2016年5月27日金曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月26日 メディア・デイ その2:「今年のホンダ・エンジンは純粋にパワーが上がって、パワー・バンドも広がっています。多少モディファイされたエアロの中で、最大限のパフォーマンスを引き出せたことも非常に心強いです」


Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、今年もスペシャル・カラーリングのヘルメットでインディー500に出場する。黄色と青がメインの斬新なデザインのヘルメットだ。

「チーム・メイトふたりは、いま14号車のフル・クローンですが
カーブ・デイはもう少し行けるかなというところを3台で分担してテストします」


――明日のカーブ・デイは1時間だけのプラクティスですが、多くの周回を走る意向ですか?

佐藤琢磨:ウーン……できる限り、最大限に時間を使いたいですね。最初はもちろん、クルマのチェックに使います。全部をバラして、組み上げたクルマですから、まずインスターレーション・ラップで確認して、次にはタイヤの皮剥き=スカッフィングを数セットしますから、それで結構な時間を使いますよね。その後、セッションの半分ぐらいではトラフィックの中で走っていきたい。そうだな、2~3本は集団の中で走りたいな。

――明日のチームメイト2人はどういうプログラムなんでしょう?

佐藤琢磨:14号車のフル・クローン(全く同一)にセッティングはなっていますが、ちょっと僕らの中で、もう少し行けるかな? っていうところを3台で分けてテストします。で、良かったものを、その場でわかればすぐさまそこで当て込んでいくし、セッション中に間に合わなければ、走行終了後にデータをよく見て、良いと思ったものは使うつもりでいます。

――やっぱり3台あると違いますね、セッティングの進め方が。

佐藤琢磨:本来は違いが出るはずですけど、まだ今年は違いが出なかった。

――去年よりはよくなってましたよね?

佐藤琢磨:いやぁ、まだどっこいどっこいだったかな? 去年は14号車と他の2台がまったく違うフィロソフィで走ってたんですよね。それはそれで良いデータになったんですけど、今年も傾向としてはそんな感じでいきました。僕らだけが突出して、他は苦しみました。それで、明日はほとんど同じクルマで3人が走ります。

「今年のホンダ・エンジンは扱いやすく、パワーも上がっています」

――今年のホンダ・エンジン、どんなところが良くなっているんでしょう?

佐藤琢磨:純粋にパワーです。純粋にパワーが、やっぱり上がっているし、パワー・バンドも広がっていますね。そういう意味で、扱い易く、更にパワーも上がっている。純粋にコンペティテイブになります、それだけで。

――各セッション終了後にホンダのエンジニアと話をしていることが、そうした向上に繋がったんでしょうか?

佐藤琢磨:セッション毎にホンダのエンジニアと話しているのは、ドライバー個々のドライバビリティのチューニングについてです。全体でパワーが10あるとしたら、そのパワーをどこで使うかということ。どこで増やし、どこで減らすか。どこにパワーをデリバリーさせるかです。純粋なパワーゲームは、僕らが口を出すところじゃないので。ドライバーは口を開けば“パワーが欲しい”しか言いませんから、ディスカッションにはならないです。
 ただ、ギヤ・シフトだったり、燃費だったりですね。例えば、リーンな状態で走っているときのドライバビリティだったりっていうのは、確実にフィードバックに対して性能への反応が帰ってきますね。特にロード・コース、ストリートでは、そういう傾向が大きいです。オーバルでも、持っているエンジン・パワーをどういう風に使うか、です。トランペットの長さでトルク・カーブをどこに持っていくのかっていうのは、エンジンにとってベストなところと、やっぱりチームが考える、こういう風に走らせるので、こういうギヤリングでやりたいんだっていうストラテジーのディスカッションから出てくる答えはありますけど。
 あと、今年はトータル・パッケージですね。ドーム・スキッドも着いて、多少モディファイされたエアロの中で、最大限のパフォーマンスを引き出すことができた。それは非常に心強いですね。

「スペシャル・カラーのヘルメットをかぶったところが
どう見えるのか、今から楽しみです」


ボーグ・ワーナートロフィーの上面が描かれている Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大
――今年もスペシャル・ヘルメットですね? デザインのコンセプトなど教えてください。

佐藤琢磨:100周年の大会を記念するために、おめでたい色という意味も込めてイエロー・ゴールドをベースにしました。青色のところはブルー・トパーズです。あらゆる条件でチャンスを引き寄せるという意味のある宝石です。ヘルメットの後ろから上側はボーグ・ウォーナー・トロフィーのトップの部分がデザインされています。
Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大


――ABCサプライ・カラーとまったく違う色で、かなりヘルメットが浮き上がって見えるでしょうね?

佐藤琢磨:デザインはシンプルにして行こうっていうコトで、ひと目見てわかるものにしてもらいました。

――チームメイトのジャック・ホウクスワースとはマシンのかラーリングが一緒ですが、これだけヘルメットの色が違うと、スポッターも一目で区別ができますね?

佐藤琢磨:はい。今回はこれまでとはまったく違うカラーにしました。僕が黄色いヘルメットを被るのって、おそらく初めて。ロータスのときはイエローのストライプが入っていましたけど……。

――明日のカーブ・デイに被りますか?

佐藤琢磨:はい。明日被って、決勝でも被ります。

――明日、スポッターもその色で走るところを確認できるわけですね。

佐藤琢磨:はい。自分でもまだ被ってないので、どんな風に見えるのかわからないけど、どんな感じになるのか楽しみです。
以上

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