2016年5月14日土曜日

2016 INDYCAR レポート R5 アンジーズ・リスト・グランプリ・オヴ・インディアナポリス Day2 予選:パジェノー、またもPP獲得!このままチャンピオンへ一直線か!?

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
激戦を制し2戦連続ポール・ポジション
 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)の勢いが止まらなくなってきた。開幕4戦で2位2回の後に2連勝しているチーム・ペンスキー2年目のフレンチ・ドライバーは、一度優勝しているインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでポール・ポジション=3連勝に最も近いグリッドを手に入れた。

ファスト6に異なる6チームのドライバーが進出!
 今回の予選は荒れ模様で、6つのチームから1人ずつのドライバーがQ3に進出した。チーム・ペンスキーをもってしてもQ3を戦えたのはパジェノーだけで、チップ・ガナッシ・レーシング・チームズからファイナルに駒を進めたのはチャーリー・キンボールだけだった。ポイント・ランキングで2位につけている昨年度シリーズ・チャンピオンのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)はQ2で敗退して予選9位となり、開幕戦ウィナーでポイント・ランク3位のファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)も予選8位を得るにとどまった。そして、去年のインディーGPウィナーで、今日の予選前のセッションでも最速と、ポール候補の最右翼だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が、やはりQ3進出に失敗したのだ。Q1のグループ2で自らのコースレコードを打ち破り、新レコードとなる1分8秒6746をマークしたところまでは順調だったが、Q2でタイムを出し損ねてファイナルに進めなかったばかりか、Q2最下位の予選12位に終わった。

「レッド・タイヤのパフォーマンスが最高のマシンに仕上がっている」

 第4戦アラバマで今季初ポール・ポジションを獲得したパジェノーだったが、GPオヴ・インディでも予選最速。2戦連続PPだ。「今、レースをやっていて本当に楽しい」と笑顔で彼は語り、「チーム・ペンスキーで走るチャンスを与えられたことに本当に深く感謝している。最高のクルマを彼らは用意してくれる。自分に可能なベストの仕事をするだけだ。エンジニアが怪物のように速いマシンを作り上げてくれる。今日はレッド・タイヤでのパフォーマンスが最高なマシンになっていた。チーム・ペンスキー入りして2年目、僕らの22号車はクルーも全員が去年と同じで、極めて安定したパフォーマンスを発揮し続ける実力を身につけている」と続けた。
 「明日のレースはチャンピオンシップにとって大きな意味を持つ。明日いい仕事ができたら、それは大きい。タイトルに向けて突き進んで行きたい。ポイント獲得に僕は集中している。今は明日のレースのことしか考えていないが、インディー500は僕にとってはシリーズとは別の存在かもしれない。インディ500は、あのレースひとつがチャンピオンシップと同じだから」ともパジェノーは語った。

レイホール、ヒンチクリフ、予選3,4番手に
ホウクスワース、今季初のファスト6進出


 ガナッシ代表のキンボールがキャリア・ベストに並ぶ予選2位を獲得。ホンダ勢のグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が予選3、4位でグリッド2列目に並ぶこととなった。
 予選5位はジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)で、予選6位は今季初めてファイアストン・ファスト6に入ったジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。
 シボレーはトップ2を独占。またしてもホンダにフロント・ロー・グリッドを与えなかった。しかし、今シーズン初めて予選のトップ6にホンダ勢が3人食い込んだ。エンジンとエアロ・キットのバトルは更に実力が伯仲してきているようだ。
 ディクソン、モントーヤ、パワー以外でも、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)は予選7位、セバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)は予選10位、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は予選15位と、予想より後方のグリッドから明日のレースのスタートを切る。


佐藤琢磨、レッドでのグリップ不足でQ1敗退

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は朝のプラクティスで5番手につけており、予選でも好パフォーマンスが期待されたが、Q1での敗退というショッキングな結果となった。
 「ブラック・タイヤで予選の最初に走り、その感触は悪くなかったのでレッドにスイッチしたが、レッドでのマシンはグリップが全然なかった」と自分たちの想定と異なる反応を示したマシンに頭を悩ませていた。チームメイトのホウクスワースは予選6位に食い込んだが、「今朝からジャックと自分とではセッティングの方向性が大きく違ってきていた。彼がグループ1で走り、ブラックでは良くなかったがレッドでハンドリングが一気に良くなった……という話を聞いていた。自分たちはブラックでマシンがまぁまぁ良く、レッドにしても行けるだろうと踏んだのですが、逆にハンドリングは悪くなってしまった。今、ちょっとセッティングに関しては少し混乱状態にあります」と琢磨は語った。彼のスターティング・グリッドは22番手という後方だ。

 最後にデータを少々。パジェノーのPPは今季2回目(1回目は第4戦アラバマ)。キャリア4回目のPP。チーム・ペンスキーは今シーズンの全5戦でPP獲得(!)

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