。もう、常設ロードコースのようなマシンを作らないといけないのかもしれない」と琢磨は話していた。
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