Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大 |
Jack Amano(以下――):スタートを前に雲行きが怪しくなりましたが、チームとしては、どういう読みで、どういった対処、対策をしたんでしょうか?
佐藤琢磨:レーダーを見ながら、スタート前40~50分前から、「レース中に雨が降るのか?」と考えましたが、結果的には小雨で終わってしまって、レースには影響がなかったですね。僕らとしては、降ったら降ったでということでした。
決勝は、最後のプラクティス終了から30分でスタート・タイヤを決めてインディーカーに伝えないといけないので、レッド・タイヤでスタートすることにしました。フル・グリッドの中でただ1人、カルロス・ムニョスだけがブラック・タイヤで、あとは皆レッド。そのような状況では、自分たちのストラテジーがどう変わって行くかはわからなかったですけど、雨がすぐ降りそうなのであれば、雨が降るまではレッドで引っ張るつもりでしたし、降らなくても4周目、5周目でピットに入ろうかな、と考えていました。結果的には6周目、7周目で入ったのかな?(実際は4周目=優勝したセバスチャン・ブルデイと同時) みんなそれぐらいでしたね。そこがちょうどそこらあたりが3ストップでギリギリ行けるぐらいだったので。ただ、みんなが同じタイミングで入ったので、最終的には僕らの考えていた通りの展開にはならなかったですね。そもそもクルマがあまり速くなかったし、順位を落とす傾向の方が強くなってました。他のクルマの脱落などに助けられて順位を上げて行って、また抜かれてみたいな感じでした。最後は長いスティントになりましたけど、走り切るつもりで行ったんですけど、トップ3(ブルデイ、コナー・デイリー、ファン・パブロ・モントーヤ)が逃げて、またピット入って逃げたのかな? 僕らは戦略的にも負けてしまっていました。そして、クルマをもっと速くしないと非常に厳しいですね。
――今日のプラクティスから決勝に向けては、セッティングにひと捻りを入れて行ったんですか?
佐藤琢磨:入れたんですけどね。今朝のプラクティスでは16番手程度のタイムで、マシンはあまりよくなかったんですよね。それで決勝にはセッティングを変えて行きました。変えざるを得なかったんです。それで、僕たちが組み合わせてないセッティングでしたから、よくなるだろうって踏んでたんですけど、結果的によくなかったです。
「序盤にレッドを使って奇襲をかけるという考えが
実際にはみんな同じになっていましたね」
――今日はほぼ全員がレッドでスタート。こんなこと初めてですよね? スタート・タイヤを申告する際にライバルたちのチョイスはわかっていないので、21台がレッドと聞いて驚いたんじゃないですか?
佐藤琢磨:そうでしたね。レッド・タイヤのデグラデーションというか、性能劣化が早いと感じていたので、みんなササッとレッドを終わらせるつもりだったんでしょう。序盤にイエローが出ると見てましたから。その時にタイヤ交換しようと。アンダー・グリーンでも序盤にピットに入っちゃおうって考えていました。そして、みんながそれをやったワケですよね。
――今日は曇り空で、涼しいレースになってましたが、その影響は?
佐藤琢磨:タイヤが持つ傾向だったので、プッシュできるクルマは今日のストラテジーのようにガーッと逃げて、F1時代みたいな感じで、ラップ・タイムでピット・ストップの時間を築いてマルチ・ストップにするみたいな。それができたのは速いクルマと安定したタイヤがあったからこそ、だと思いますね。僕らとしたら、序盤にレッドを使って奇襲をかけるっていう考えが、実際にはみんな同じになっていたから、結果的にはみんな似たような結果になってしまった。ムニョスはどこでゴールしたのかな?
――6位でした。今日はずっとポジション争いのバトルが続いてましたが?
佐藤琢磨:苦しかったですね。終盤は燃料のミクスチャーをかなり薄くしてなくちゃいけなかった。ポジションをずっと守り切れるだけのクルマにもなっていなかったし。ちょっと厳しかったですね、全体的に。
「セッティングはまっさらにしてやり直します」
――となると、明日はいきなり予選で、すぐまた決勝ですが、どんな考え方で、どういうことをしようと考えていますか?
佐藤琢磨:ノー・アイディア。今、これからチームとディブリーフィングします。まぁ、今日のクルマのセッティングはもう、クシャクシャっと丸めて真っさらにしてやり直すかな。
――雨の予報もありますが?
佐藤琢磨:雨はいいと思いますけどね。今年まだウェット・タイヤを履いていないし、このエアロ・パッケージでウェットやってないから。去年よりは明らかにダウンフォースも出ているはずだから。去年、僕らはここの雨で好かったから、雨でも特に問題はないです。
以上
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